嫌よ嫌よも好きの内
「俺、お前のこと嫌いだ」
対して興味のない、違うグループに属する同級生に、麗奈は突然宣言された。
彼の名前は確か悟。
「は?突然なんなの?」
「だから、嫌いって言ってんだよ」
だが、興味もない相手にそんな事言われたって痛くも痒くもない。
だから麗奈はそれ以外話を続けるのを辞めた。
悟も話しかけてこなかったので、これで終わりだと思った。
「お前の事、やっぱり嫌いだ」
次の日、目を合わせるなり悟が言ってくる。
麗奈は流石にムカっ腹が立つ。
「だから何!?嫌いならわざわざ話し掛けないでよ!」
「嫌いなんだから嫌いって言ってんだ。俺の勝手だろ」
コイツは頭がおかしいらしい。
それから毎日、悟と麗奈の攻防戦は続いた。
嫌いだと言う悟に、噛み付く麗奈。
クラスメイト達はくすくす笑って、先にどっちが根を上げるか賭けをする始末。
だが、どちらも負けず嫌いなたちだ。
この関係は二人が中学を卒業するまで続いた。
悟と高校は別々になる。
麗奈はせいせいした思いで卒業式に臨んだ。
式が終わると、悟が麗奈のそばに寄ってくる。
麗奈は身構えた。
「お前の事は嫌いだけど、話す時間は好きだったぞ」
悟はそれだけ言って、桜並木で待っている友人の元に消えて行った。




