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冒険者ギルドにて!前編

前後編になったのにいつもより長いです

「ふー、食いすぎたなー」

「美味しかったの」

「そーだな」


日暮れの宿少し遅めの昼食を取り、俺たちは冒険者ギルドに向かっている。


冒険者ギルドは町の正面の門の近くにあり、日暮れの宿からわりと近い場所にある。


「さて、ここで俺がこれから起こることを教えてあげよう」


そう語り始めた俺に、アリスが首をかしげる。


「まず俺たちがギルドに入るだろ。そうすると、顔は厳ついけどあんまり強くない冒険者が「ここはてめーらみたいなガキの来るところじゃねえ!さっさとおうちに帰りな!!」って言ってくるんだよ」

「ん~?」


どうやらアリスはよく理解していないようだった。




******


少し歩いて、


「ここだな」


看板に大きく『冒険者ギルドリベラ支部』って書いてある。どう考えてもここだろう。


ギルドは外から見た感じは二階建てで木造の建物がいい味を出していた。ギルド自体もかなりの広さを誇っているように見える。


「さて、行きますか!」

「おー!」



俺とアリスがギルドに入った瞬間、わいわいぎゃあぎゃあという喧騒が凪を打ったように静かになった。


(あれ!?こんな空気になるの!?どうしようどうしよう!?)


俺は、かなり焦っていた……。その時、


「おい!ここはてめーらみたいなガキの来るところじゃねえ!さっさとおうちに帰りな!!」


と、こわもての男が話しかけてきた。すると、静まり返っていたのが嘘だったかのように、

「ぎゃはははは!!その通りだなー!!」

「てめえらにはまだ百年はえーよ!!」

などという笑い声が聞こえてきた。


あー、やっぱりこうなるのか―。まあいいか。


と、思っていると、クイッと上着の裾を引っ張られた。


「どうした?アリス」


なるべく優しい声でアリスに尋ねると、


「う~……なんか怖いの」


前言撤回。アリスを怯えさせるやつは許さん。


「『黙れ』」


俺は暴圧の魔眼を発動させながら低い声で言った。


すると、今までの笑い声が嘘だったかのように、誰も言葉を発するものはいなくなった。


「よーし、もう大丈夫だからなー」


なでなで。


「ありがと、お兄ちゃん!」


この笑顔が見られるなら、俺はなんだってやってやるぜ!


「じゃあ受付に行こうか」

「うん!」



「あの、ギルドに登録したいんですけど」


受付にいたのはやさしいお姉さん系の美人さんだった。


やっぱり、美人受付嬢はテンプレだよね。


「は、ははははい!も、もちろんです!」


あっれー?なんでこの人声が震えてんの。


「この子も登録させて欲しいんですけど、大丈夫ですか?十二歳以下は試験があるって聞いていたんですけど……」


レナードに聞いた話によると、本来ギルドに登録できるのは十三歳からで十二歳までは基本登録できないそうな。


ただし、十二歳以下でも事情があってギルドに登録する必要のある人はいる。その人達のために、十二歳域でもある程度以上の実力があれば登録できるようになっているとのことである。


「え、あ、はい!そうですね、そちらのお嬢さんは試験を受けてもらう必要があります。今から受けられますか?」

「あー、今から受けるつもりなんですけど、どのくらいできれば合格になるのですか?」

「そうですね、一般的な駆け出し冒険者より強くないとダメですから、大体ステータスのどれか一つが五百を超えていれば合格になりますね」


ああ、その程度でいいのか。これはどっちかというとやりすぎに気をつけたほうがいいかもな。


「わかりました、ではお願いします」





******


受付嬢さんが試験の準備をしている間にアリスと話をしておく。


「アリス、この試験はあんまり難しくはないみたいだ。悪目立ちはしたくないから全力でやっちゃダメだよ」


この試験が難しくないというのは大間違いである。十二歳以下の子供が駆け出しを過ぎたばかりとはいえ冒険者を超える強さを持たなければならないのだから。

それに、悪目立ちしたくないというのは既に手遅れである。


「わかったの!全力はださないの!」


うんうん、そこはかとなく嫌な予感がしたがまあ大丈夫だろう、きっと。



「お待たせしました。試験官を連れてきました」


受付嬢さんが連れてきたのは身長二メートルを超える大男だった。


「そっちの嬢ちゃんが試験を受けるのか?大丈夫なんだろうな?そっちの坊主もなよっちいじゃねえか」


まあ、アリスはどう見てもただの美幼女だからな。戦えるなんて言っても信じるやつの方が少ないだろう。


「むぅ……アリスは強いの!」

「ははっ、すまねぇな嬢ちゃん。その歳でここに来たってことはなんか理由があるんだろう。まずは試験をするか!」


おお、なんだかんだ行っても試験官。ちゃんと試験はしてくれるんだな。


でも、アリスを舐めてると痛い目にあうと思いますよ?




俺達は、受付嬢さんと試験管のおっさんとともに街の外に出た。試験は街の外でするそうだ。


「俺は、バロンだ。嬢ちゃんはアリスでいいのか?」

「!!なんでアリスの名前を知ってるの!?」


アリスが軽くアホの子になってる……


「自分で言ってるじゃねぇか……」


試験管さん改めバロンさんも呆れている。


「あのー……始めてもよろしいでしょうか」


受付嬢さんが言った。


「ああ、俺は構わないんだが嬢ちゃんは大丈夫か?武器を持ってないみたいだが」

「大丈夫!早くはじめるの!」

「それでは、始めてください」



「さてと、先手は嬢ちゃんに譲ってやるよ。どっからでもかかってきな!」

「ん!それならこっちからいくの!」


アリスは、何もないところから巨大な銃を取り出す…ってアレはもしかして……


「なっ!亜空間収納持ちか!?」


『亜空間収納』

この世界の人が稀に持つユニークスキルで、アイテムボックスのような効果を持っている。

アイテムボックスとの違いは、時間が進むかどうかということと、容量に上限があるかどうかということだ。


鑑定眼程ではないが珍しいスキルで、持ってるだけで冒険者パーティには引っ張りだこというすごいスキルだ。


さて、もちろんアリスは亜空間収納なんてスキルは持っていない。じゃあどこから取り出したかというと、アリスが付けている腕輪に秘密がある。


『試作神器一号 腕輪型アイテムボックス』

それが、アリスのつけている腕輪の正式名称だ。


これは、森で時間を過ごしている中、思いつきで作った神器の一つでアイテムボックスと同等の効果を持っている。



アリスは、腕輪から取り出した巨大な銃をバロンに向け、


「ティロ・フィ〇ーレ!!」


と、言い放った。



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