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電子世界のファンタジア  作者: 永遠の中級者
翠の大陸 初めてのアップデート
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61 報酬未定のクエスト

実は前回の書き溜めからそれなりに時間が空いていたが為に、居ない筈のせんなが居る前提で進めてしまっていたのは内緒。


それと、もしかしたら大陸内での位置関係が間違っている可能性が御座います。

そもそもその辺りは書いていない可能性すらございますが。

 ターザンのアジトのステージへと上がり、そのままの勢いでクエストボードのある場所へと進む一行。

 一度建物を間違えたけど、無事に辿り着き、早速クエストボードから目当ての物を探し始める。


「うーん」


 場所が変わったことで、クエストボード内の内容は確かに違うようである。当たり前といえばそうなのだけど、大陸内のクエストボードが統一されていれば日を改めなければならないところであった。

 そのお陰で可能性も残っているのだけど。


「中央に比べれば変化球的なクエストは多いね」


「変化球って例えば?」


「指定した場所を経由して特定のアイテムを届けろとか」


「確かに此れまでとは少し違うような…?」


「ちなみにそのアイテムを既に持っていれば経由しなくて良し!」


「いいんかい!」


 別に経由しなくていいのなら、此れまでの届ける依頼とそれほど変わらないじゃない。いや、確かに変化球ではあるのか。

 それにしても、以前に此処のクエストボードを少し見た時には、そのような形式の依頼は無かった気はするけど、アップデートされた影響なのだろうか?


「お、報酬が非表示のやつ発見?」


「あ、あったの?」


「どんなの?」


 どれどれと、皆で発見された依頼を確認する。

 すると、その依頼は他の物よりも変わっていた。




――――――――――――――――――――

試練:【俺に付いて来れるか】


戦士たるもの基礎がなっていなければ話にならん。

武器や魔法を使うのは構わん。だが、それを失えば無防備となってしまう。

そうなってしまっては後は己の身一つで乗り越えねばならない。


其処でだ、俺は少しでも諸君らを鍛えようと思う。

まずはそうだな、俺を見つけるところからだ。話はそれからだ。



場所指定:翠の大陸 西部

制限:クエスト中 武器装備不可

クエスト参加人数:2人まで(パーティ時のみ)

報酬:???

――――――――――――――――――――




―――あ、多分これだ。


 確かに報酬部分は非表示になっている。

 それ以上に他と異なる箇所が点在している。


 まず、あからさまに依頼の分類が違っている。討伐や収集ではなく試練となっている。文章と合わせて、もうこの時点で目的の一つの〈体術〉関係である可能性が高い。


「…参加人数なんてあるんだ?」


「細かい変更でもあったのかな?」


 クエストにあたって制限が掛けられていることも此れまでの通常クエストではあまり無かったことだ。

 最近はパーティでクエストを受けていたからクエスト内容が共有されていたがが、このクエストは誰が参加するかを指定しておかなければならないようだ。

 おまけに武器装備不可なんて主に前衛陣には結構厳しい制限である。魔法のスキルを使えれば少しはマシなのだろうけど、それでも武器を装備しないとなればある程度の補正も無くなる。


 「諸君らを鍛えよう」と言う割には、会う前から枷が用意されているのは何故ですか…


「どうする? 2人しか参加出来ないけど」


 現在メンバーは先輩を除いての5人。

 クエストボードにこの依頼は今は一つしかないので、制限通り2人までしか行けない。


「あ、私は遠慮しておきます」


 るる。は辞退。

 まぁ、優先するようなことではないだろうね。これが〈体術〉関係なのかどうかは確定したわけではないけど。


「るる。は後衛専念するんだっけ。それなら別に優先する程でもないか」


「はい…前衛ではあまり役に立てないので」


「じゃあ私も遠慮しようかなー。どっちかと言うと〈二刀〉とかの方が欲しい」


「…また別の機会にでもする。今は様子見」


 おっと?

 消去法のような形で参加が決まったのだけど?

 残ったのは私とAkariか。


 他の皆は、制限の掛かるこちらの援護をしてくれるとのこと。


「あれ? クエストに参加してなくても大丈夫なの?」


「別に報酬が貰えないだけで、途中まで同行するぐらいなら大丈夫じゃない?」


「…そう言った制限も特に無い」


 クエスト参加人数はそういった制限だと思うのだけど…


「関係のない人だけで行ってもイベントは発生はしないのだと思いますから」


 まぁ、そうだよね。

 

「それじゃあ受けるよ。参加者は私とAkariにして―――っと」


 クエスト受注にあたり、現在組まれているパーティを抜けて、新たにパーティを組む。二人と三人の二つのパーティに分かれた。


 受注完了と同時に装備が外れたとのアナウンスが表示された。

 確認してみると、確かに武器の欄だけ空白になっていて、装備していた物はインベントリの中へと移動していた。

 もう制限は掛かっているようだ。


 そういえば、Akariと二人で組むのは久しぶりかもしれない。とは言っても、パーティの話であって周りにはいつものメンバーが居るけどね。


「よぉし、クエストも受けたし西に行きますか」


 一行はその場を後にして、参加する二人のマップに示されたエリアへ向けて、森へと降りて進みだした。

 示されたエリアと言っても大雑把にそれなりの範囲を色付けられているだけで明確な位置は示していない。その付近に居るという事なので、探すのはそのエリアに行ってからだ。





◇    ◇    ◇






 森の中を進み始めて十数分ぐらいだろうか?


 目的エリアまではまだ到着しておらず、それ程景色も変わってはいない。

 あったことといえば、途中で戦闘中のプレイヤーを見つけたり、敵が出現したりしたが、あまり関わることなく、そのまま走り抜けていた。


 戦うにしても他のメンバーは兎も角、クエスト中の二人は武器をしていないので出来るだけ危険は冒さずにスルーする方向で進めている。一応防具は装備状態のままなので少しぐらい攻撃されても大丈夫ではあるけれど念の為。


 あ、それともう一つ。

 森の中に湖があった。大きさ的には池なのだろうか。

 どちらにしろ水場があった。


「此処で休憩にしよっか」


「「賛成」」


 各々が休憩し出した中で、改めて現在地の確認。


 出発時は南付近に位置していたターザンのアジトにいた一行だったが、数分の移動を経て、かなり西部付近へと近づいていた。

 指定された範囲まではもうすぐだろう。


「もうそろそろ指定エリアに入るけど、問題は其処からなのよねぇ…」


 西部ということ以外、居場所のヒントは無い。

 これは根気よく探すしかないのかな。


 …頑張りますか。


ターザンのアジトだったり集落だったり、クエストだったり依頼だったり、呼び方が定まっていないのは御愛嬌。


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