第四十四話 気まずい雰囲気
また今日からテスト期間なので、文字数少なめになります。申し訳ございません!
「それじゃあ帰りますか、ご主人様」
「お、おう、そうだな」
やばい、ちょっと、いやほんとにちょっとだけなんだけどさ……可愛いな。
「どうしたんですかご主人様?」
「い、いや、なんでもない。行こうか」
「うん!」
サリエルは頬を赤らめながら無邪気にそう言った。
うんってお前、うんって……ああもう可愛い!
「だーかーらー、ついてきてくださいよ。本当にどうしたんですか? あっ、もしかして意識しちゃってます?」
「あ、ああ、まあ、ちょっとな」
「え!? あ、あの……」
サリエルは顔を真っ赤にして、気まずそうに目をそらす。その仕草がまた、ね。
「は、早く帰るぞ!」
「そ、そうですね!」
ちょっとゆっくりめに帰っていると、サリエルが沈黙を破って話しかけてきてくれた。
「あ、暑いですね」
「そ、そうだな」
そこでまた会話が途切れる。沈黙が心に突き刺さる。リア充達はこんなときどうしてるんだよ……。
「つ、着きましたね」
「お、おう」
重厚な扉をゆっくり開く。なんか今日は妙に疲れたよ……すぐ寝よう。そう思い寝室に入ると、一緒にサリエルもついてきた。ついでにシャルティアたんとミツハたんも。そういえば俺毎日こいつらと一緒に寝てたんだったわ……。
「おやすみなのだー」
「おやすみなのじゃ」
早々にシャルティアたんとミツハたんが離脱して、俺達2人が寝るタイミングを失ってしまった。だってあんなん言われた後にパッと寝れるか? まあリア充共なら寝るのかもしれないけどさ。
「あ、あの、まだ起きてますか?」
「お、おう。起きてるぞ」
「そっちにいってもよろしいでしょうか?」
「い、いいぞ!」
いや、いいぞ! じゃないよ俺! ダメだよ、今来たら、心の準備が……いや、俺は魔王様が好きなんだ。思い出せ。俺の気持ちを!
「あの、私のこと、嫌いでしょうか……」
「い、いや、嫌いなんかじゃないぞ!」
何やってんだ俺!!!!! いやでも、嫌いではないんだ。嫌いでは……。
「もしよかったら、私と……」
「それは……ごめん」
「いえ、わかってましたから」
なんだこの気持ちは……俺はどうするのが正解だったんだよ……教えてくれよリア充共……。
その後結局一睡も出来ないまま、朝を迎えた。
「おはようなのじゃ。お主、なんか顔色悪いのじゃ。どうしたんじゃ?」
「いや、なんでもないよ」
「ふむ、まあよかろう。じゃが、本当に辛くなったら言うんじゃぞ?」
「はは、ありがとう、ミツハたん」
「お安い御用なのじゃ」
まだサリエル様とはぎこちない感じだから、早めに関係を修復しないとやばいんだけど、話しかけれない……よな……。
「ご主人様」
「うわ!? なんだ、サリエル?」
「ご飯、出来ましたよ」
「お、おう。ありがとう」
サリエルはいつもと同じように話しかけてくれた。その心遣いが、嬉しくて、そして、申し訳なくて。
「ちょっと相談があるんだが、いいか?」
「なんじゃ?」
「ちょっと3日間だけ単独行動させてくれないか?」
「どうしたのじゃ?」
「ちょっと1人でやりたいことがあってな」
「まあ、我はいいのじゃ」
「私もいいのだー」
「ご主人様が言うなら……」
「みんな、悪いな。その間はなにしててもいいぞ」
ちょっとタイミングは悪いが、やらなければならないことがあるからな。見てろよ地球軍!




