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電子世界のファンタジア  作者: 永遠の中級者
初めてのVRMMOと始まりの大陸
6/237

6 仲間を増やして次の街へ*

10/27 加筆で少し設定変更

 戦闘での縁を機に私たちは案内されて次の街へ。次の街は始めの町からは木々が邪魔で見えないだけで其程遠くは無かった。


「ここがネクスだ。始めたばかりのプレイヤーがまず最初に辿り着く街ということもあって基本的な店が揃っている。此処を序盤での拠点にするプレイヤーも多い」


 辿り着いた街はスタート地点と比べれば何とも賑やかだった。ドワーフの人(先程訊いたらジャンキーという名前らしい)の説明通りに街の至る所にはエルフや鬼、獣人などプレイヤーと思われる種族様々な人が行き交っている。


「ねえジャンキーさん、初めに何をすればいいと思います?」

「初めに何をと言われてもなぁ…そうだな…各所の把握は後からでも分かるとして……ならまずは装備を整えた方がいいんじゃないか?見たところ初期装備のままだろうからな」


 開始からまだ数分程度なので初期装備なのは当然である。だけど身の安全や今後の事を考えればジャンキーさんの提案は悪くない。丁度其れなりの収入もあったから装備に限らず色々と試せる。


「俺も用があるから案内してやるよ。ついてきな」


 戦闘で使っていた斧の武器は初期装備のようには思えなかったがジャンキーさんも装備を変えるのだろうか?どちらにしろ案内してくれるなら有難い。


「ジャンキーさん、そこに刀ってある?初期選択をちょっと間違えて選び損ねちゃってさー」

「…どうだったかな?流石に初期選択みたいに全種類ってのは無理だが扱い易い基本的な武器ならあった筈だが。…っと、此処だ」


 立ち止まったのは一軒のお店。外見的には他の建物と同じ木造建築であったが、外に出た小さな看板と窓から覗き見られる店内の様子的に装備屋であっているようだ。


 ちなみにジャンキーが言うに、装備屋というのは序盤だけで基本的には武器屋と防具屋に分かれているらしい。違いを言うと装備屋は総合、武器屋や防具屋は専門店という感じらしい。あと、この街にはまだ無いけれどプレイヤーが営むお店は他の種類もあるらしい。というかプレイヤーもお店を持てるんだね。


 店内に入ると壁側に剣や鎧が飾ってあり、その奥のカウンターには二人の店員が居た。見た目はヒューマン、というより既にいるお客に対して無愛想なところを見るとNPCなのだろう。プレイヤーなら適度にスルーしているとも言えるけれど。


「いらっしゃいませ、何をお求めでしょうか?」


 ジャンキーが店員の一人に近づくとその店員が一言発する。ジャンキーが其れに軽く応えるとジャンキーの前にシステムウインドウが表示された。NPCのお店はあのウインドウを操作して売買するらしい。

 其れを真似て店員と同じように言葉を交わすと此方にもショップウインドウが現れた。一番上の〈買う〉を選択すると商品の一覧が表示された。


 見てみると先程聞いた通り、装備の種類は其処まで多くないけれど武器や防具が一緒に売られている。このゲームは種族毎に装備できるものの違いが特にないらしいから、見た目などのこだわりを気にしないならば売っている装備の種類が無くとも攻略上問題にはならないらしい。基本的に性能の一番高いものにすれば同エリアでは充分だとか。ただ其れだと皆代わり映えが無くなってしまうから専門店などが必要になるのだろうか…。あ、刀もしっかり売られている。


「種類が少ないと言っても少し悩むわね」


 色々迷ってしまう。今ある予算的には全身装備を一新することは出来なくもないが、売られている装備がそれぞれ微妙に補正がかかる能力や上昇値が異なっている。あと真面目な事を言うと武器はやはり変えた方が良い。箒だと戦闘時にどうすれば良いのか本当に分からない。


「武器も変えるの?ってアレのままは拙いか」

「ご理解が早いようで」


 販売されている武器の一覧を眺める。Akariは間違いなく刀剣にするだろう。バランスを考えて別のものにする、いっその事同じにする、どちらも手なのだろうが自分の向き不向きを理解していないので直ぐには決められない。


 悩んでいるとその長考を見かねたのかジャンキーが口を開く。


「此れは人を選ぶ小技なんだが、この世界では装備はある程度重複させる事が出来るんだ。悩んでるなら多く買うのも手だぞ」

「重複?装備を?」

「ああ。分かり易く言えば"重ね着"とかだな。例えば防具なら同じような装備を組み合わせる事で見かけ以上に防御面が硬くなって生き残り易くなるから戦力が整ってない序盤とかはかなり有効だ」

「へぇー」

「でも人を選ぶというのは?」


 ジャンキーは確かに人を選ぶ小技と言った。生き残り易くなるのなら一般的に実践されていても不思議ではない筈なのだが。


「そりゃあメリットだけじゃないからさ。デッドウェイトってやつだよ」

「デッド?」

「簡単に言えば重すぎて危険って事さ。重ねれば確かに硬くはなるがその分重くなるから動きは鈍くなるし、一部の行動なんかは出来なくなる。まあタンク役とかには此れがプラスになるんだが」


