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指名依頼!――おいでよ、恐怖の森――

昨日はじめてコメントを貰いました。

嬉しいですねぇ。

もっとコメントくれてもええんやで(露骨なコメ稼ぎ

「リョーガさん、森は好きですか?」


レナさんがニコニコしながら聞いてくる。


もちろん、俺の答えは……


「大っ嫌いです!」


こちらも満面の笑みで返す。


「そうですか……」


レナさんは俺の答えに一瞬表情を暗くし、


「ところでリョーガさん、森は好きですか?」

「あれっ!?デジャヴ!?」


あるいはYesを押すまで進まないゲームか。





「はぁ……指名依頼?」

「はい、なぜ街に来たばかりのリョーガさんが選ばれたのかは分かりませんが、領収のルノア様からの依頼です」

「ああ、ルノアさんですか」

「やっぱりご存知ではありませ――ってえっ!?知っているのですか!?」

「ええ、ちょっといろいろありまして……」


流石に盗賊から助けたなんて言う必要はないだろう。


「なら話は早いです。依頼の内容は街の北方面にある森の探索です」

「断ることは?」

「できません」


うん、知ってた。


森が嫌いってのも俺がそこまで深刻なものじゃないから大丈夫だろう。


この世界に来た場所が森でそのまま誘拐されたり、森の奥の館で人体実験されたりしただけだからね。

大した問題ではないのですよ、その程度。


「受けるのはいいんですけど、具体的に何をすればいいんでしょうか?」

「ああ、それはですね――」



レナさんによると、最近森での魔物の異常発生が起こっているらしい。


その中には、北の森の上位種族である、トレントのさらに上位個体まで発生しているそうだ。

俺達がすることは異常発生の原因究明及び可能な限りの魔物の討伐だ。


一応魔物を討伐すれば報酬が出るのだが、異常発生の原因を見つけることができれば、更に報酬の上乗せという形になっている。



「分かりました、それじゃ死なない程度に頑張って来ます」

「もちろんです、安全には気を付けてくださいね」







リベラの街北方城門。


その名の通り、リベラの北側に位置し、北の森の魔物の襲撃から街を守る大切な関所だ。




リベラには、四方すべてに城門が存在し、その中でも特に北方城門と南にある正門の守りは強固なものになっている。


その理由は森である。リベラの北と南には巨大な森が存在する。その森からの襲撃の阻止が、正門と北方城門の大きな役割である。




「だから、これだけ多くの兵士が居るんだって」

「ほぇ〜」

「なるほど」


実際城門の周りには兵士が百人近くいる。その数は、俺達がいつも使っている正門と大差ない。


それに、兵士は一人一人が真剣な目をしており、真面目に働いていることが簡単にわかる。


なかなかどうしてリベラはすごい街である。





******


北方城門から徒歩でおよそ三十分。広葉樹林に覆われた森が、通称『北の森』と呼ばれる森だ。


北の森ではきのこや薬草なんかの植物が取れるほか、食肉になる魔物も沢山生息しており、普段ならいつも冒険者が狩りをしている。


そう、普段なら……



「うぅ〜……ジメジメして気持ち悪いの!」

「そうですね……これは流石に辛いです……」

「できるだけ早く終わらせてさっさと帰るか……」


森は鬱蒼としており、禍々しい雰囲気を感じる。


湿度も高く、『うわっ、ここには居たくねぇよ!』と誰もが思うだろう。



いや、それよりも……


ソフィアさん。もしかしてここなら……

『はい、恐らく存在すると思われます』




俺が最近探し続けていたもの。それはきのこだ。


白茸しらたけ』、そこそこ希少なきのこなのだが、真に優秀なのは、その素材としての利便性だ。


このしいたけに似た名前のきのこは、回復薬ポーションの素材になる。


回復薬には、初級、上級、特級と三種類あるのだが、今まで俺は材料の問題で初級しか作れなかった。


しかし、白茸さえ見つかれば上級回復薬を作ることが出来るのだ。


初級回復薬と上級回復薬の違いはやはり回復量だ。

上級回復薬の効果は初級のおよそ三倍。これだけでも、上級回復薬を手に入れる価値はあるのだが、俺が目をつけたのはそこではない。



上級回復薬はほぼ全ての病気・・を治せるのだ。


前世で病に苦しみ続けていた俺は、病気の辛さは人並み以上にわかっているつもりだ。そして、その辛さをアリス達に経験して欲しくない、その一心で白茸を探していたのだ。




話がそれてしまったが、俺が言いたいのは、この森は探索する価値がある、という事だ。


白茸を手に入れられるとなると、よりいっそうやる気が出てくる。







森の中を奥に向かって進んでいく。


「お父さん、何か来ます」


ユキが言った。彼女は万能察知というスキルを持っている。その事からも、何者かが来るのは確実だろう。


「二人とも、注意して」


アリスはアイテムボックスから短杖を取り出し、ユキは腰の刀に手を添える。



数刻後、前方からやって来たのは、豚の顔をした、体が半分腐った魔物だった。


「オォォォ!!!」



あれは、オークなのか?









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