1話
投稿致しました。ここからゆっくりですが物語が進みます。プロローグ読んで下さった方々、ありがとうございます!
俺が身支度を整えていると、ドアからノックの音が聞こえる。
「入って大丈夫だよ。」
俺が入室の許可を告げると
「失礼致します。」
ドアを開け入ってくる。この城に使える侍女の1人だ。
銀髪がよく映えるかわいい娘だ。
しかし、名前はなんて言ったっけ?………覚えてない。
そんな事を考えていると侍女が話しはじめた。
「アマリ様、朝食の準備が整いました。」
「ありがとう。すぐ行くよ。」
侍女を連れ立って食事が用意されている場所へ向かう。
歩いていると、後ろの方からバタバタと走ってくる音が聞こえる。
(またか………毎日毎日大変なこった。)
「おい! コウ。コウ!」
そう言って走って来たのは、リサだ。
ユミールという名字があるが、俺はリサと呼んでいる。
長く伸ばした黒髪をポニーテールでまとめ、そこそこ大きい胸が主張している。
俺と同じ冒険者組合に所属してる冒険者で、たまたま俺らは組合に入ったのが同じ時期で今でも腐れ縁的な関係が続いている。
(うわぁー、今日も胸が揺れてるなぁー)
と、どうでもいい事を考えながらこちらに来るリサを見る。
「おい、コウ!今日こそ魔王討伐の旅に出よう! 皆がお前を待っているぞ!」
「やだよ。行くならお前一人で行けよ。なんなら他の冒険者連れて」
「なに言ってるんだ、コウ!あの剣を使えるのはお前だけなんだぞ。お前が行かなきゃ、魔王はおろか魔王の幹部すら……。」
「いや、五つ星ランクの冒険者の人達がどうにかしてくれるって、大丈夫、大丈夫! 何とかなるだろ。」
因みに、冒険者は星の数でランク分けさらていて、星の数が多いほど実力があり、人気もある。今の最高ランクは五つ星で、遥か昔、今の俺が持っている勇者の証しである剣ー精霊剣て言うらしいーを使っていた勇者は六つ星だったらしい。
リサは今のところ星二つだが、将来を渇望されている期待のホープでいつ三つになってもおかしくない。………俺?俺は……ほら、ねぇ、大した事してないし
とか言いつつ、実は俺も星四つある。しかしこれは魔王と戦う勇者が星一つでは体裁が悪いと考えた国のお偉いさん方や冒険者組合の組合長が勝手に引き上げた措置で、名ばかりの四つである。
流石に特に何もしていないのにいきなり五つ星は無理があったそうだ。
まぁ、俺にはどうでもいい事なんだが。
「馬鹿な事言うな!私はお前と……」
そこで話を遮る様に俺は
「リサ、俺はこれから朝食なんだ。この話はまた後にしよう。」と
早く話を終わらせたい俺はその場しのぎの方便を使い話を切った。
リサは何か言いたげな表情だったが、この場は引いてくれるようで、
「わかった………。朝食が終わったら組合まで来てくれ。待ってるからな。来るんだぞ!絶対にだぞ!っておい、コウ!返事をしろ!」
返事をせず俺は足早に侍女と共に朝食をがある所まで向かった。
食事をする広間まで行くと、そこには先に席に座り俺の方を見ている少女がいた。
最後まで読んで下さりありがとうございます。少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたら幸いです。
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