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電子世界のファンタジア  作者: 永遠の中級者
翠の大陸 初めてのアップデート
52/237

49 忘れていた内容

予定していたはずなのに、本気で忘れていたアップデート内容(笑)

 光が溶けた後に少し前に見た景色がそこに広がっていた。転移されたのは木の中のギルド、その中のダンジョンへの階段の入り口だった。

 入り口から出てギルドの中へと入ると、その途中で受付のAIに「おかえりなさいませ」と声を掛けられたりしたのでそれに軽く返す。


「いやー、帰ってきたね」


「なんか…まだ室内だけど外の空気を久しぶりに吸ったような気分だよ」


「わかる」


 受付付近から離れて、ギルドの端に設けられた休憩スペースで座って談笑を始めるAkariたち。空いていたからといって自由にしすぎではないですかね? 他に人があまり居ないからそこまで言わないけど。

 ちなみに私は今の間にクエストの終了手続きを行っています。指定されたものを納品することでこの収集クエストは終了する。

 要求されたアイテムの数は三つだけど、今手元にはそれ以上にある為、それを選ぶ為に強制的に選択画面が表示される。鉱石なら何でもいいらしいので、一番レアリティが低くて数もある"ストーンコアル"を選択しておこう。と言ってもそれだと少し可哀想に思えてくるので一つは"黒曜片"にしておこう。

 "ストーンコアル"が二つと"黒曜片"が一つの計三つを提出してこれでクエストはクリアだ。


「では、こちらが報酬になります」


 そう言われ、ウインドウが表示される。

 受け取ったのは少しのお金と回復アイテム。それとクエストにも書かれていた剣武器だった。実体化させての確認は後にしよう。


「完了させてきたわ」


「おつかれー。何貰えたの?」


 訊かれたので報酬の剣をアイテム欄から取り出して実体化させて皆の間の机の上に置く。銘は【ブレイクブレイド】


「大きな剣ですね」


「これでも大剣じゃなくて剣の類なんだって。説明に書いてある」


 【ブレイクブレイド】。剣の割に大剣とも思えるような大きさと形をしていて、攻撃力が今の装備レベルに比べればそこそこ高く攻撃的な武器ではあるが、その反面防御方面が低いという極端な武器のようだ。


「誰か使う? 形の割に大剣じゃないから速度にマイナス補正がかかったりはしないけど…」


「遠慮する」


「右に同じ」


 二人に続き、近接担当は全員使わないらしい。先輩はあの武器があるし、パーティ内に使用者は居なさそうだ。となるとどうしようかな…?


「一応持っておけば? なんなら合成で溶かしてくるけ―――」


「持っておこうか」


「ねぇ、最後まで言わせてくれないの? ねぇ?」


 一度合成をさせたら止まらずに有り金まで全部溶かすじゃない。

 そういうわけでアイテム欄に眠っておいてもらうことに。いつか装備以外ででも使い道が来るだろうと願いながら。


「そういえば、下に潜る前と比べたら人が少ないね?」


「こんなものじゃないの?」


 周りを確認してみるが、詠たちのパーティの他にはAIを除いて三人ぐらいしかギルドに居ない。潜る前はもう少しパーティなどが居たりしたのは確かだけど、それ程不思議なこととは思わない。皆この世界にいつでも居るわけではないし、居ても団体行動している訳でもないからね。


「そういえば潜る前に少し聞いたんだけど……修なんとかかんとかって所に行ったんじゃないかな?」


「「全然分かんない」」



 もう殆どぼけていて何が言いたいのか全く伝わらない。「多分アップデートで増えた奴じゃないかな!?」と言うので、クエストボードとは別に置かれている掲示板で最近の情報を調べてみた。するとそれっぽい名前が見つかった。


「…修練島?」


「そう! 多分それ!」


 どうやらこれのことを伝えようとしていたらしい。

 言われてみればそんなものもあった気がする。更新情報の全てに目を通していた訳ではないので忘れていたが、アップデートによって追加された要素にはまだ大掛かりなものがあったらしい。


 その名も"修練島"。


 ここの掲示板で詳しいことを調べてみると、修練島というのは一種の大陸ではあるが、他とは異なり条件などがなく始めから解放されていて、プレイヤーのレベルや攻略具合に関係なく訪れることが出来る大陸らしい。そこは名前から察せるように自分を強くする為の修業の場であるらしい。

 其処に行くには各大陸に追加された乗り場から移動することで行くことが出来ると言う。


「修行の場ね…」


「どうする、次行ってみる?」


「此処に書いてることによると、スキル面も向上したりするらしいよ?」


「スキル面の向上って何ですかね?」


「…会得?」


「まぁ…言ってから分かることじゃない。で、どうする?」


 次の目的地にするかどうか、多数決で決めてみることにすると――行くが三人、行かないというよりそろそろ落ちない?というのが二人、お任せというのが一人ということで、次の目的地は修練島に決定した。…と言っても他を無視するという訳ではなく、修練島に行くのはまた次回という事にして今日のところはログアウトすることにする。


「じゃあ、今日はもう解散ね」(ログアウト派1)


「そうですね。疲れましたし」(ログアウト派2)


「じゃあ次はどうする? 明日もみんな集まれそう?」(行く派1)


 皆に確認すると昼からなら明日も集まれそうということが分かった。

 次の予定も決まり、これで今日はお開きとなる。


「お疲れ様」(お任せ派)


多数決の内訳はお察し下さい。

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