第十八話 大都市のギルド
本当に遅くなりました。明日から本気出す!
俺達はギルドの前に立ち尽くしていた。
「でけぇな……これアトランタのギルドの5倍はあるんじゃねぇか?」
「ちょっとはでかくなってたけどアトランタのギルドはちっちゃいのだー」
いや、アレですら広すぎるだろと思ってたんだぞ俺。こんなんもはや城じゃねーか。シャルティアたんの昔の家(城)よりもでかいってどうなってんだよこれ。
ガチャッっと扉を開ける。
「え? 誰もいないんだけど」
「奥の方にギルドカウンターがあるのだー」
奥に進んで行く。進む、進む、進む。
「どんだけ広いんだよここ!」
色んな部屋が立ち並んでいる。その数は20を超えるほどだった。しかもこの部屋一つ一つに何畳あるんだまったく。5分ほど歩いて、やっと目当ての部屋にこれた。
「すいませーん」
「はい、なんでしょうか?」
「依頼を受けに来たんですけど」
「名前とギルド番号を教えて頂けますか?」
「ギルド番号?」
え、なんだそれ?そんなんアスタさんに教えてもらったっけ?
「すいませんちょっとギルド番号ってのがわかんないんですけど……名前は荒巻健治です」
「どこのギルドで登録されましたか?」
「アトランタです」
「あー、アスタさんのとこのギルドですか……」
なんか納得されちゃったよ。アスタさん大丈夫か?
「それではギルドカード発行しますね」
「お願いします」
「Eランクですね、はいどうぞ」
なんかEって文字がオレンジに光ってるわ。意外とEランクでもしっかりしてんだな。シャルティアたんのSランクのカードはどうなってるんだろう?
「なあ、シャルティア」
「んー? なにー?」
「ギルドカード見せてくれないか?」
「そんなの持ち歩いてないのだー」
マジかよ必要なんじゃないのかよ。
「ギルドカードって依頼受けるとき持ってこなくていいんですか?」
「い、いえ、ちょっと言いにくいんですが、シャルティアさんは特別扱いになってるんで、ギルドカード持ってきてもらえますか?」
「あ、そうなんですねー、まあシャルティアですもんね、分かります」
「すいません、ありがとうございます」
シャルティアたんが規格外ということは身をもって知ってるからな。なんと言っても神相手に圧倒するくらいだから相当だろう。多分魔王とか余裕で討てるだろうな。まあゲームではアレがあったから戦ってくれなかったんだけど。この世界ではどうなるのか、それによって魔王倒す作戦がだいぶ変わってくるな。まあどうせシャルティアたんに一人で行ってもらわないとまだまだ無理なんだけど。
ミツハたんでもやれるだろうけどこの世界作った人が魔王倒すわけないしね。俺と一緒にならまだしも。
ちょっと自分の世界に浸ってしまってたわ。依頼の話しないと。
「それで、依頼ってどんなのがありますかね?」
「今のところお願い出来そうな依頼はゴブリンの村掃討くらいですかね、ただ、本来Eランクには受けていただくことが出来ないので、シャルティアさんも一緒に行くという条件付きで受けてもらうことになりますが、それでもよろしいですか?」
「もちろんです」
「それなら依頼の書類渡しておきますね」
「ありがとうございます」
帰りもとても長い廊下を歩いて帰って少し疲れたけど、やっぱり人が多いところの受付の方はしっかりしてるな。アスタさんがやばい人っぽいことは今わかったけど。シャルティアと一緒にいるから脳やられちゃったんだろうな、可哀想に。
俺は食糧問題のことなど忘れて新しい家に帰った。