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電子世界のファンタジア  作者: 永遠の中級者
第二の舞台 翠の大陸
36/237

36 一日空けた結果*

 前回から一日開き、再びログインすれば其処は森の中の村。

 ターザンがちらほらと確認出来るそんな村の中に周りと違う種族が居る。


「おはよう」

「あ、おはようございます」

「おはよーって言ってももう昼も過ぎてますけど」


 宿のあるステージの上に"わんたん""たんぽぽ""るる。"の三人が集まっていた。

 少し予定よりも遅れたから確かに昼は過ぎていたりする。なので他のメンバーの殆どはログインしているだろうけれど、見える範囲には三人しか見当たらない。


「少し有ってね。其れより、装備変えたの?」


 三人の姿に違和感を感じた。その理由はいたって単純。三人の恰好が変わっていたから。正確には全身が一新されている訳ではなく、一部の防具が変わっている。其れに加えて、普段と違う武器を持っているのだから気付かない訳はない。


「やっぱり分かるかー」

「…まあ、この前とは違うからね」


 どうやら三人は今日ログインしてから今合流する迄の間に装備を考えていたらしい。この場を離れるのを遠慮してエネミーを狩って所持金を増やし、その増えたお金で装備を色々と試していたとか。だから三人揃って杖だった筈が今はバラバラになっている。


「其れで、新しい武器は決まったの?」

「…ちょっと迷ってる」

「変えたとしても慣れとかもあるからねー」


 そう言うように、複数使いでもないのに武器を複数出していた。確かに色々と試しているようだ。拘りでもあるのだろう。


「ところで、他は?ログインはしてるみたいだけど」


 フレンドリストを開いてみると、此処には居ないけれど、"Akari"と先輩もログインしているようである。


「実は私たちもまだ会ってないんです。行き違いみたいで」


 訊けば、"Akari"は三人より先に入っていて、先輩は後からログイン状態になったようだ。そうなると、先輩はまだ近くにいるかも知れないけれど、"Akari"は何処ぞに突入しているかもしれない。回収の必要があるかも。


 ただ、その前に…


「先に装備を変えた方が良いかな…」


 目の前の三人どころか、先輩ですら周りに合わせて微妙に装備を変えていたりする中で、自分だけ装備は前のままだ。少しぐらいは変えておかないと足を引っ張る事になる。


「あ、行くの?私らももう一回行こうと思ってたんだー」


 どうやら今ある武器は大体試したらしい。


 そんな三人と一緒にもう一度ターザンの移動を挟みながら、再び装備を扱う建物の中へ。すると早速三人がショップウインドウを表示させている。早い。


 そういえば術技スキルには、スキル毎に使用できる武器種がある程度限られていたりするらしいが、三人が専攻している魔法系の殆どは、補正が効かなかったり、少し扱い辛くなるだけで、どの武器種でも使えはするらしい。

 とはいえ此れからスキルが増えていけば、武器の種類を変える際にもスキル面を少しは考えた方が良いのだろう。


「とりあえず……」


 武器に関しては骸骨が使っていた弓が有ったりするので一先ず置いておき、クセの少なそうな防具を幾つか購入して、直ぐに装備する。三人が一部に取り入れているような野性を感じる様なデザインではなく、迷彩柄の露出の少ないものだった。


 ところで、ウインドウを見ている時に気付いたが、三人が新しく装備している防具……防御面は少々低めだけど幾つかの耐性を微量程度持っているという少々お高めのものだったらしい。其れでまだ武器も漁っているのだから、金策どれだけしたのと言いたくなる。


「あ、そういえば、此処の隣で合成をしてるみたいだったよ」

「え、合成?」


 防具をある程度付け替えていると、そんな事を言われた。

 前回は気付かなかったけれど、合成を行える店舗も有ったようで、三人も新しい防具を少々底上げしたとか。


 あの合成である。"Akari"が少々狂ったあの…。


 もしかしたら其処に居るのではなかろうか。


「よし、今度はこれにしよ」

「これにする」


 雑談を挟みながらも悩み続けていたものが決まったようで、"わんたん"は短剣、"るる。"は弓矢、"たんぽぽ"は二又の木にゴムを付けたパチンコを購入して実体化させていた……って、パチンコ!?


「そんなのもあるの?」

「…ネタ武器っぽいけど性能はそこそこ良いよ」


 そう言うので閉じたばかりのショップウインドウをもう一度開き、スクロールしてみると、武器の項目の下の方に確かにパチンコがあった。射撃と言うことで一応は弓扱いらしい。良いのか其れで……箒を持ってた私が言えたことではないけど。


 そんなこんなで装備を新しい物に変え終わった。

 三人は新しい武器を試す必要があるようだけど、直ぐには行わず、まずは隣の店舗の確認に向かう。そう、言っていた合成の店舗である。


「装備の底上げですか?」

「いや、居るかもしれないから…」


 隣の店舗も他と変わらず其処まで広さは無い。それ故に怪しげな煙が充満していて異様さが醸し出されている。合成に用いる壺の影響なので一応プレイヤーへの悪影響は無い…と思いたい。


