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8th 可愛いストーカー??

ちょうどその頃シュンの家に着いたコウとユウイチがシュンのアパートの前に着いた。

おもてのボロボロの階段を上っていくとシュンの玄関の前にショートカットの女の子が体育座りをしていた。

どうゆう状況だかわからない二人は黙ったまま、何故かそーっと近付いて声をかけた。

コウ「あのー…。」

するとショートカットの女の子は少しビックリして伏せていた顔を上げてコウの事を覗き込んで更に驚いた顔をして数秒無言で見つめていた。コウもどうしていいかわからず見つめていたがその絶妙な気まずさに耐えきれず話かけた。

コウ「…どうかしましたか?」

女の子「……長瀬コウ!?長瀬だよね!!」

女の子は急に盛り上がり始めた。

二人は更に戸惑った。

コウ「そっそうだけど…あなたは?」

女の子「あっ!私はシズク!うわぁー本物の長瀬コウだー!」

コウ「あっどうも。本物の長瀬コウです。」

ユウイチ「なんだよ。コウのファンかよ。てゆーかシュンの知り合い?」

自分に触れてくれないユウイチはつまらなそうに言った。

シズク「知り合いってゆーかなんてゆーか…。それよりあなたは?タケル??」

ユウイチ「俺はユウイチ。で、知り合いってゆーかなによ?」

ユウイチと聞いて少し考える素振りをして、わからなかったのか一瞬気まずそうな顔をしたが、すぐにニコニコして立ち上がった。

シズク「まぁそれよりさ、君たちシュンに用があったんでしょ?」

コウ「ん?あー忘れてたわ!!んじゃいくか…」

ドアノブに手をかけたが鍵がかかっていた。

コウ「なんだ寝てんのか?」

シズク「寝てないよ!あいつバックレているだけ。しつこくすればしびれ切らして出てくるって!」

ユウイチ「だからあんたはシュンのなに??」

コウ「確かに引きこもりのシュンちゃんの事よく知ってるみたいだしな!ちょっと関係が気になりますなぁー」

コウとユウイチはシズクをニヤニヤしながら見つめる。二人に見つめられてはシズクは少し照れくさくさそうに下を向いてモジモジしながら言った。

シズク「なんて説明しようかなぁ…彼女って訳でも…」

するとドアの向こうからガチャンと鍵の開く音が聞こえて、少しだけドアが開いた。

それをすかさずシズクが無理矢理開けようとしたがチェーンがかけられていて入る事は出来ない。

シズク「ほぉーら開けろー!」

シュン「お前ら人の家の前で騒ぐな。近所迷惑だろ。」

コウ「いやいや、開けてくれれば話は早いんだが…」

コウに指摘されシュンは少しムッとした顔をドアの隙間から覗かせている。

シュン「その前に用件を伝えろ。」

シズク「だーかーらー大事な用事だって言ってんでしょーーー!」

ボリューム調整機能が完全にイカレテルのかと思う程の大声を出したシズクにシュンはようやく観念してドアを開けた。

3人「おじゃましまーす!!」

ドアを開けた途端ハイテンションで入ってくる3人に心底嫌そうなシュンだが、3人はそんなのお構いなしに質問責めをした。

シズク「なんで開けてくれなかったの?か弱い乙女を閉め出すなんて外道以下のなんでもないよ?」

コウ「そーだ!こんな可愛い乙女閉め出すなんて外道だ!」

ユウイチ「シズクちゃんとの関係内緒にするなんて外道だ!」

シュンはめんどくさそうに大きく溜め息を吐いて一喝した。

シュン「そんな事言いに来たなら今すぐ帰れ!」

シュンの一喝により部屋の中は静まり返り、ヤカンの沸騰する音だけが響いている。

さすがに空気が重たくなってしまったのをどうにかしようとコウが和ませようとする。

コウ「まぁまぁ皆落ち着こう。多分シュンは俺らの訪問を予想してお茶を淹れようとお湯を沸かしていたんだよ。」

なんとか重たい空気を和ませる事に成功したコウはなにやらキッチンを物色し始めた。

