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エロゲ世界の悪役公爵子息に転生したけど、聖女を救うと世界が滅ぶらしい  作者: 海鳴雫


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第65話 外へ出る学園

 会議室の結界は、二重に張られていた。


 投影されたのは、歪みの発生点と、消失点の記録。

 そして、その間にある“空白”。


「単独処理ではない」


 専門教員が、低く言う。


「処理速度が異常だ。

 最低でも二系統」


 第三勢力の存在は、もはや仮説ではない。


「レオナール・フォン・グラントヴァルは管理外。

 現状、危険因子」


 言葉が更新される。


 回収対象ではない。

 制圧優先。


「外部制圧班を編成する」


 決定は早かった。


 学園は、外へ出る。


 西の森は、乾いた風が流れていた。


 歪みは浅いが広い。

 面で侵食する型。


 レオナールは、樹上から圧の流れを読む。


 追跡圏が、異様に速い。


「……本気だな」


 同時刻、別方向から黒装束の女が接近している。


「制圧班が来る」


 合流と同時に、短い報告。


「分かってる」


 言葉を交わす間もなく、地面が震えた。


 歪みが浮上する。


 直後。


 別方向から整然とした魔力の波が迫る。


 学園制圧班。


 顔は見えない。

 統一された結界式。


「対象確認。

 レオナール・フォン・グラントヴァル。

 停止命令」


 淡々とした声。


 命令は明確だ。


 レオナールは応じない。


「後だ」


 歪みが拡大を始める。


 制圧班が動く。


 包囲の結界が展開される。


 同時に、女がわずかに指を動かした。


 制圧結界の縁が、一瞬だけ揺らぐ。


 完全な妨害ではない。


 “乱し”。


 その隙に、レオナールが中枢へ落ちる。


「先に止める!」


 声が、森に響く。


 歪み優先。


 その一瞬だけ、三者が同じ対象へ向いた。


 制圧班は外周を抑え、

 女は枝を削り、

 レオナールは中枢を沈める。


 連携ではない。


 衝突未満の共動。


 歪みが沈黙する。


 森が静まる。


 だが、空気は重い。


「対象、再命令。

 停止せよ」


 包囲が狭まる。


 女が低く言う。


「あなたの居場所は、もうない」


 事実の提示。


 レオナールは、視線だけを返す。


「分かってる」


 制圧班の結界が一段強まる。


 だが、その瞬間、女が再び圏の縁を乱す。


 完璧ではない。


 だが、十分。


 レオナールは跳躍し、森の奥へ消える。


 女も別方向へ離脱する。


 制圧班が包囲を締めるが、遅い。


 三者は、ついに同じ場所に立った。


 だが。


 同じ側ではなかった。

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