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リベラの街防衛戦!――正面門・vs神喰魔狼――

遅くなりました。模試やらテストやら忙しいのです……

「ハァハァ……」


やばいです、ピンチです。

舐めて掛かってはいなかったんだけど……。


「なんやなんや、もう終わりか?想像以上にたいした事あらへんな、さっさと死んでぇや」

「馬鹿言うんじゃねぇ、まだくたばってたまるかよ」

「はぁあ、とんだ期待外れやわ。全く力が使えとらん。そんなやからわいにフルボッコにされるんよ」


畜生、言い返せねぇ……。

言い返す気力も無いし、力を使えていないのも事実だ。


くそっ、どうする!?






******


シリアからリベラに戻ってくるのは一瞬だった。

理由は簡単。リベラの宿に転移陣を設置していたからだ。

襲撃の話を聞いたあと、すぐに入口用の転移陣を作り、そのまま帰ってきた。


その後、明らかにリベラ側の戦力が足りないことを確認して、アリス、ユキ、ソフィアを各門へと派遣した。


ソフィアについては、かねてより計画していた極秘ミッションの『ソフィアさん自動人形オートマタ計画』の一環の、最新型八号機を転用した。


八号機は性能がかなり良いらしく、ソフィアも割と満足していた。



閑話休題。

俺が向かったのは正面門、そして城壁の上にいる。


「うわっ、高っけぇ……。でも、ここからならよく見えるな」


多種多様な魔物が一心不乱にこちらを目指しているのを見ると、やはり恐怖を感じる。


「まっ、怖がってても意味無いからな。さっさと倒しますか」


アイテムボックスから神器を取り出す。


まずは『破弓アルテミス』。いつぞやのランクアップ試験の時も使った大型の弓だ。


しかし今回はアルテミス専用のを、同時に取り出している。

やじりはオリハルコン、そして矢の本体は俺が限界まで魔力を込めたエルダートレントの枝で作った、割と凄いものだ。


「狙いよーし」


弓を全力で引く。


改めて考えると、やはり神器は凄いな。

俺のステータスの全力で引いているのに全然弦が切れる気配が無い。


軽く息を吐きながら大群に向かって打つ。



―――ズドドッッ!!



「…………」


やりすぎちゃった。


まさか地面を抉りながら矢が飛ぶとは思うだろうか、いや思うまい(反語)



「よ、よし。この技を『流れ星』と名付けよう!」


願わくば、二度と使うことの無いように。



しかし実際、『流れ星』の戦果は十分だった。

射線上にいた敵の恐らく全てを倒してくれた。


「第二射はもっと力をセーブしよう……」


そしてもう一度射つ。


今度はいい感じだ。溢れ出る魔力が糸を引き、正しく『流れ星』の名にふさわしい美しさだ。


「よっし、これでだいぶ片付い――っ!? 」


何かが飛んで来る気配を感じ、上半身を後ろに逸らす。


「あっぶね!!てか、さっきのは俺の矢!?」


「ははっ、さっきのはお前さんが投げたんかお前さんが打ったんか!流石は偽りの神、か?」

「誰だ!?」


偽りの神か、俺が亜神である事に気付いているのか?


「はじめまして、わいはフェリス。

魔王軍幹部、『神喰餓狼フェンリル』のフェリスやで」

「へぇ、じゃああんたがこの街を襲ってるリーダーか?」

「せやせや、ほんまは『龍に見初められた血脈』のクソジジイもおった筈やけどいつまで経ってもこんのよなー。

お前さんは知らんか?森の奥におるジジイなんやけど……」


森の奥にいるジジイ?

そんなの知るわけ…………あっ!


俺を買ったあの爺か!!


「その顔は知っとるな?」

「ああ、そいつは俺が殺したよ」


「……ぷっ!あはははは!!そうかそうか!!

言われてみればお前さんからクソジジイの持ってた神器の気配がするわ。それに、龍種の魔力も混ざっとるって事は、事実なんやろうな。

じゃあ、殺ろうか?」


フェリスと名乗った青年が拳を放つ。


「――っ!?危ねえっ!!」


咄嗟にアイテムボックスから『デュランダル』を取り出し、盾にする。



「ほう、あれを防ぐんか。なら、これはどうや?」


目にも留まらぬ速さで、連打が放たれる。

一発一発に魔力がかなり篭ってこり、当たれば体力がかなり削られるだろう。


「おらァ!!」


デュランダルを盾にするだけじゃ防ぎきれない!


それなら、別の神器を出すだけだ!!



「『聖盾アイギス』!」


手の平サイズの小さい盾だが、自身の周りに結界を貼ることができる神器である。


「むっ!?何やそれ?結界か?」

「ご名答。これなら壊せねぇだろう?」


「甘いなぁ。フェンリルを舐めてもらっちゃ困るで!」


そう言ってフェリスは連打を続ける。


嘘だろ?アイギスの結界に罅が……


「っ!『ミョルニル』『グングニル』!」


結界が破れる前に決着をつけるべく、巨大な槌と槍を召喚する。


「このっ!くたばれっ!!」


ミョルニルを横向きにフルスイングする。


しかしその一撃はフェリスにいとも容易く止められてしまう。


「全然足りんわ!!」


そして遂に、結界が破壊される。


それと同時に俺の体はフェリスに殴られ宙を舞う。



「痛っ!だけど、ここからならっ!」


そのまま空中で体勢を整え、グングニルを投擲する。


「貫けっ!!」


「んで、どこに投げてん?」

「なっ!?」


気が付くとフェリスは後ろにいた。

更にもう一度殴られる。


「さあさあどうする?このままやとお前さん、死んでまうで?」


…………考えろ、どうすればいい?打開策は?


「もう何もできんのか。期待外れや、死ね」



あった、出来ること。

正直どうなるか分からないから怖いけど、やるしかねぇか……。



「開け『善悪の箱(パンドラ・ボックス)』」
















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