 人を選ぶ理由は分かった。確かによく動く人は重くなる訳にもいかないし、獣人種は長所を潰す事になる。先程囲まれた時も重かったら逃げ切れなかった訳だから。

 ちなみに武器も複数持てば一つしか使わなくとも攻撃力加算が何割か重なるらしいけれど防具以上にデッドウェイトになり易いらしい。此れに関しては組み合わせによるらしいけど。


 そんな話をしながらも一応は装備を一新させてみた。



―――――――――――――――


装備

NEW「ノーマルアロー」(STR+8)(重複)

NEW「ノーマルダガー」(STR+8)(重複)

NEW「旅立ちの帽子」(VIT+5、HP+50)

NEW「旅立ちのシャツ」(VIT+5、HP+50)

NEW「旅立ちのロングスカート」(MND+5、HP+50)

NEW「ノーマルブーツ」(AGI+10)


―――――――――――――――



 迷った結果、弓矢を中心として短剣を添えるという形となった。重複の話が有ったが装備の重みは感じるもののサイズの関係か大丈夫そうである。

 それにしても今回で結構能力値が上がったなぁ。特にHP。基本的に二種類のシリーズ装備を一式扱っているようで、その中でも「旅立ち」と付いた装備は「ノーマル」と付いた装備より能力値が低い代わりにHP量上昇の効果が付いていた。そのおかげで元から少なかったHPが三倍程になった。これは大きい。これで少しは役に立てるだろうか?


 Akariは全身を「ノーマル」シリーズで纏めて、その背中には地面に付きそうなぐらい大きな剣が…あれ?


「Akari、刀にするんじゃなかったの?」

「そのつもりだったんだけど、こっちの方が強いかなって」


 Akariの背負っている大剣は確か「ノーマルブレード」。上昇値が十前後が殆どの「ノーマル」シリーズの中で上昇値が十五程あった武器だ。その分他より値段も高い。確かに上昇値だけを見れば「旅立ち」しかなかった刀よりは攻撃力が上だけど、アレにはAGI辺りに能力下降がついていたような…。と言う前に今のままでもブレーキを掛けるように引き摺る形になってるんだけど。


「それじゃあ、俺はもう行くぞ。他にもあるからな」

「あ、はい」

「また、何処かでな」

「ばいばーい」


 装備屋を出るとジャンキーは別れを告げて離れていった。元々善意で案内して貰っていただけなので引き留めては迷惑だろう。その背中を見送った。


「これからどうする?」

「うーん、取り敢えず街中でも歩く?こういうのは散策から始めるのが基礎ですぞ?」

「そうなの?じゃあそうしようか」


 散策から始めるのがって、ならさっき街に入った頃に何故言わなかった?言っててもあまり予定は変わらなかった気がするけども。


 街中を歩いているとプレイヤーが出入りしている場所を見つけた。他の建物と造りが根本から違っていて、出入り口にあたるところに扉が無く、開放感全開の建物。中にはそこそこの賑わいがあり、話を聞くには良さそうだ。


「此処なんだろ?」

「さあ?誰かに聞けばいいんじゃない?あの、すみません」

「…ん?何?」


 情報を得るために話しかけたのは、座ってシステムウインドウを操作していた耳の長い女性…エルフだった。そのエルフはこちらに気付くとウインドウを閉じて向き直ってくれた。


「あの、ここって何ですか?プレイヤーが集まってるみたいですけど」

「…貴方たち、初めたばっかり?」

「まあ、はい」

「ここは言ってみればギルドみたいなものよ」

「ギルド?」

「そ。プレイヤーがここで情報交換をしたり、向こうでクエストを受注したりして、次の街に行く前にある程度レベルを上げたり稼いだりしているわ」

「クエスト?」


 Akariが小声で教えてくれるに、クエストは仕事依頼とのこと。こういうゲームでは討伐や採取などがよくあるらしい。と、そんな説明を受けているとエルフの人が何かを考えているようだった。


 そして、こんなことを言った。


「貴方たち、何かスキルは覚えてる?」







ステータス

未所属

詠 / 狐人

Lv 3

―――

―――

HP: 70 (HP+150) / MP: 140

STR(攻撃力): 6 (STR+16)

VIT(耐久): 8 (VIT+10)

INT(知力): 15

MND(精神力): 17 (MND+5)

DEX(器用さ): 13

AGI(素早さ): 22 (AGI+10)

LUK(運): 13


BP : 2


装備 NEW

「ノーマルアロー」(STR+8)(重複)

「ノーマルダガー」(STR+8)(重複)

「旅立ちの帽子」(VIT+5、HP+50)

「旅立ちのシャツ」(VIT+5、HP+50)

「旅立ちのロングスカート」(MND+5、HP+50)

「ノーマルブーツ」(AGI+10)





ステータス

未所属

Akari / 鬼

Lv 3

―――

―――

HP: 140 / MP: 70 

STR(攻撃力): 17 (STR+15)

VIT(耐久): 15 (VIT+20)

INT(知力): 11

MND(精神力): 13

DEX(器用さ): 14

AGI(素早さ): 13 (AGI+5)

LUK(運): 9


装備

「ノーマルブレード」(STR+15 AGI-5)

「ノーマルシャツ」(VIT+10)

「ノーマルズボン」(VIT+10)

「ノーマルブーツ」(AGI+10)


AGI数値的には補っていてもサイズ的に動きにくい




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