54 修練開始 せんなとるる。
ノリで進めてたらちょっと予定外のことを( ̄▽ ̄)←
にしても、まじで文章少ない。
「右斜め後ろから次」
「あ、はい!」
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スケルトンメイジ / Lv 10
※MPアップ
スケルトンメイジ / Lv 10
※MPアップ
スケルトンソルジャー / Lv 10
※MPアップ
スケルトンソルジャー / Lv 10
※MPアップ
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せんなとるる。のグループがダンジョンに入ってから数分程が経った頃、二人は運悪くエネミーの湧きが重なって連戦となる状況を順調に処理していっていた。この二人は三つのグループ内で最も順調にダンジョンを進んでいるだろう。現に――
「三秒後に後ろから攻撃」
「っはい! 〈ライトニング〉!」
このように余裕を持ちながら戦況を見ているせんなが、るる。に回避行動を指示していたりする。お蔭で危なげな動きながらもるる。はダメージを受けていない。
実はせんなが真面目に本気を出せばそういう心配もないのだが、せんなは必要以上に行動を起こさない。此れまでと一緒である。こういった場面ではあくまでメインは仲間で自身はサポートに徹する。故にせんなは最小限の攻撃と回避行動の指示だけに抑えている。……流石にるる。のMPのことも考えてたまには仕留めにいったりもするが。
カラカラ―――カラ――――――
骨が崩れ落ちて地面に散らばった後、跡形も無く光となって消えていく。その後には丸い球が転がっている。エレメンタルオーブだ。それもこのダンジョンが司る能力に関する色。
効率などはそこまで良くは無いけれど、奥に行かずに戦っているだけでもこのようにたまに敵が落とすことがある。さっきも落とした敵が居た。
「また使わないの?」
「はい。後にしようと思いまして。出来ればみんなにも上げたいので」
「そう」
るる。は持ち物のインベントリの中に今拾ったエレメンタルオーブを仕舞う。みんなの分を欲しいと言うのならこれをあと倍以上は必要であろう。MPを増やせるのなら誰だって必要になるから。
それにしても…始めはどうなるかと思ったけど、その心配は必要なかったね。
るる。はダンジョンに入った頃、少しだが緊張していたことがあった。それはせんなと二人であるということ。この世界でも恐らく現実においても先輩であって何処か一線を画すような彼女と自分の接点はそれほどあるわけではなく、あの二人が居たから関われていたようなもの。それが今はペアで行動している。
そんな状況だったけれど、考えすぎだったようだ。普段通りで良かったのだ。そもそもこのような世界ではそういうことはよくあることだ。考えすぎなくてもいいんだと。
―――とはいえ、周りにはもう少し考えるべきであった。
るる。の足元からカチッという音が鳴った。
ついでに言うと、足元が少し沈んだことでるる。がこけた。
せんなはとっくに予想が付いているが、古典的なタイプの奴である。
通って来たばかりの道が封鎖され、向かいの道も封鎖されて閉じ込められる。そして前後の道を遮るようにエネミーたちが異様に湧き始める。通路の割に妙に広いスペースにエネミーが増えていく。
何処かのゲームでは、特定のエリアに入るとそこに敵が大量に現れるモンスターハウスなどと呼ばれているトラップエリアが存在するが、これはそういうトラップなのである。仕掛けが作動した合図は勿論先程踏んだ床だろう。
「いっぱい増えましたよ!?」
突然の大量発生にるる。は驚いている。
一方、せんなは静かに戦闘体勢に入っている。
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スケルトン / Lv 5
※MPアップ
スケルトン / Lv 5
※MPアップ
スケルトンウォリアー / Lv 5
※MPアップ
スケルトンソルジャー / Lv 5
※MPアップ
スライム / Lv 5
※MPアップ
ウィザードスピリット / Lv 10 (レア)
※MPアップ
ウィザード / Lv 5
※MPアップ
ウィザード / Lv 5
※MPアップ
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敵の情報の表示を確認したもの以外にも敵が湧いている。幾ら修練でも湧きすぎではないかと思うぐらい。そこそこ慣れてきた人なら基準を疑うであろうレベル。
だけどもそれ故なのか、湧いたエネミーの大半のレベルはこれまでよりも低く設定されている。例外はちゃっかり混ざっているレアエネミーのみ。それでも駆け出しにはこの数は厳しかったりするのだけども。
「これを全部倒さないと道は戻らないわ」
「え、じゃあどうするんですか!?」
問いかけると、せんなは静かにウインドウを開いて何かを操作していた。
すると、せんなの装備していた刀剣が消えて、代わりに別の装備が現れた。その武器は先の武器と比べ物にならない程に巨大だった。
「……少し重くなったかしら?」
それからるる。の方を見てせんなは言った。自分のペースでいいからと。
そう言った後、せんなの新たな武器に光が宿った。
◇ ◇ ◇
「思ったより稼げたわね」
相手からドロップしたエレメンタルオーブの一つを拾い上げてせんなが言った。腰元には既に装備し直された刀剣が鞘に収められていた。
戦闘はあっという間だった。せんなの攻撃で近づいて来るものを片っ端から吹き飛ばした。スキルの中でも威力の高いものを選んでいた為か、それだけで何体かは倒され、残ったものには強制的に距離を空けさせて、次の攻撃までの猶予をこちらに与えた。距離を無理やり空けるとせんなは動かず、代わりにるる。が遠距離攻撃で残りHPの少ない敵に攻撃を行った。
それが三回程繰り返されると一匹残らず倒れていた。
戦闘が終わり、封鎖されていた前後の道は再び通れるようになった。
「丁度いいから此処で休憩ね」
せんなはそう言うと、壁際で座り込んだ。
恐らくるる。に気を使っての提案なのだろう。
「あ、私、みんなにも気を付けるように知らせておきます!」
本来の実力の片鱗とでも言うようなものを見せながら普段通りのせんなに少し驚きながらも、るる。も休憩を取ることにした。
ウインドウを呼び出し、仲間への注意のメッセージを書き始める。先程のせんなのことはなんとなく伏せておくことにした。
修練終了後に皆のステータスを書いた方が良いかなと思ったけど、詠以外はろくにステータスの計算をしてないから困ったもんだ(;・∀・)