ヴィオラちゃんといっしょ!
地元で『森コン』なる事業が行われたそうです。
『ロリコン』に聞こえて、バッとテレビを見たのは内緒です。
ところで、最近PVが急に増えてきてとっても嬉しいです。
よければ感想や評価なんかもください(露骨すぎる
「お願いって?」
俺が聞き返すと、ヴィオラはおもむろに口を開いた。
「リョーガさんが魔導具を作るところを見てみたいんです!魔導具の神様が魔導具を実際に作るところなんて滅多に見れるものじゃないですから!」
むむむ、そうはいっても……
「お兄ちゃん!アリスも見たいの!!」
「私もお父さんが魔導具を作るところを見てみたいですっ!」
「よし作ろう。今すぐ作ろう」
うら若き少女達の願いだ。叶えてやるのが男ってもんだろう。
******
魔導具作りのために『魔道具ヴィオラ』を出た俺達は、城門へと向かう。
「あのー……。なんで門に行こうとしているんですか?」
「ああ、普段は宿で作ってるんだが、今回作るものは結構な大きさになりそうだからな。街の外で作った方が効率がいい」
今から俺が作ろうとしているものは馬車である。
んなもん作れるのか、と俺も思ったがソフィアさんによると、
『簡単です』
だそう。
一言で済ませてしまうとは流石はソフィアさんである。
さて、門から徒歩五分ほどの距離まで来た。
ここなら、人に見られる心配も無用だろう。
ちなみに、俺は作務衣に着替えている。
特に着替える必要は無いのだが、それっぽく感じるからだ。
「よっしゃ、じゃあこれから作っていくよー」
そう言って、アイテムボックスから十本ほどの丸太を取り出す。
突然目の前に太さが五十センチ以上ある丸太が急に十本も出てきたことで、ヴィオラが「ひゃっ!?」と小さく悲鳴を上げる。
かわいい。
なお、この丸太はもちろんトレントを丸太にしたものである。
ヴィオラを見て和むのは一旦やめて、馬車の制作を開始する。
本来、馬車ほどの大きさのものを作るには、緻密な設計図が必要である。
それはもちろん俺も例外ではなく、設計図が必要なはずなのだが……
『もちろん全て私が計算しております。マスターは安心して制作だけを行ってください』
と、俺の頭の中に搭載された、スパコン涙目の演算能力を持った神器が全力でバックアップしてくれるので、設計図は必要ないのだ。
スパコン改めソフィアさんのおかげで、特に何も考えずに馬車を作るだけの要員となった俺は、はじめに車輪に着手する。
車輪の作成において最も大切なことは、車輪が真円になるかどうかだ。
いかに高級な木材を使って作ろうと、四角い車輪なんぞ使い物にならん。
形のいい車輪を作るには、イメージが大切だ。
どのような大きさ、どのような形、どのくらいの重さ、それを一々具体的にイメージしながら、『道具作成』をおこなうのだ。
丸太を角材へと整え、更にそれを車輪へと加工する。
この程度、造作もないことなのだ。
次に、馬車本体を作る。
これもまた、イメージが大切なのだが、今回は個室タイプの馬車を作ろうと思う。
なぜその発想になったかというと、ヴィオラの店を見たからだ。
個室にすれば、空間拡張によってかなりの広さの快適な空間を作れるからね。
空間拡張を付与するのは、術式こそ難しいものの、あまり素材を気にしなくていいという利点がある。
俺は、術式ならどんなものでもだいたいなんとかなるので、空間拡張の付与は簡単なのだ。
そして、一時間ほどたって、ついに馬車の本体が完成した。
馬車を作るにしてはかなり早いが、もちろん手抜きでは無い。
むしろ、ヴィオラに見せるためにゆっくり作ったまである。
だが、ヴィオラは俺の作業中ずっと、目を皿にしていた。
なぜだ……
「これで、馬車自体は完成な。あとは術式を付けて魔導具にすれば完成」
そう言って、馬車に術式を書いていく。
――空間拡張、耐熱耐寒、万能結界、衝撃軽減、etcetc――
そして、馬車(に見える何か)が完成した。
「ほいっ!これで完成。どうだった?」
三人を見ると、アリスとユキは目を輝かせて喜んでいるが、ヴィオラは魂が抜けたように呆然としている。
「大丈夫か……?ヴィオラ」
俺だ尋ねると、ヴィオラはようやく意識を取り戻して、
「私を弟子にしてください!師匠!!」
神様生活約一ヶ月。
初めての弟子ができました。




