ユキのギルド登録
俺とアリスとユキは、リベラの街に向かって歩いていた。
すると、突然
『マスター、ユキさんから眷属格への申請がありました。どうなさいますか?』
と、ソフィアさんの声が響いた。
って、眷属格の申請?それって何ぞな?
『まさしく、申請です。ユキさんはマスターのことを心から信頼していますからね』
それは本当に嬉しい。仲良きことは美しきかなってね。
OK、じゃあ勿論眷属格を渡してくれ。説明は俺がするから。
『承りました』
「ユキ、ちょっといいか」
「どうかしましたか?」
俺はユキにすべてを伝えた。俺が亜神である事や、アリスがその眷属であること。そして、ユキもそうなったという事。
眷属になると寿命が無くなることや、体が成長しなくなる事を伝えたると流石に驚いたようだが、すぐに、「お父さんやアリスちゃんと一緒に居られるなら嬉しいです!」と言ってくれた。
こうして、ユキは二人目の眷属になった。
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名前:ユキ・タナカ 10歳 眷属神
職業:なし 状態:正常
レベル:7 HP420000 MP325000
力430000 防御115000
敏捷720000 魔力0
スキル 通常:危機察知Lv5
ユニーク:力・敏捷強化
EXユニーク:神性闘技【火・風】
称号:魔族の忌み子 眷属神格『節制』『正義』
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わー……完全物理特化だな。
んで、当然のごとく眷属格も二つあるな。
魔法は使えないけどその分物理では負け無しみたいな?
俺の神器と合わせたら更に化けるんじゃないか?
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「おっ!リョーガじゃねぇか!ん?その子は誰だ?」
リベラの正面門に辿り着くと顔馴染みになった門番が話しかけてきた。
「おう、一日ぶりだな!そんでこの子は俺の義理の娘だ」
「はぁ?義理の娘って……そういやアリスの嬢ちゃんも義理の妹だったか」
「そうそう、血縁は無いけど二人とも大切な家族だよ」
「まぁお前さんが身分を保障するのなら街に入ることは問題ねぇよ。ところで、その子もギルドに登録するのか?」
「ああ、その予定だよ」
なんだかんだ言っても、ギルドに入っているだけで身元が保証されるのは美味しい。
ユキもそれだけの実力はあるしね。
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ギルドに着いた。
今日は前と違って絡まれることもない。
やっぱり平和が一番だね。
受付カウンターには今日もレナさんが座っている。
「おはようございます、レナさん」
「おはようございます、リョーガさん。今日はどのような御用ですか?」
「この子のギルド登録と、昨日受けた依頼の報告ですね」
「その子、と言う事はまた試験が必要ですかね?」
「そうですね。お願いします」
そう言って頭を下げる。
「ふふ、もちろん大丈夫ですよ。少し待っていてくださいね」
試験官を呼びに行ったのだろう、レナさんはギルドの奥に向かった。
「あれ?またバロン?」
「なんだ?俺じゃダメだってか?」
今日もまた、出てきたのはバロンだった。
この男は暇なんだろうか?
「別に嫌ってわけじゃないけどね」
「じゃあ良いだろ。で、試験を受けるのはそっちの鬼の嬢ちゃんか?」
「はい!ユキといいます。よろしくお願いします」
俺達は、今回も街の外にやってきた。
「さて、始めるか!今回は油断はしねぇぞ!」
バロンはSランク冒険者だし、いくらステータスが上がっているとはいえ、戦闘慣れしていないユキでは荷が重いかな。
まあ、流石に勝てなくても問題は無いだろうし、気楽にやってもらおうか。
「ユキー、気負い過ぎるなよー。多分勝てないと思うし」
そんな言葉に反応したのか、ユキは逆に燃えているようだった。
あれ?どうしてだろう?
大剣を振るうバロンに対して、ユキは手に持った木刀で上手くいなしている。
ユキが木刀を持っているのは俺の趣味……ではなく、しっかりソフィアさんと相談した結果だ。
ユキに木刀を振ってもらったところ、かなり適正があるそうだ。
俺には全くわからなかったが……
ところで、ユキと打ち合っているバロンだが一体ステータスはどうなっているのだろう……
ユキより低いとは思うが、打ち合っている様子を見ているとユキよりステータスが高いようにも思える。
という事で、やっちゃいましょう!『鑑定』
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名前:バロン・ドーヴィル 43歳 人族
職業:Sランク冒険者 ギルドマスター 状態:正常
レベル:382 HP280000 MP2100
力155000 防御42000
敏捷65000 魔力250
スキル 通常:剣術Lv10 体術Lv6 危機察知Lv4 回避Lv7 剛剣術 生活魔法
ユニーク:剛腕
装備:模擬大剣
称号:剛剣
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確かに高いが、それでもユキとは差が大きい。
バロンが優勢なのはべらぼうに高い戦闘スキルと、長い冒険者生活で得た経験のおかげだろう。
これからはもっと本格的にスキルも鍛えていきたいな。
と、バロンとユキの戦いも終わったみたいだな。
結局は敏捷にモノを言わせたユキの勝ちだったが、やはりあまり満足はしていないようだな。
「おい……何でお前の連れてくる子供は異様に強いんだよ……
まさかまた負けるとは思ってなかったわ」
「まあ強いって事で納得しておいてくれ。で、試験は合格か?」
「もちろん合格だよ」
こうして、ユキはギルドに登録できた。
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