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電子世界のファンタジア  作者: 永遠の中級者
第二の舞台 翠の大陸
39/237

39 Q.運営って? A.ああ!

最近雑になってきた。

「そういえば……運営って居るの?」


「うん」


 39話終りょ……待って待って終わらないから!







 鼠ピエロが去ってから数分後、一行が森の中を進んでいる時に詠がそんなことを言い出したことに対して、せんなが端的に答えたのだった。


「そりゃ当然でしょ」


 追い打ちのようにAkariもあっさりとした返答を返した。


「あ、違った……当然でしょ!」


 わざわざ何処かで見たような手の振り付けなくていいから。


「それで、何で急にそんな当たり前なこと訊いてるのさ?」


 それは確かにそう思うだろう。こういったものは生み出した主とも言える者が管理していてこそ意味がある。その証拠に、この世界は定期的にアップデートしているらしいのだから。

 こういった言い方はどうかと思うが、詠が気になったのは、どちらかと言うと運営の存在よりその行方の方である。この世界『ゲーマーズ・ドライブ』を含む電脳世界『バーチャルリンク』はとある集団が管理しており、そのメンバーが各自で運営しているのが『ゲーマーズ・ドライブ』を含む幾つかの世界とのこと。

 だけども以前少し調べてみたら他の世界ではゲーム内やネット上で運営からのお知らせが事あるごとに載せてあるらしく運営の影がちらついていたりするのだが、この世界はそれが極端に少なかったり、あっても狙ったようなタイミングで出たりすることがあるらしいのだ。(あと一、二つも遅いのがあるらしいが)

 つまり何が気になっているのかと言うと……


「それって、あの都市伝説ですか?」


「都市伝説?なんかあったっけ?」


「そうそれ。この間偶然見つけたのだけど、この世界の運営担当はもしかしたらこの世界の何処かにずっと居るんじゃないかって話。ほら、さっき見たときは無かったはずのアップデートの情報も急だから」


 恐らく一人で担当をしている割にはあまりにも運営の人格が感じ取れないとのことから、誰が言い出したのかネット上ではそんなことが噂されているのだ。


「そう言われたら、ちょっと気になるかな……でもさ、メンテナンスの時とか世界が閉鎖されるんだったら外に居るんじゃないの?中に居たら自分を閉じ込める形になるし」


「…意外と一人になりたい人とか」


 ああー。それはそれで考えられないことも無い。プレイヤーを外に出している時は事実上一人だけになれるからね。自分だけの空間に早変わり。


「いえ、意外と自身もプレイヤーに混じっているのかもしれませんよ?自分で実際に試して誤作動などがないかの確認をすることは他でもよく聞きますから」


 言われてみれば試作テストみたいな話を聞くこともあるね。動かしてみないと分からないこともあるし、それなら実際の体験者の声を聞くこともできる。まぁ、していようがしていまいが、どちらにしろこの広い世界でのことの全てに対応するのは難しいという点があるだろうけど。


「とまあ此処で考えていても真相は分からないだろうけどね」


「それもそうだ」


 無理に探らなくても、もしかしたらいずれ分かるだろうことかもしれないし、今は放っておこう。それよりも皆は気になるものがあるようだし。


「それよりも次のアップデートの方が重要だよ。何するんだろう?」


「…モンスターの微調整とか?」


「定期じゃない急な奴だからやっぱそっちなのかなー」


「私的にはスキル習得率とか上げて欲しい」


「「確かに」」


 向こうでやいのやいのと議論が始まっている。願望まで入れて。

 願望を言うのなら、今の私たち的にはもう少しこの大陸に安全にログアウトできる場所が欲しいところなんじゃないの?


 まぁ言ってても採用されたりはしないから、自分で探すとしますか。

 と、狙ったかのように目線の先に何かを目視。と思ったけどアレ明らかにダンジョンだね。入り口部分しか地上に出てないから。


「そんなに歩いてはいないのに、ダンジョンの近くにまたダンジョン?」


「あ、本当だ」


 もう少し配置を離した方が良いのでは?それともここはそんな頻繁にダンジョンが存在する危険地帯なの? ゲームでよく言われる"狩場"って奴なの?


「ねぇ、どうせだから一個ぐらい入ってみません?」


 それは、なんという提案であろうか…


「いや、ほら、この大陸の正式なレベル基準を知る良い機会ですし」


 言い訳のようにそう言われたが、確かにそれは言えている。

 私たちは順番に前の大陸のボスダンジョンを通り抜けたが、そこに居た本来のボスとは戦っていないので、そのレベルを知らない。下の階に出たモンスターと同じかもしれないし、それ以上かもしれない。

 そしてボスレベルがそれ以上だった場合、ある程度次であるこの大陸のレベルに近かった可能性もある。ボスがこの大陸より下だったとは考え辛いけど。

 つまり、この大陸の推奨レベルというものをまだ知らない。道中出会うモンスターは低めにしている可能性もあるので基準にしていいのかイマイチ分からない。それでもそこそこあったのだが。

 ちなみに先輩は大陸のレベルを本気で忘れているようです。先輩ぐらいだと割と性能でごり押しなんてことが出来るからだろうか。


「じゃあ多数決で決めましょうか。攻略はさておき、確認の為にダンジョンに入ろうと思う人、手を上げて」


 そう言うと、Akariとわんたんとたんぽぽの三人が手を上げた。半数かぁ。


「…って、詠は上げないんかい!」


「え、いや私は判定役かなぁって思って」


 そう言いながら人数にしっかり自分を入れていた詠であった。

 私的には四人ぐらい上げるのかと思っていたもので。


「もう半数ならこっちの勝ちで良いんじゃない?」


「そうなる?」


「なる」


 Akariに押し切られ、一行は新しく見つけた方のダンジョンの入口へと向かった。そしてその入り口から中を覗き込んだ。


ステータス変化なし。

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