シュン「んで、本題に入るがなんの用だ?」

シズク「なんかシュン最近冷たすぎない?」

シュン「もともと俺は暖かかったつもりはないんだけどな。」

シズク「だからそーゆーのが冷たいって言ってんでしょ?」

なにやら急に口論になりそうな雰囲気にコウとユウイチはあたふたしている。

コウ「おっーとみんな普通のお茶でいいのかなぁ?」

シュン、シズク「なんでもいい。」

完全にシュンとシズクはお互いに苛ついてる様子である。2人に挟まれていたユウイチはそれに耐えきれずキッチンの方に逃げると言う形をとった。

ユウイチ「コウ俺もお茶淹れるの手伝うよ。」

シュン「シズク。お前はなにが言いたいんだ?」

シズク「なにが言いたいって最近あんたの様子が変だから心配してきてやってるだけじゃん。」

シズクはふて腐れながらも少し照れくさそうに言った。しかしシュンは無表情で突き放した。

シュン「なら心配ご無用だな。俺はもともと変だからな。それにお前が心配する必要はない。」

シズクはなにか言い返そうとしたが顔を伏せて部屋の隅っこに行った。そこにお茶を淹れた2人がおぼんを持って現れた。

コウ「おいシュンちゃん。それはないと思うぜ?なっユウイチ!」

ユウイチ「あ?え?あーそうだぞ!それはない!」

コウ「ほらほらシズクちゃんもそんな隅っこでいじけてないで、言いたい事あったんだろ?」

隅っこでうずくまってるシズクを引っ張って部屋の中心に座った。

ユウイチ「てかさ、一ついい?」

コウ「どうした?ユウイチ」

ユウイチ「いや、えーとシュンとシズクちゃんはカップル?」

コウはユウイチの完全に場違いな発言に驚きユウイチを見たがユウイチは至って真剣な表情である。よほど気になっていたのだろう。

それに関してシュンも真剣な表情で即答した。

シュン「全くもって彼女じゃない!」

シズクは半べそになりながら目を擦って抗議する。

シズク「別にそこまで全力否定しなくてもいいじゃん!」

シュン「おいおい。事実を伝えただけだぞ俺は。」

ユウイチ「ってことはカップルではないのか…。ただの友達?」

シズク「ただの友達ではない?よね?」

とシズクがシュンを覗き込む。

その反応にコウとユウイチはお互いに顔を合わせた。

ユウイチ「ただの友達じゃないって事は…」

コウ「まっ…まさか…セフ」

ユウイチ「とーちょっと待ったー!それ以上言うなコウ!なんとなく事情は察した。」

二人の慌ただしさに呆れたシュンは嫌々関係を説明しだした。

シュン「まぁ2年前ぐらいに近くのコンビニで俺がバイトしてたら来た客でな。それからやたらと俺に付きまとうストーカーって感じだな。」

シズク「はぁ?なにそれ!?今時こんな可愛いストーカー居ますかぁ?」

コウ「そうだそうだ!こんな可愛いストーカー居るわけねぇよ!」

ユウイチ「ほんとだよ。俺だったら寧ろウェルカムだけどな。」

こんな他愛もない会話をしているとシズクの携帯が鳴った。

シズク「あっ!ちょっとごめんね。」

携帯を見るとシズクは玄関の方で電話に出た。

シズク「もしもし?えー!?もうそんな時間?まだ私なにも……それはわかってるよ……わかったよ今から行くからあとちょっと稼いどいて」

シズクは電話を切って少し慌ただしそうに戻ってきた。

コウ「どうした?友達か?」

シズク「ん?まぁねぇー。ちょっと私用事あるからもう行くね?」

ユウイチ「話はいいのか?」

シズク「う、うん。ちょっと急用でさ。」

シュン「稼ぐってなにを稼ぐんだ?」

シズク「なに?盗み聞きしてたの?まぁいいや、急ぎだからもう行くね。じゃあシュンまた会えたらね!」

そう言ってシズクは玄関を出て行った。

コウ「また会えたらってどーゆー意味だ?」

シュン「ん?言葉の文だろ。」

コウ「そうか。じゃあ俺らもそろそろ本題に入るか。」

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