 そんな店舗の中には既に先客が居る。

 店員と話して大きな壺の経過を眺める赤みがかったポニーテールの鬼の姿が


「居るじゃん」

「ん?ああもうそんな時間?」


 "Akari"が此方に気付いたと同時に、混ぜ続けていた奥の壺の中から明るいエフェクトが飛び出た。どうやら成功らしい


「またやってる…」

「もう止めるよ?其れよりどう此れ?」


 そう言って"Akari"は一振りの剣を見せてきた。此れ迄では使っていなかった剣だった。隣で購入したのだろう。少し調べてみると、何度か合成されているようで元よりもかなり強くなっている。だけどその反動で少しばかり脆くなっているらしい。


「武器変えるの?」

「実験品だし、予備で一応持っとこうかと。メインで使うと直ぐに壊しそうだし」


 そう言って、二つ目の刀剣として装備していた。重複と言う事で重量の方が気になるけれど、大剣を引き摺っていた時に比べれば、今の所は動きに問題は無さそうである。

 ちなみに後ろから、「そうか其の手もありなのか」という声が聞こえてきた。また悩みそうである。


「で、重複はいいけど、先輩を知らない?まだ合流出来てないんだけど」

「村の中に居るんじゃない?何度か姿を見たけど」


 そんな"Akari"の証言を頼りに店を出る。


 村を見渡してみるが、変わらず村にはターザンしか居ない……かと思いきや、別のステージに見慣れた姿があった。

 向こうも此方に気付いたようで、颯爽と向かってくる。


「私が最後?」

「合流としてはそうなりますね」

「遅刻したのは"詠"ぽいけど」

「やかましい」


 そんな訳で、ようやく全員が揃った。

 改めて行動開始であるが、今回の予定は慣れない三人に考慮して新装備の試運転が主となるだろう。下手に挑戦しても危ないので。とはいえ確認も大事なので、此処からはマップを交えながら話す。


「あれ、思ったよりもマップデータが埋まってる?」

「売っていたのも合わせて共有しておいたわ」


 マップの疑問を先輩がさらっと答えた。どうやらレギオン内でマップ情報の共有を行ったらしい。お陰で全てでは無いにしろ、かなりの地形が埋まっている。其れによると、この場所は大陸の最端という訳ではないが、かなり外側に位置しているらしい。転移した場所が何処かはマップでは把握出来ないが、何処にしても、まだあまり進んでいないように思える。大陸広い。


「こうしてみると、あの大樹の場所はまだまだ遠いわね」

「行くのなら、きちんと準備をしないとですね」

「まぁどうせ今日は向かわないし、そんなことは置いといて、そろそろ金策に行かない?」


 "わんたん"たちが張り切っている。早く武器を試したいのか、もしくは使った分を取り戻したいのだろう。私も結構使っちゃったし、頑張ろう。



 其れから私たちは気持ちを変えて下に降り、襲ってきたエネミーを狩っていた。出てきたエネミーは以前にも戦ったような動物型が殆どだった為にかなり戦い易かったこともあるが、"Akari"たち四人の動き方が前より上手くなっていた。地形を活かしてるというか、相手の行動を利用しているというか。これも一日金策をしていた成果なのだろうか。



 そんな時だった。


 木々の隙間から見える空に、波が見えたのは。






ステータス

レギオン『Celesta』 

詠 / 狐人

Lv 18

【ターザンの同盟者】

―――

HP: 165 (HP+50) / MP: 268 (MP+300)

STR(攻撃力):22 (STR+16)

VIT(耐久): 22 (VIT+57)

INT(知力): 54 (INT+20)

MND(精神力): 70 (MND+205)

DEX(器用さ): 40 (DEX+20)

AGI(素早さ): 85 (AGI+25)

LUK(運): 35


BP : 26


装備

「ノーマルアロー」(STR+8)(重複)

「ノーマルダガー」(STR+8)(重複)

NEW「ジャングルハット」(VIT+26、DEX+10)

NEW「ジャングルウェア」(VIT+26、DEX+10)

「旅立ちのロングスカート」(MND+5、HP+50)

NEW「ジャングルブーツ」(AGI+25、VIT+5)


「霊宝珠のペンダント」(MP+300、INT+20、MND+200、全状態異常耐性+30%)






ステータス

レギオン『Celesta』

Akari / 鬼

Lv 20

【ターザンの同盟者】

―――

HP: 296 / MP: 178 

STR(攻撃力): 78 (STR+59)

VIT(耐久): 62 (VIT+45)

INT(知力): 34

MND(精神力): 37 (MND+10)

DEX(器用さ): 47 (DEX+3)

AGI(素早さ): 51 (AGI+33)

LUK(運): 20


装備

「銀の刀」(STR+23、MND+10)(重複)

NEW「ハンターエストック(合成+5)」(STR+36、DEX+3、AGI+8、壊れやすい)(重複)

NEW「ターザンシャツ」(VIT+20、【獣】耐性+3%【毒】耐性+2%)

NEW「ターザンズボン」 (VIT+20、【爬虫類】耐性+3%【石化】耐性+2%)

NEW「ジャングルブーツ」(AGI+25、VIT+5)




ステータス

レギオン『Celesta』

せんな / 天使

Lv 13

【ターザンの同盟者】

―――


装備

「白紙の妖刀 "白月"」Lv17




レギオン『Celesta』 

わんたん / 猫人

Lv 19

【ターザンの同盟者】



レギオン『Celesta』

たんぽぽ / 兎人

Lv 18

【ターザンの同盟者】



レギオン『Celesta』 

るる。 / エルフ

Lv 16

【ターザンの同盟者】







※レベル20でまたBP獲得値がちょっと増えます。



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