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電子世界のファンタジア  作者: 永遠の中級者
第二の舞台 翠の大陸
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44 大樹への道

決闘回の反動である。

「それじゃ、俺たちは先に行くぜ。また会ったら勝負しようぜ」


 遭遇したら勝負ってそれ何処のライバルキャラですか。しかも絶対通らないといけない所で待ち受けてたら確定だね。


 そんなこんなで黒胡椒くんたちは先に中央の方に戻って行った。黒胡椒は詠たちの決闘を見た後にまた戦いたくてうずうずしていたが、刃に説得されてからは元に戻っていた。それにしても決闘後なのに二人共元気だなあ…


「ログアウトしていい?」


 流石に疲れました。


「此処じゃ駄目」


 はい。知ってます。分かってました。まぁ自分でも言ってたことだからね。

 詠は立ち上がる。本当に体力は元のままで、身体的な疲れも少ない。それ以上の倦怠感は続行中ではあるけれども。


「さてと、私たちも教えて貰った道を目指しますか」


「確かあっちに行ったよね」


 教えて貰い、彼らも向かった方向を指差した。その方向は相変わらず森の中だけど、手掛かりがあると聞いたらまだ歩める。一行は目印となる道を目指して木々の中を突き進む。


「それにしてもさっきの詠の戦い方、人が変わったみたいだったね」


「そう?」


 それほどだったのだろうか? まあ確かに今迄後方支援だったものを止めて近距離で戦ったけど、結局は今迄通り魔法で攻撃してたし、あれは最善を尽くした結果であって、人が変わったと言われる程ではないような?


「そうそう。急にキレが良くなったって感じかな?何かスポーツかやってたりするんですか?」


「特には…」


「詠はどちらかと言えばインドア派だからねー。だからと言って運動音痴ではないんだけど」


 確かに私は基本インドアだし、運動も平凡程度には出来るけど、この世界では割と関係が無いのではと思えてくる。重力落下などの物理法則は一応存在はするけどそれに全ては縛られていないと言うのか、兎に角現実以上のことが出来る。(そもそもがデータでゲームの中なのだから現実の感覚を持ち込まない方がいいのだろうか)


「戦い方で思い出したんですけど、彼らが使っていた双剣や素手でのスキルはどういうことですか?」


 るる。のどういうことという台詞は、納得が出来ないなどの意味ではなく、説明を要求しているのだろう。それにはせんながすぐに答えた。


「双剣の方は〈二刀の心得〉、格闘の方は〈体術〉のスキルを得ることで可能になる。どちらも特定のクエストをクリアすれば必ず獲得できるから、使わなくても入手している人も多い」


「え、そんなに人気なの!?」


「人気というより持ってて損はないというか。それを持ってることで覚えられるスキルなどもあるから」


 先輩が決闘で使ったあのスキルもそれに分類されるのだろう。幅が広がっている気はする。

 それはさておき、先輩はともかくあの二人がそのようなスキルを獲得しているのなら、その二つのクエストはこの辺りにでもあるのだろうか?それか前の大陸に。レベルも近かったあの二人が最前線のプレイヤーという気はしないので、きっと此処までの何処かでそのクエストを受けたのだろう。

 他のメンバーは見つけたら受けるのだろう。Akari辺りは〈二刀の心得〉を欲してそう。私も機会があれば受けてみようかな。特に〈体術〉は。さっきのようなことがあるかもしれないし護身用に。


 そんな会話があり、モンスターと出くわしたりもしたが、特に問題なく処理される。見た目が悪くさえなければ大抵は普通に戦えるのだ。悪くさえなければ。ワーム?知らんな。

 地形が地形なので野性的というか、昆虫系モンスターも湧くけど割と平気な方だった。黒光りするアレじゃなければ。


「結構歩いたけどまだ?」


「方向は合ってるはずですからもうすぐじゃないですか?」


「って言ってもさぁ…」


「……そんなことを言っている間に見えたみたいよ」


 ふと周りを見てみると、遠くの方に大樹が見えた。そしてそれと同時に開けた道にも出た。その道からは先程頭だけ見えた大樹がはっきりと目視出来た。これが中央から各方面に伸びているという道の一つらしい。


「でっか!」


「近くで見ると格段と…」


 集落大樹というだけあって、大樹の根元や幹のあちらこちらに何かがあることがこの位置からでも確認できる。とはいえ目視が出来るところまで来ていても、今の場所から大樹まではそれなりの距離がある。


「ん?」


「どうしたの?」


「なんか…大樹の上の方で何かが動いてるような?」


「え?」


 言われて見てはみるが、遠すぎてそんな細かいことは見えない。見間違いでは?と言おうとするよりも先に先輩が口を開いた。


「次の大陸への道は大樹の上にあるから」


「「「え!?」」」


 ある意味衝撃発言である。ということは先程見えたという証言があったのは、登っている最中もしくは降りている最中だったのだろうか…。

 とここで誤解があると思ったらしい先輩が補足したことによると、外側から上ったりするのは間違いで、本当は木の中を登るのだと言う。どちらにしろ登らなければいけないのは確定なんですか…


 そんな事実を零しながらも先輩はログアウトの為にセーフゾーンを作っていた。三人程おおーなどと驚いていたが、そんなことは気にせずに用意された場所でログアウトしたのだった。今回は本当に疲れた。




 この後知ったが、アップデートは明日だった。

先日、身内の結婚式があったのですが、世間って狭いですね。

まさかと思ったら同級生が居ました。

いとこも同級生が居たらしいです。そんなことを言ってた気がする。

お相手側の確率よ…

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