7話
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「結局何がしたかったんだ、アイツ?ただのナンパ?」
「さ、さぁ。でも私は彼が苦手だからすぐ帰ってくれて助かったよ。別に悪い方では無いのだがな……その……なんだ…ほら………。」
憐れ、オットー・フォン・フリードリヒ。
君は意中の人物から苦手意識を持たれてるぞ。 ……ザマァ。
こんな会話を少しして俺とリサは別れ、それぞれ帰路に着いたのであった。
そして、王の勅令が出されて三週間以上が経った。
相変わらず俺は剣が封印された歴代王の眠る霊園に訪れていない。
正直メンドウ。どうでもいい。
そんな物はどこかの強い奴が引き抜くだろう。
俺みたいな一つ星冒険者一人が行かなくても誰も気に留めやしないだろう。
そう考えた俺は毎日いつも通りに過ごしている。
そして今日も俺は薬草を摘み、犬の散歩の使いをこなす。
いつも通り報酬を受け取りに窓口のおっさんの所に出向く。
報酬を受け取り帰ろうとした俺を、おっさんが呼び止めた。
「お前、まだ霊園行ってないだろ?」
「そうだけど、それが?」
「いつになったら行く気なんだ?」
「いや、いつって……気がむいたら?」
そう俺が答えるとおっさんは大きな溜息をついた。
「あのなぁ、そろそろお前も行った方がいいぞ?国王様の命令に背いてるって分かったらどうなる事か。」
「は?いや、俺みたいな平冒険者が行かなくても何の問題なくね?」
「馬鹿!お前が問題無くても、リサがお前が行くまで行かないって言ってんだろ?アイツはお前と違って将来有望な冒険者なんだ。勇者候補と思われていても可笑しくない。そんな奴が霊園に来てないって分かってみろ。お前が来てないって事まで芋づる式にバレるぞ?それにリサが来ない理由がお前って事もな…」
………なんてこった。そこまで考えてなかった。
「しかもあれだ。この城下町にいる冒険者は粗方もう霊園に行っている。それでもまだ誰も剣を抜ける奴がいなくて近くの街の冒険者組合からも来てるって話だ。
一部では全然抜ける人間がいないもんだから、一般市民にも霊園に来さそうって話にもなってる。それなのにお前達は未だに行ってない。バレたら大目玉だぞ。」
ヤバイ、ヤバイ‼︎それはヤバイ!何呑気に俺は草なんかむしって、犬の散歩なんかしてんだ。
そんな状況だったなんて、興味なさすぎて知らんかった。
俺は全身から何か良くない汗が出ているのに気がついた。
これはもう、リサを連れて霊園行くしかない!
そんな事を考えていると、そこに都合よくリサが現れる。
「おい、リサ!丁度良かった。一緒に霊園行くぞ!急げ‼︎」
「お、おい、待て!まだクエストの報酬を受け取ってない!」
「そんなもんは後回しだ!急ぐぞ!」
俺はリサの腕を掴み、急ぎ霊園まで走って向かったのだった。
最後まで読んで下さりありがとうございました。如何でしたでしょうか?続きが読みたいと感じて頂けたら幸いです。
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また次にお会い出来たら光栄です。それではまた。