白い少年
――来たか
白い髪に皮膚に目に服に全てに色彩を持たない白い少年は
アカツキノ大陸を全てカメラにより監視することができていた。
全てはネットワークにより少年の中と繋がっていたので
わざわざモニターのようなものに映し出して
目視する必要はなかったが
時々、そうすることで時間を使ったりしていた。
白い少年は、
船から降りてくる6人の体全体をスキャンしていて
何かを探していた。
――スキャンできない素材で作っている
見つからないのが分かると
空中に浮いたモニターのようなものとの接続を切ると
それは一瞬で消えた。
――一人ずつ探すか、まとめて探すか
瞬時に考えを決め、
白い少年は、白い部屋を出て行った。
悠、環、倫国王、志々度総隊長、ゼン、鈴の6人は
船から降り立ち、周囲を見回した。
そして、直ぐに分かった。
ここには生きているものがないことに。
全てが白く無機質で異様な風景に
悠が、思わず言葉にした。
「ここは本当にアカツキノ大陸でしょうか?」
「そうだな。地図が正しければ、位置的にはアカツキノ大陸のはずだ」
倫国王が答えた。そして続けた。
「源当主が言ってた“ヒューマノイドによる完全デジタル社会”を実現しているならば、ここに人はもう住んでいないのだろう」
「コードノヴァでは人が生きられるデジタル社会だったけど、ここは冷たくて、空気も澱んでいて、なんていうか……」
環が動物も植物の姿の見えない周囲を見回しながら、
その先の言葉を飲んだ。
悠も同じようなことを思っていたが、
同じく言葉にするのをためらった。
「当然、我々が上陸したことも検知されているだろう。危険だから全員で動くようにしよう」
その先は言わなくてもいいとでもいうように倫国王が口を開いた。
その言葉に全員が頷いた。
皆、ここで何をすべきかは分かっていた。
ジェノコードを探して、倫国王の持つチップを読み込ませることだ。
おそらくこの大陸内は全てモニターなどで監視されているはず。
声に出すとジェノコードに狙いを気づかれる恐れがあったので
皆、それを声にすることはなかった。
広い広い大陸を見渡しながら、悠は考えていた。
(どこから探したらいいんだろう……いや、向こうから来る)




