1st 忘れられぬ日、5月25日
文学などには全く知識がないので、文章力が足りないかとは思いますが、どうか温かく見守ってください。(笑)
どんどん感想とか頂けると嬉しいです。
___2010年5月25日。
母「どこ行くのシュン?」
シュン「集会だけど?」
母「今日は母さんと父さんの結婚記念日なのよ。高級ホテルのレストランでご飯を食べるからあなたもきなさい!」
シュン「結婚記念日?あーそうだったっけ?わりーけどこっちもこっちで重要なんだよね。」
父「そんなくだらん群に属して何が楽しいんだシュン。そろそろ大人になれ」
シュン「くだらん群とは侵害だな。俺は今の仲間がなによりも大切だ。仲間を大切にするのはそんなに馬鹿な事なのか?」
父「そう言う事じゃない。家族でのイベントも大切にしろと言うことだ!まぁ今は分からなくてもいい。」
シュン「あーわからないね。俺は俺でやらなきゃならねー事があんだよ!」
シュンは足早に、支度を済ませ玄関を出て行った。
母「結局今年もあの子は来てくれなかったね。」
父「仕方が無い。あいつはまだ子供なんだ。」
シュンは玄関を出て家の下にある自分の単車に跨がりチームの集会に向かった。
途中少し小腹が空いたのでコンビニに立ち寄り肉まんと缶コーヒーを買ってコンビニの前で食べているとチームの仲間でもある一番可愛がっている後輩のマルヤマから電話が来た。
肉まんを頬張りながらシュンは電話に出た。
シュン「もし?」
マルヤマ「お疲れさまです!シュンさん今どこっすか?」
シュン「わりーわりーなんか母ちゃんが結婚記念日だからお前も来いとか言ってきてゴタゴタしたからちょっと遅れちまって今コンビニで軽く飯食ってた。もうちょいで行くから先集会始めてていいぞ。」
マルヤマ「行かなくていいんすか?結婚記念」
シュン「あーいーよいーよ。それに副総長の俺居なきゃ始まんねーだろ。今日コウも居ないし。」
マルヤマ「いや、でも…あっちょっ…」
タケル「あーもしもし?俺だよタケルだけどさ」
シュン「どうした?」
タケル「なになにお前の母ちゃんと父ちゃんの結婚記念日なんだって?」
シュン「あぁ。」
タケル「行ってやれよ!年に一回のお祝いだろ?お前の親なんだから日々の感謝の手紙でもあげたらどうだ?」
タケルは少し小馬鹿にするようにヘラヘラと言った。
シュン「ばかにしてんのか?」
シュンも冗談気味に答えたが、今度は真剣に語り出した。
タケル「親ってのは子供が一番可愛いんだよ。たまには親の側にいてやれよシュンちゃん。」
シュン「お前は俺のなんだよ。」
タケル「俺はこのチームの総長だ!」
シュン「頼もしいな。でもいいのか?他のチームとかも集まるデカい集会なんだろ?」
タケル「問題無い問題無い。バシッと挨拶してくるよ!お前は親の結婚記念祝ってやれ!」
シュン「悪いなタケル。」
タケル「おうよ。終わったら連絡くれよ!ナイツー行くからよ。」
シュン「わかった!」
そう言ってシュンは電話を切り、単車に跨がった。
シュン『でも今更親を祝うってのも少し照れくさいな。まぁしゃーない行ってやるか』
自宅から30分程離れた距離まで来ていたがその道を戻って行った。
すると途中ポケットの中で電話が鳴ってるのに気づいたが、運転中だったから無視をしたが、やたらしつこく電話が鳴るもんで道の脇に止まり携帯をみた。
なにやら見知らぬ電話番号から3件も不在着信が入っていた。
するとまた同じ番号から電話が入りシュンは電話に出た。
シュン「もしもし?」
電話相手の男「もしもし?石崎さんでよろしいでしょうか?私○○警察の者ですが」
シュン「警察?なんすか?俺なんかしましたか?」
電話相手の男「実は先程あなたのご両親が交通事故に合われました。」
男は細々と事故の詳細を語り出した。シュンの頭は真っ白になり何かの間違いであると思うしかなかった。
シュン「なんかの間違いでしょ?そんな訳ないだろ」
少し震えながらもおちゃらけた態度で言うこの言葉が唯一の強がりであったが、現実は非常に深刻なものだった。
電話相手の男「混乱される気持ちは重々わかります。ですが現在ご両親は意識不明の重体で近くの病院に搬送されました。」
シュンは病院の場所を聞き出し単車ですっ飛ばして向かった。
病院へ向かってる途中何度か電話が鳴っていたが、見る暇なんてなかった。
病院へ着き携帯を見てみると後輩のマルヤマから5件とタケルから6件も電話がきていた。
電話などしてる場合ではないと思いつつもこっちもこっちで重要な事だろうと思いタケルに電話をしたが、電源が入ってなくて繋がらなかった。
気になりはしたが、それよりも両親の安否確認が先だと思い病院の受付に駆け込み病室を聞き出して病室へ行ったが時はすでに遅かった。
病室に入るやいなや医師が深刻な表情で告げた。
医師「ご両親はつい先程息をひきとられました。」
シュン「なっ…」
シュンは言葉もなく、ただその場に崩れ落ちた。
静まり返った病室の中で携帯のバイブレータが鳴っている。
医師「あの携帯なってますよ。」
シュン「…はい」
シュンは立ち上がり一度病室から出て電話を確認した。
電話をかけてきたのは後輩のマルヤマだった。
シュンは無言で電話に出た。
すると意外にも電話相手はタケルだった。
タケル「悪い今、取り込み中か?」
いつも明るいタケルだが、この時は凄く暗く小さな声音だった。
シュン「あぁ…」
タケル「マルヤマが…」
シュン「が、なんだ?」
タケル「マルヤマが…マルヤマが殺された。」
シュンは雷に撃たれたかの様な衝撃を受けた。全身の力が抜け、携帯も地面に落とし、まるで魂が抜けたかのようにただ廊下に立っている。
突然目の前が真っ白になり奥から両親が歩いて来るのが見えた。
シュン「母ちゃん!父ちゃん!」
シュンは必死に叫んだが二人にその声は届いていない。
母「あの子のせいだわ。」
父「そうだなあいつのせいだ。」
シュンの方を一度だけ見て光の奥へと消えていった。
すると今度はマルヤマが歩いてきた。
マルヤマ「シュンさんひどいな。電話も出ないしメールも返さない。ほんとシュンさんのせいっすよ。」
シュンは携帯を見た。すると確かにマルヤマから何度も着信があり、メールも入っている。
シュン「ごめんよ。ほんとごめん。」
シュンは泣きながら謝り続けたがその声もやはり届かずマルヤマもまた光の奥へと消えていった。
ピピピッピピピッピピピッ
次回作の投稿は詳しく決めておりませんが、まだ全然制作してないのでしばらくしてからの投稿となります。是非次回も見て頂けると光栄です。