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リベラの街防衛戦!――開幕――

ちょっと短めなり。


あと、今日の昼頃に新作を投稿します。

クラス転移の話を書きたくなったので書いてみました。ただし、普通のクラス転移の話じゃないと思いますけど。

気になった方は是非覗いてみてくだしあ。


重要な事ですが新作は少なくとも序盤は幼女が出ません。

リョーガがリベラを出発した数日後。


リベラの冒険者ギルド、ギルドマスターのバロンは仕事に忙殺されていた。


「忙しすぎるっ!何なんだよこれっ!!」

「ギルドマスターが宴会の後、はっちゃけ過ぎて仕事をしていなかった分ですね」


副ギルドマスターのレナは答える。


「違う、そういうことを言ってるんじゃない!

そうだレナちゃん、いや、レナ様、俺の代わりに仕事をしてくれま――」

「お断りします」

「なんでっ!?」

「あなたを甘やかすと絶対に仕事しないと知っているからです」


取り付く島もないようだ。


「くそっ!こうなりゃリョーガを呼んで――」

「あっ、リョーガさん達はシリア湖にピクニックに行ってるんですって。いいですねー、私も有給を取りましょうか?」

「ごめんなさい俺が悪かったです。見捨てないでください」


副ギルドマスター>ギルドマスターの不等式は崩れそうにない。


あと、この世界にも有給の概念はあるようだ。


「ふふ、頑張ってくださいね。

調子がよければ明日の朝には終わるでしょうから」

「いや、それ俺一睡もできなくね」


バロンの言葉を聞く事もなく、レナは部屋を出ていく。


残されたのは、顔に絶望を貼り付けたバロンだけだった。





******


翌朝。


「お、終わった。やり遂げたんだ。俺はやり遂げたんだ!」


徹夜明けでテンションが高まっているようだ。


「ああ、早く寝よう。お休み、俺はもう明日まで起きる気は無いぞ」


どうやら相当な極限状態で仕事を続けていたようだ。

独り言を喋る程度には消耗しているのだろう。



――ガタッ!!


勢いよく扉が開かれる。


入ってきたのは昨日バロンに悪魔のような言葉を伝えた、副ギルドマスターのレナだった。


「うるさいぞ、レナ。俺はちゃんと仕事を終えたからな!

書類は全部机に置いてあるから、勝手にとっていけ!」

「えっ、ほんとにやれたんですか……?

って、そうじゃなくて!大変なんですよ!!」

「大変だったのはこっちだよ!」

「そうじゃなくて!魔物の襲撃ですよ!!」

「はあっ!?」


どうやら、バロンの仕事が終わるのはまた後になりそうだ。





******


リベラの街、領主の館にて。


そこには、一人の男と、一人の女が話し合っていた。


その二人は、リベラ辺境領領主のルノア・リベラと、冒険者ギルドギルドマスターのバロンだ。


「本当ですか!?今すぐ軍の再編成を行います!!」

「そうしてください。正面と北はギルドで請け負いますので、西と東をお願いします」

「分かりました。健闘を祈っております。」

「こちらこそ。ルノア様とリベラに神のご加護があらんことを」


そう言って、バロンは館を出る。






大群を発見した冒険者達が言うには、魔物は総数二万。


四方から五千ずつ街に近づいているそうだ。

既に斥候を派遣し、確認をとっているので間違いはない。


「こんな時に『ファミリア』が居ないのは辛いが、俺達だけで街くらい守ってやるよ」


そう言ったバロンだったが、その言葉は酷く空虚だった。




二日後、正面門に集まった冒険者は約三百人。


冒険者たちは圧倒的不利を悟ってはいたが、その表情に絶望はなかった。


「お前らぁ!!さっさと魔物をぶっ潰して、街を救うぞ!!西と東はルノア様の軍が守ってくれている。俺達はここを全力で死守するぞ!!」


バロンは叫ぶ。


彼はルノアを信頼している。

中央の腐った貴族とは違い、街のことを最優先に考えている。


その真面目さゆえに辺境へと飛ばされたようだが、彼女はここを気に入っているようだ。



「ははっ!ぎょうさんおるなぁ。やけど、あんま強いやつはおらんなぁ」


冒険者達の前に一人の男が現れた。

いや、男の姿をした魔物、のほうが正しいだろうか。


「ん?ああっ、わいか?わいはフェリス。魔王軍四大幹部の一人、『神喰魔狼』のフェリスや!短い時間になるやろうけど、よろしくな!」



そして、冒険者達の絶望の戦いは始まる。




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