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続・魔道具屋に行こう!

おかしい……

このままではヴィオラさんがヒロインになってしまう!

ヴィオラさんは幼女じゃないのに……!!


ヴィオラ「………………」

今日は珍しく行きたい場所がある。


『魔道具ヴィオラ』である。


久しぶりにヴィオラを見たいのと、結局あの店がどうなったかということが気になったからだ。


なんでも、人気店になっているらしいが……



「ということで、ヴィオラに会いに行こう!」

「わ〜いっ!」

「ヴィオラさん……ですか?」


そういや、ユキはあの人に会ったことないんだよな。


「ヴィオラさんってのは、魔道具屋の店主さんで、多分この街一番の魔道具職人だよ」

「そんな凄い人と知り合いなんですか?」

「まあ、ちょっとした縁があってね……」


正直、ヴィオラに会うと、何を言われるのかわからない。


人気店になった理由はどう考えても加護のせいだし……


やはり俺が蒔いた種だ。どうなったかは確認する必要があるだろう。


決して、ヴィオラの反応が怖いから逃げていたわけではないのだ。





やってきたのは例の裏通り。


そこにあるボロ……じゃなくて、貫禄のあるお店。


それが、『魔道具ヴィオラ』である。


「あれ?ぼろいままだな。リフォームはしてないのか?それとも、人気店になったってのはデマ?」

「いえ、店内には多くの人がいるようですよ」

「そうなのか?でも何人も入れるほど広い店じゃなっかった気がするけど……」

「早くヴィオラちゃんに会いに行くの!」

「っとそうだな!入ればわかるよな」


満を持して店内に入る。


そこで目にしたのは……


「なんじゃこりゃ……」

「ひろ~い!」

「これはすごいですね……」


ぼろぼろの外観とは裏腹に店内には巨大な空間が広がっていた。


『おそらく空間拡張を可能とする魔導具(・・・)が使用されています』


……なんだか久しぶりにソフィアさんの声を聴いた気がする。

訓練の時なんかに毎日聴いてるはずなんだけど……


『マスター、それはメタファーというものです。気にしないほうがいいでしょう』

お、おう、そうか。それはいいとして、なんで魔導具なんかがこの店にあるんだ?

『……本気で言っているのですか?マスターの加護の効果ですよ?』

……や、やだなー。冗談に決まってるじゃないか。まさか、自分の加護の効果を忘れるなんて言う間抜けな真似はしないよー。

『…………』


うん、何も言わなくなったってことは納得したんだよね!


「それより、これだけ広くて客がいるならヴィオラさんに会うことは難しいか?」

「え~、ヴィオラちゃんに会えないの~?」

「私も会ってみたかったです……」


よし!全力で探そう!!


とはいえ、拡張された店内はスーパーマーケット並みに広く、客と店員を合計すると百人以上はいるだろう。


「どうすっかなー……。店長を出せ!って言うしかないかなー」


しかし、それではただのクレーマーだ。品物を買ってすらいないクレーマーなんて流石にひどすぎる。


と、途方に暮れていると、


「あっ!ヴィオラちゃんだ!!」

「あの方がヴィオラさんですか!」

「えっ!?ヴィオラいたの!?」


アリスが指をさしたほうを見ると、そこには確かに店員の男性と話をしている見知った少女。


「ヴィーオーラーちゃーんー!!」

「えっ!?この声は、アリスちゃん!?」


おお、気が付いたようだ。まさしくガール・ミーツ・ガール、感動の対面だ。


そして、ヴィオラと話していた男性店員さんは店長の知り合いの登場に呆然としている。


「久しぶりですねー、アリスちゃん!ってあれ?ということはもしかして……」


ヴィオラはこちらを見て固まる。


「よ、よう。久しぶりだな、ヴィオラ」

「リョ、リョーガさん!!どうして来てくれなかったんですか!?」

「ちょっ!近いって!?いや、事情があってな……」


ヴィオラの距離もやばいが、なに問さっきまでヴィオラと話していた店員の目がやばい。

親の仇でも似るような目をしている。


え、なんで?俺この人と初対面だよ??

『おそらく彼は、マスターを恋敵だと誤解しているのではないでしょうか』


は?恋敵だと?


いや、ちょっと待て。確かにさっきの俺のセリフは……


あーーー!!誤解される要素たっぷり含んでるじゃねえか!!完全に遊びまくってるダメな男じゃねぇか!!



お、落ち着け。事情を説明すればまだ間に合うんじゃないか?


男性の方をチラッ――


あ、無理だわ。完全に爆発寸前だわ。放置最安定ですね。







俺達はヴィオラに連れられて店の奥の応接室にきた。


「本当にリョーガさんには感謝しています。リョーガさんのおかげで私はこうやって魔道具店を続ける事が出来ているんです」


うーん。流石に言い過ぎな気もするけどこうやって美少女に感謝されるとなんかくるものがあるな。


「いやいや、俺は大したことはしてないよ。この店の商品はもともと需要にあっていたってことだろう」

「例えそうだとしても!リョーガさんがこの店に来てくれなかったら、この店は潰れていました!」


――だから感謝している。と、満面の笑みでヴィオラは続けた。


「ねーねー、ヴィオラちゃん。これお兄ちゃんが作ってるのと同じだよね?」


テーブルの形をした魔導具・・・を見てのアリスの何気ない一言。


何も知らない人には何のことを言っているのかわからないだろうが、ヴィオラにはわかったようだ。


「やっぱりリョーガさんも魔導具を作れるんですね!」

「ああ、ってやっぱり?」

「ええ、あれだけ魔道具に詳しい人でしたから、魔導具を作れる人なんじゃないかなって思ってたんです」


想像以上に勘が鋭い。某少年を見た時にも思ったが、ただの馬鹿では無いようだ。


そしてなにより、彼女になら俺の正体・・を教えてもいいと思った。


「ヴィオラ、信じられないと思うが聞いてくれ。俺は魔導具を司る神様なんだ」

「信じますっ!!」

「そうだよな、やっぱり信じられな――ってあれぇぇ!?」

「リョーガさんが店を出ていった後違和感を感じて自分のステータスを見ると、『魔導機神の加護』があったんです。だからリョーガさんが魔導機神様か、その使い魔の方だと思ったんです!」


そういやそうだな。久しぶりに客が来てその客が出て行ったら神の加護があったなんて、日本なら昔話みたいなもんだよな……



「それで、リョーガさんにお願いがあるんです……」



















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