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求古綺譚:Lucky Lore  作者: いろは
終焉: The demise of a World 【第六章】

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上陸へ

「これが、アカツキノ大陸……」


 目の前に現れた

 青い海の上に浮かぶ白い大陸に

 (ゆう)が思わず言葉にした。


 船首の向こうに見える大きな大陸を前に

 全員が息をのんだ。


 悠、(たまき)(りん)国王、志々度(ししど)総隊長、ゼン、(すず)の6人は

 ゆっくりと船首の方に歩いて行き

 少しでもアカツキノ大陸を近くに見ようとした。


「船を動かして近づくか?」

 鈴が、倫国王の方に向かって尋ねた。


「……そうだな」

 倫国王が慎重に言葉を返した。

 鈴は後ろを向き、楼閣(ろうかく)の方へ向かおうとした。


「待て」


 倫国王がアカツキノ大陸の方を見たまま声を出した。

 鈴が振り向いて、皆が見ている方へと視線をやると、

 大陸の方からスーゥと白い細い2本の線のような光が

 船へと近づいてきた。


「誘導灯?」


 鈴が船首の先の方へと走っていって

 白い細い光が船と繋がる場所を確認するように

 下へと覗き込んだ。


 船首下の左右に光をキャッチするような丸いパネルがあり、

 そこへ白い細い光が届いていた。

 光をキャッチすると、丸いパネルはボゥと白く光った。


 ガタンッ。


 エンジンのようなものが稼働する音が聞こえてきたかと思うと、

 海水の揺れ動く音と共に

 船はスーゥと白い線に導かれるように進んでいった。


「そうか、昔、この船でアカツキノ大陸から移住してきたと言っていたな。元々、この船はアカツキノ大陸の技術で作られた船なのか」


 倫国王が言いながら

(大丈夫なのか?)

 と思っていた。

 しかし、不安を抱きつつも、()(すべ)もなかった。


(このまま行くしかないか……)


 全員、船の行く先に目が離せないでいた。


 ふと、悠が隣にいたゼンに声をかけた。

「あの……ゼンさん……あの時ありがとうございました」

 ゼンは、悠の肩に手をポンと軽く置くと

「お前はよくやってる。だが命は大事にしろ」

 そう言って、悠の目を見て手を離した。

 悠は、一瞬ゼンと目が合ったかと思うと

 ゼンの視線は直ぐにアカツキノ大陸に向かっていた。

 悠は、ゼンの大きな手のぬくもりに

 胸の奥がぎゅっとなった。


 そして、少しずつアカツキノ大陸が大きく見えてくるほどに

 鼓動が徐々に高鳴っていった。


 アカツキノ大陸がはっきりと見えるくらい船が近づいていった。

 そして、スーゥと吸い寄せられるように埠頭に接岸した。


 誰もが言葉にできずにいたが

 誰もが思っていた。


 ――色がない?


 目の前に広がっている風景は、色彩がなかった。

 白か薄いグレーにしか見えない

 無機質なものばかりで作られていた。


 その船が着く様子を空中に浮いたモニターのようなもので見ている

 後ろ姿があった。

 悠と環より2~3歳位年上の少年のようだった。

 白い髪に皮膚に服に全てが白かった。

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