リベラの街防衛戦!――東門・銀の魔姬――
アリスの一人称が大変だったのと、戦闘シーンを上手くかけなくて、遅れてしまいました。
許してくださいなんでもしますので!
決してサボってた訳では無いのよ?
むう……。お兄ちゃんに言われて来たんたけど、人がいっぱいで進めないの。
アリスは東門で魔物の討伐をしなければならないの。お兄ちゃんに褒めてもらうの!
だけどこのままじゃ……。
あっ!お兄ちゃんは「知ってる人を見つけたら事情を説明して参加させてもらえ」って言ってたの!
誰かいないかなー。
「あれ?アリスちゃんですか?」
「ルノアちゃんだー。久しぶり?」
ルノアちゃんはリベラのりょうしゅさま、なの。
前に困っているところを助けてあげたの!えっへん!
「そうですね。結局一度も会えてませんでしたが、
噂は聞いていましたよ」
「噂?」
「ふふ、凄いですよね。まさか早くもBランクまで上がるなんて」
「むむむ、そう言われるとなんだか恥ずかしいの……」
お兄ちゃんが助けてくれなかったら、アリスはもっと寂しい思いをしていたの。
だから、お兄ちゃんには感謝感謝なの。
「それで、アリスちゃんは討伐に参加するのですか?」
「そう!お兄ちゃんに東を手伝うように言われました!」
びしっ!とケイレイ?をするの。
「そうですか……。あまり子供の手を借りるのは良くないと思うのですが、今はまさしく猫の手も借りたい状況です。Bランク冒険者の参加は本音を言えば有難いです。
それでは、アリスちゃん、いえ、アリスさん、よろしくお願いしますね?」
「はいっ!なの!」
******
「それでは、作戦を確認します!」
ルノアちゃんが騎士さん達の前に立ってお話してるの。
ルノアちゃんカッコイイの!
「重装兵を前面に出しつつ、後方から魔法部隊で援護です。
そして、一人魔法部隊に追加します」
ルノアちゃんがこっちに手を振ってるの。
行けばいいの?
「はーいっ!」
元気よく挨拶。大事なの。
「あの子か?」「嘘だろ?子供じゃないか」「ルノア様もおかしくなったのか?」「いや、あの子は……」
アリスが出ていくと、騎士さん達が何か言ってるの。
「落ちついてください。
知っている人も居るようですが、改めて自己紹介してもらいます」
「はいっ!アリスなの!!Bランクの冒険者で魔法使いなの!!」
「Bランク?」「マジかよ……」「聞いたことあるぞ、ナゼルを倒した幼女の話」「あの子か?」
むむむ、注目されてるの。これは頑張らなくちゃ。
「最後に、要注意の敵について確認しておきます。
まずはAランク以上の魔物。次に魔王軍の幹部。そして最後に、『龍に見初められた血脈』のシュリングノート=ドラグールです」
りゅうにみしょめられた?
うー、何言ってるのかわかんないの!
「アリスちゃんは知らないですかね?」
「うん。その人知らないの」
「それでは、少しだけお話しますね。
『龍に見初められた血脈』は太古に龍と契約を結んだ一族です。儀式魔法を得意とし、彼らに敵う人間はいないとも言われています」
「お兄ちゃんより強いの?」
ルノアちゃんはポカンとした顔をする。
「ええまあ、強いでしょうね。あれは化物ですから」
っ!?お兄ちゃんより強いの!?
お兄ちゃんは大丈夫なの!?
******
「ルノア様!戦闘開始します!!」
「わかりました!!」
「さて、アリスちゃん、行きましょう」
「…………」
「どうしました?」
「三分」
「え?」
「三分だけ、時間を稼いで欲しいの」
「どういう――」
「解放『忍耐』。
『神住まう無窮の世界。坐する世界樹に願い奉る――』」
詠唱を始める。
知らない言葉の筈なのに、使いたい魔法をイメージすると、頭に言葉が浮かぶ。
「『白銀はユミルを祀り、彼の者の名を借る――』」
「アリスちゃん……?」
「『顕現するは凍える世界。地獄の女神の揺蕩うなり。神地創出【ニブルヘイム】』」
今出来る最大規模の魔法。
五千の魔物を一網打尽にするための秘策。
凍った世界を創り出す魔法。
それを発動する。
「ふみゅー。疲れたの…………」
【ニブルヘイム】は一面を銀世界に変えた。
この魔法威力は申し分ないが、最大の難点は制御である。
敵味方見境なく凍らせる為、一々味方を対象外に指定しなければならない。
そのため、一度使うだけでアリスでさえ疲労困憊になるのだ。
「あ、アリスちゃん?あれはなんですか……?」
「魔法!龍に見初められた、の人いた?」
「いえ、いなかったようですが……」
「じゃあ、アリスはお兄ちゃんのところに行ってくるね!!ばいばい!」
アリスはリョーガのいる正面門へと走っていった。
それを見送るルノアや騎士達は、みな放心していたが、それも仕方ない事だったのかも知れない。




