第10話:決断
「皆…。落ち着いて聞いてくれる…?」
クレナは3人に言った。
「何…?」
「あのね…。これから私が言う事をちゃんと聞いてほしいの…。いい…?」
「うん…。いいよ…。」
その言葉を聞くと、クレナはシアとケイの行動の原因、このままでいたらどうなるかを伝えた。
「ど…どうしたらいいの?」
カナデが聞くと、クレナはついに止める方法を言った。
「あのね…。このまま進行させたくなかったら、…あなた達を私が壊すしかないの…。」
「そんな…!!あたし達はクレナに作られたんだよ…!?」
「ごめん…。ごめんね…!」
「そんなの…!謝ってすむ問題じゃない…!やっぱりあたし達は、勝手に作られて、危険だったら勝手に壊される存在なの…!?」
そう言って、ケイはクレナに掴みかかろうとした。
「ケイ!クレナに何するつもりなの!」
「だって…!シア…!」
「今クレナをどうかしたって変わる訳じゃないでしょ!」
ケイはしぶしぶ納得して、元の場所に戻った。
「でもクレナ…。このままだったら、いつか私達はたくさん周りの物を壊しちゃうんでしょ…?」
「物だけじゃないの…。人や人形も殺してしまったりするの…。」
それを聞いて、3人は黙ってしまった。
「皆がどうしたいかちゃんと決めて…?それに応じて私も行動を決めるから…。」
そう言うと、クレナは自室に戻っていった。
プルルル…プルルル…
―はい―
「もしもし…。ジュナ…?」
―クレナ?どうしたの?―
「あのね…。皆に話したの…。」
―そう…。3人に症状は?―
「シアとケイが出た…。」
―…そう…。―
「ねぇ、ジュナ…。私がやった事って良かった事なのかな…。」
―さぁ…。分からないけど、勝手に決めるよりは良かったと思うよ。―
「そう…?」
―後は、クレナがどうするかよ。―
「うん…。わかった…。」
―それじゃ、私明日の用意があるから…。―
「うん、ありがとう…。」
電話が終わった後、クレナの顔は決意に満ちていた。
「ねぇ…。どうする…?」
「あたしは壊されるのは嫌…!」
シアとケイは討論をしていた。カナデは黙ったままだ。
「カナデ、ずっと黙ったままだけど…。どうしたの?」
気付いたシアが尋ねると、カナデは答えた。
「私ね…、壊されようと思う…。」
それを聞いて2人は驚いた。
「どうして…!?」
「カナデ…!考え直しなよ…!」
2人に何を言われても、カナデは壊されると言い続けた。
「私ね…。まだそういう事になってないからかもしれないけど、皆に迷惑がかかるかもしれないっていう事が怖いの…。」
「「……………」」
「だからね、迷惑かける前にって…。それじゃあね…シア、ケイ…。」
「待って、カナデ…!」
しかし、2人が止める前に、カナデはクレナの所に向かっていった…。