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求古綺譚:Lucky Lore  作者: いろは
終焉: The demise of a World 【第六章】

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対峙

 バンッ!


 (ゆう)と白い少年が、勢いよく開いた扉の方を見た。


 (りん)国王と(たまき)は、部屋を見た瞬間、

 ソラクアに来たかと錯覚を覚えた。

 そこはソラクアの研究所と似た部屋だった。


「やっと来たね」

 少年は、無表情なまま淡々と言った。


「さて、誰がチップを持っているか教えてもらおう」

 言い終わるか終わらないかのうちに、

 少年は激しい速さで扉の方へ行き、

 右手に環、左手に(すず)の首を掴んで飛び上がり、

 元居た場所に立った。

 瞬く間の出来事に誰も反応することができなかった。


「うぅ……」

 首を掴まれ持ち上げれたままの姿で

 苦しそうな声が、環と鈴から聞こえてきた。


 悠が守紋符(しゅもんふ)

 (りん)国王が聖剣を

 志々度(ししど)総隊長が両手を叩き鎖鎌(くさりかま)

 ゼンが剣を

 同時にそれぞれ武器に手をかけたとき


 ブワーーーッ!


 と、扉の方から大風が吹いてきて動けなかった。

 そして、そこには大きな獅子(しし)がいた。


 刹那(せつな)

 倫国王が獅子への間合(まあ)いへ素早く入り込み

 スッと聖剣を抜いた。


 ――ズン


 獅子は二つに分かれ、すっしりと床へと崩れ落ちた。


「チップは私が持っている。二人を放してもらおう」

 聖剣を振り下ろしながら、

 倫国王が少年の方に向いた。


 少年は、まるで物を扱うように

 環と鈴の首を掴んでいた手をパッと放した。


 ドサッ――


「げほっ……」

「はぁはぁ……」


 環と鈴は、大きく息を吸いながら

 悠のいる方へ行き、少年から距離を取った。

 環はポケットから守紋符を出しながら移動した。


 少年は瞬く間、倫国王の目の前に来た。


 志々度総隊長が飛び出し、鎖鎌の鎖を少年に巻きつけ、

 背中に足を掛け、床に倒そうとした。

 少年は倒れながらも、首元の鎖に両手をかけた。

 ドスンと床に倒れると同時に

 少年は鎖を引きちぎった。


 同時に、剣を既に振りかぶっていたゼンは

 鎖を引きちぎった左手に剣を串刺しのように突き刺した。

 少年は躊躇なく左手の手首をガチャリと外し、

 剣に差されたままの左手を床に残したまま

 むくりと起き上がった。


 ――言うだけじゃなく、行動で示せるようになれ。何かを守りたいならその力をつけろ。


 見たこともない速さと力の対峙に、

 悠はゼンの言葉を思い出した。

 本当に守りたいものがある今だからこそ、

 その言葉の意味が心底体中に染みわたった。

 体中の冷たい汗と頭の熱が引いて行くのを感じた。


 環と鈴が体制を整えながら、悠の傍まで来た。

「悠……ジェノコードは大量のミサイルでツクヨミノ大陸を破壊しようとしている」

 環が悠に小さな声で伝えた。

 悠が驚いて環の顔を見た。

 悠の手のひらの竹虎(たけとら)守紋(しゅもん)がゆらっと反応した。

「ここに来る途中の地下にあった」

 息が少しずつ落ち着いてきた様子で環が答えた。

 環は手のひらに牡丹蝶(ぼたんちょう)の守紋を出していた。


 突如、

 倫国王が構えていた聖剣から、

 青、赤、黄、黒の色の光が輝きを放った。

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