森を抜けると…!
ここからはなるべくほのぼのとした感じで話を進めていきたいと思ってます。
「そうだアリス、ステータスを鑑定していい?」
この世界では鑑定は本当に貴重なものらしい。なんでも、『鑑定眼』のスキルを持っていたら一生遊んで暮らせるのだそうだ。
まあ、俺は一生『鑑定』するだけの人生なんて、まっぴらごめんだけどね。
「いいよ~!」
アリスが元気よく答える。
それじゃ、鑑定っと、
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名前:アリス・ルネライト 7歳 眷属神
職業:なし 状態:正常
レベル:3 HP255000 MP999999
力45000 防御120000
敏捷175000 魔力999999
スキル 通常:恐怖無効 痛覚無効
ユニーク:MP・魔力強化
EXユニーク:神性魔法【水・雷・光・回復】
称号: エルフの忌み子 実験動物 眷属神格『忍耐』『救恤』『純潔』『慈悲』
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アリスもMPと魔力がカンストしてんのかよ……
ってあれ?眷属格4つもってないか
ソフィアさん、こんなことってあるんですかね?
『……ありえないですよ……。こんなのきいたことないです、なんで4つもあるんですか!』
いや知らんがな…
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暴れ狂う(そんなイメージ)ソフィアさんをなだめて、これからどうすべきかを聞いてみた。
『この森で魔物を狩りながら、森を脱出してください』
森を出るって言っても、道が分からないんですけど……
『もちろんそれも私がサポートいたします』
それは心強いね。
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約三日間を森の中で過ごした。その間に神器作成を使って武器なんかを作ってみたりもした。
現在、俺は自作した銃(といっても打つのは実弾ではなく、魔素を弾丸に変えたものだが)、アリスは短杖を使っている。
これらの武器はなんと、ミスリル銀などのファンタジー金属で作られている。
どうやって手に入れたのかというと、俺たちのいた森にたまたま存在していた!……なんてことではもちろんなく、作ったのだ。
ミスリル銀やアダマンタイト鋼、オリハルコンなんかの金属は、普通の鉱石に魔素が吸収されることでできるらしい。俺はそれを神性魔法を使って再現したのだが…
これが本当にしんどかった、できるだけ神性魔法なんて使ってやらないと心に決めた。
それに比べ、アリスは神性魔法を使いこなしている。
なんでも、『エルフの忌み子』とかいう称号のせいで今まで魔法が使えなかったらしく、神性魔法を楽しそうに使っている。
一度アリスに神性魔法を使うコツを尋ねたのだが、「こんなことしたいなーって考えるの!そしたら簡単に使えたの!」と返ってきた。どうやら彼女は天才だったようだ。アリスは特別な子だからね!天才で当然だよね!!
ついでに三日間でレベルも上がった。今は二人ともレベルは約20である。
ソフィアさんのサポートも最高だった。
魔物に合えばその対処方法を教えてくれて、食べれる植物を見つけるとそれを伝えてくれる。
おかげで、ほとんど疲れることもなく森を出ることができた。
そして四日目の朝。
「「外だーー!!」」
この世界に来てから半年と少し。実に初めての森の外である。
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ナビゲーター化しつつあるソフィアさんの道案内を聞きながら街道を通っていると、五十メートルほど先に何かを見つけた。
道のど真ん中に豪奢な馬車が止まっており、それを守るように三人の騎士風の男が二十人以上の盗賊風の男たちと戦っていた。馬車を守っている男たちのうち一人はまだ何とか戦えていたが、残りの二人は外目でもわかるほどのけがをしていた。
「うっわ、こんなところでテンプレに出会っちゃったよ……。どうしようかなあ……。アリスはどうしたい?」
なんかどこかで読んだことのあるような展開だったが、ちょっとその展開は遅いんじゃないですかねえ。
もうちょっと、具体的には俺が奴隷になる前にこの状況と遭遇したかった。
いや、奴隷になる前に遭遇してたら死んでたか…
それに、そうなるとアリスにも出会えなかったんだよな……
うん、名前は忘れたけど俺を奴隷商に売った二人に感謝をしておこう!
「助けるの!!」
「じゃあ助けよっか」
馬車のほうに駆け足で近づく。
「手伝いましょうか!?」
切羽詰まった声を出すのって案外難しいな……
「……頼む!」
一瞬逡巡し、比較的元気そうだった人が答える。
おそらく俺を盗賊の仲間かどうか考えたんだろうな。まあ別にいいけどね。
「わかりました!アリス!!」
「いくよ!【スタンスパーク】!!」
いきなり現れた子供に騎士風の男が眉をしかめる。
しかし、アリスの魔法が小さな雷球を作り出し、それが盗賊たちに当たると同時に盗賊が気を失っているのを見ると、その表情は呆然としたものに変わる。
「やったな、アリス!」
「このくらい簡単なの!」
かわいい。頭を撫でてあげよう、なでなで。あ、めっちゃ嬉しそうだ。もっと撫でてあげよう、なでなで。
アリスの頭を撫でていると、騎士風の男が声をかけてきた。
「…………そろそろいいだろうか?」
まだいたのか貴様!俺とアリスの至福のスキンシップタイムを邪魔した罪は重いぞ!
「はい、大丈夫ですよ」
「…あまり大丈夫そうには見えないが、まずは我々の危機を救ってくれたことに感謝を、本当にありがとう。そして……」
――バンッッ!!と、音が鳴り馬車のドアが開く。
「私の私の王子さまはどこですか!!??」
出てきたのは、若干引きそうになるくらい血走った眼をした、絶世の美女
「本当に申し訳ない……」
そう言って頭を下げる男は、とてもかわいそうに思えた……




