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ランクアップ試験!――理不尽な怒りってありますよね――

ちょっとだけ長くなるかも?

ユキがギルドに登録してから一週間がたった。


この一週間は依頼をこなしつつ、ソフィアさん主導で鍛えていた。


その甲斐あって、皆強くなった。


更に、ユキのギルドランクも俺たちと同じEまで上がった。


「リョーガさん、アリスさん、ユキさん。Dランクへの昇格試験が行われるんですけど、参加しますか?」

「俺はもちろん参加しますけど……二人はどうする?」

「ランクアップ……!やるの!!」

「もちろん私も参加します」


二人もやる気一杯のようだ。


いかんせん、最近は週刊誌の修行パートのようにひたすら特訓だったからね。


特訓の成果を確かめたいんだろうね。



「それでは皆さん、二階にある大部屋に行ってください。そこに、他の試験参加者もいらっしゃいますので」

「わかりました、二階の大部屋ですね」




******


大部屋というだけあって結構広い部屋だった。


会社の会議室くらいの広さがあると思う。


『いや、マスターは会社なんて行ったことないでしょう……』


テレビで見たことあるもん!


大部屋に居たのは、二十歳くらいの女の子三人のパーティと俺と同い年くらいの男女のパーティの合計五人だった。


「はぁ?最後のパーティってガキが三人かよ!」


そう怒鳴ってくる男の子……って君は俺と同じくらいの年でしょう。


「ちょっと、やめてよシン!これから試験なのに!貴方たちもごめんなさいね」


彼とパーティを組んでいるのだろう女の子は、まともな子のようだ。


ってかやっぱり男女一人づつのパーティって事はこの二人は付き合ってるんだろうか?


爆発すればいいのに……


「何だよエリー、俺達は子守をするために来た訳じゃ無いんだぜ!」

「あー、シンくんでよかったかな?一応俺達三人は結構戦えるよ?」


少なくとも、皆普通のDランクよりは強いと思う。


「はっ、笑わせんなよ。」


ほい?


「エルフのチビにおままごとをしてるだけの剣士もどき、それにお前みたいななよっちいやつに何ができんだよ」


ショックだ……奴隷生活の中で結構筋肉ついてたんだが……ってそうじゃねぇ!


どうしよう……怒ったほうが良いのかな……


正直なんとも思わないんだけど……


「はっ!言い返すこともできねえのかよ。そんなんじゃガキ二人もお前と同じでカスなんだろうな!」

「あ゛?」


空気が変わった。

シン少年も俺が放つ威圧に言葉を発せないでいる。


「おいこら、てめぇ今なんて言ったよ。俺のことはどうでもいい。だがうちの子を馬鹿にするってんなら、捻り殺すぞ」

「お兄ちゃん、落ち着くの」

「そうですよ、私達は何とも思っていませんから」


むぅ……二人がそう言うなら……


「わかったよ……」


確かに、二人を大事にしすぎる余りに二人のことになると神経質になってる気がするな……

流石にちょっと拙いかな?





「おっ、揃ってるな!よう、小僧ども。俺が今回の試験官で、ランクBのジョンだ。頑張って合格してくれよ……って、どうした?」


試験官のジョンさんは強面のいかにも冒険者って感じの人だ。


「いえいえ、どうもしてませんよ。それより、試験について説明お願いします」


追求されると面倒だからね!さっさと話を逸らすに限るね!


「そうか?まあいい、試験の事だが内容は商人の護衛だ。で、詳細はこの人に説明してもらう」


ジョンさんがそう言うと、小太りの男性が入ってきた。


「初めまして、皆さん。ゲルドと言います。今回皆さんに護衛していただく商人です」


やっぱり護衛対象か。


「それでは早速説明させて貰いますね。

今回向かうのは馬車で約二週間ほどの距離にあるシリアの街です。皆さんにして頂きたいのは、その道中で遭遇した魔物及び盗賊の討伐ですね」


盗賊……やっぱりいるよなー……


俺とアリスは殺人にはそこまで忌避感は無いのだけど、ユキはどうなのだろうか……


「こちらの馬車は三台ですね。移動には私たちの馬車に乗って貰いますので、移動方法は用意する必要はありません。

このくらいですかね?」

「あと、準備も含めて試験だからな!しっかり準備しておけよ!試験は三日後だ、それじゃ解散!!」


最後にシンくんはこちらを睨め付けて、「チッ!」と舌打ちしてから出ていった。


俺が何したっちゅうねん。



俺達は商店街を歩き回っていた。


理由はもちろん試験の準備のためだ。


「ところでユキ、試験の時に盗賊が出てくるかも知れないって言ってたけど、最悪の場合は人を殺す事が出来るか?」


ストレートに聞いていいか悩んだのだが、結局いつかは聞かなきゃいけないことだ。

それならしっかり聞いておく、それも重要な事だろうという判断だ。


だがそれは杞憂だったようで、


「大丈夫ですよ。殺さなきゃ殺されるって事はよくありましたから」

「……そうか。わかった」


なんとも言い難い。六歳にも満たない年の頃から旅を続けていたのだ、そういった事も何度もあったのだろう。


俺は、彼女達を幸せにすると改めて決心したのだった。




――三日後――


「よし、全員揃ったな!じゃあ出発するぞ!!」




ランクアップ試験、スタート!





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