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リベラの街防衛戦!――北門・機械仕掛の女神――

やばいくらい文章力が落ちてる……

プリズムウルフのさらに上位個体、『マーナガルム』と呼ばれる種族の魔物、マラナは喜びに震えていた。


リベラという人族の街を攻め落とすための軍団。

その中でも北方の軍のリーダーという大役を掴み取れた事に己の幸運を噛み締めていた。


マーナガルムは冒険者ギルドの基準ではSSランクに属する魔物だ。

その力は災害にも匹敵し、一部の地域では神獣や土地神として崇められている。



マラナは驕ってはいたが、決して油断はしていない。


自らに刃向かう人族ムシを一匹一匹狩っていく。


「くたばれッッこの犬風情がッッ!!」


今も一人の冒険者がマラナに向かって剣を振るう。


「かッ!雑魚が俺に刃向かってんじゃねぇよ!!

テメェが俺に向かうのは――千年早い!!!」


マラナは冒険者に爪を振るう。

その一撃で愚かな冒険者は絶命する――筈だった。


「始めまして、私はソフィア(・・・・)。貴方がここのリーダーですか。マーナガルム如きとは、マスターを甘く見すぎですね」



マラナの前に現れたのは、少女だった。


身長は百五十もない。

高さ三メートル、体長は五メートルにもなるマラナにとっては、矮小な存在のはずである。


(なのに、なぜっ!!)


マラナがいくら爪を振るおうとも、目の前の小さな存在には当たらない。

すべてを紙一重で回避される。


初撃を受け止めた事を考えると、この少女は態々回避している事になる。


つまり、マラナはこの少女に負けているのだ。

それも圧倒的に。



「言っているでしょう。マーナガルム如きが逆らう事は許されない、と」


高圧的で傲慢な物言いに、マラナはさらに苛立つ。

こんな筈ではなかったのだ。

ただ人族ムシを始末するだけだったのだ。


それなのに、


「テメェは何もんだ!?」

「私はソフィア。マスターのためにあなたを始末するものですよ」


少女の手にはいつの間にか巨大な槌が握られている。


そしてそれは一直線にマラナの元へと振り下ろされる。


「クソがァァ!!」



マラナは初めて全力を出す。


ボスであるフェリスから使うなと言われている技。

『限界解放』と、ボスは言っていた。


その技を、今解放する。


「グ、グガァ…………」

既に意識は無い。

ただ目の前にいるを殺すためだけに、自分は動くのだ。


このあと自分は動けなくなるだろうが、自分の後には五千の配下がいる。

自分に比べれば塵芥に等しいが、目の前の少女を除けば、十分に殲滅できるだろう。


その為にも、マラナ自身がこの唯一の敵を始末するのだ。







******


ソフィアは思う。


(ただのマーナガルムかと思っていましたが、限界個体ですか……

マスターのところには厄介な敵も居ますし、これはさっさと終わらせた方が良さそうですね)



そう、仮に限界個体だとして、ソフィアには関係ないのだ。


むしろ彼女は、マスターからの贈り物である自らの肉体・・の心配をしているのだ。



「わかりました、私もマスターのところへ向かわなければなりません。申し訳ございませんが、死んでもらいます」


ソフィアは『アイテムボックス』から三つの武器を取り出す。


「『乞い願う軍神の魔笛、ピュリケイション』『理を外す臨界の剣、ザフィーラ』『破軍の重砲、グラヴィティキャノン』」



一つ一つが大軍を相手にするための神器である。


ピュリケイションは味方の軍に指示するための魔笛、ザフィーラは見たものの正気を消す魔剣である。



ソフィアはピュリケイションを使用し、命令する。


「全軍に告ぐ!直ちにこの場から、撤退・・せよ!!」

「しかしッ!それでは貴方が!!」


既にソフィアをただの少女だと思っているものはどこにも居ない。


ソフィアは答える。


「大丈夫です。すべて私が処理しますので」



そしてソフィアは右手にザフィーラ、左手にグラヴィティキャノンを構え、唱える。


「一刀【伊邪那美】」


ソフィアがザフィーラを振り下ろすと、数百、いや、千二も届くほどの魔物が発狂する。


そして数秒後、そのまま動かなくなった。


「なるほど、流石は主様ですが、これは長期使用に耐える物ではありませんね」


ザフィーラは既に根元から折れていた。







******


(何だあれは!?あの魔物達は死んだのか!?)


北門の防衛に参加していた冒険者、ジハは驚愕していた。


北門に現れた強大な魔物、マーナガルム。


絶望するしかないその存在に対して真っ向から勝負を仕掛けた一人の少女。


その少女はどこか異様だった。

見た目は美しい少女だが、まるで人間ではないようだった。


ソフィアと名乗ったその少女が剣を振るうと、大量の魔物が狂い、そして動かなくなる。


その様子に、ジハは恐怖したのだ。



「ではこちらを使いましょう。出力五十パーセント【グラヴィゼーション】」


ソフィアは左手の銃を打つ。


放たれた不可視の弾丸は残る約四千の魔物達へと近づき、地面が落ちた。



爆音を鳴らし、魔物が潰れる。

CランクやBランク、一部はAランクの魔物までも平等に死が訪れる。



「グルゥ、グガァッ!!」


その中でも、唯一声が聞こえる。


(嘘だろっ!?あれでも生きてるのか!!)



周囲の数多の死骸を踏みにじり、黒い狼が近づく。


足取りこそ危ういものの、確かに一歩ずつ少女に近づく。



「まさかここまでできるとは思いませんでしたね。

それでは、貴方に敬意を評して、私の今の全力・・で倒させていただきます」


そう言って、少女は詠唱を始める。


「『古の女神たるソフィアが理に命ずる。善を救い、悪を払う原初の鐘よ鳴り響け。其れは太古より有り、世の理を護る。今此処に姿を成し、平定を与えうる。響け【神之鐘クレセント・ベル】』」



白銀の巨大な鐘が現れる。

鐘は厳かに鳴り響く。


魔物達は皆、光になって溶けていった。



ジハは鐘を召喚した少女を見る。


少女はまるで神仏の如き威光を放っていた。



(ああ、なんて。彼女はさながら……)


ジハはただその神々しさにひれ伏すだけだった。























新作投稿しました。

悪魔な男が召喚勇者を観察する話です。


てめえのつまんねぇ作品を見てやろう、って思ってくれる人は是非覗いてみてください。

こっちと同じで基本ほのぼのです。

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