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求古綺譚:Lucky Lore  作者: いろは
はじまりの守紋: The beginning【第四章 第一部】
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五家の会談

 宇宇国(ううこく)(りん)国王の戴冠式から、一週間が経っていた。

 そこには、五家(ごけ)当主(とうしゅ)全員が集まっていた。

 名前のない森の大木の元で円になって座っていた。

 源家(みなもとけ)当主、

 林家(はやしけ)(りょう)当主、

 壌家(じょうけ)志音(しおん)当主、

 火宮家(ひのみやけ)(えん)当主、

 金子家(かねこけ)(しょう)当主の5人がいた。


 源当主が口を開いた。

「『四瑞(しずい)の出現は平和な世へ導く聖王(せいおう)の現れる前触れ』と聞いてはいたが、まさかこの目で見られるとは思わなかった」

「誰もが伝説に過ぎないと思っていたでしょう」

 亮当主が落ち着いた声で言った。

「しかし、さほど乱れていない今の世を考えると……」

 源当主がこの先を言うかどうかを迷うような表情で続けた。

「おそらく、近いうちに良くない何かが起こるであろう……」

「やはり、源当主もそうお考えでしたか」

 焔当主が深刻な表情で口を開いた。

「まずは、各々、備えを万全に体制を整えておくことか……」

 4人は頷いた。


「あの二人の少年をしばらく預かりたいのですが」

 志音当主が口を開いた。

「ほぉ、麒麟児(きりんじ)といわれるあの二人か?」

 焔当主が力強い太い声で言った。

「はい。偶然か必然かは分かりませんが、あの二人は四瑞の守紋(しゅもん)を手にしました。しかし、守紋についてはほとんど知識を持っていなかったようです。しばらく集中して守紋の力を高めておきたいと思うのです」

「ふむ、それも必要かもしれんのぉ」

 少し考えて

「志音当主に任せよう」

 源当主が答えた。

(たまき)の母親には私から伝えておこう」

 亮当主が、志音当主に言った。

「そうじゃの。(ゆう)の両親にはワシから伝えておこう」

 源当主が、志音当主に言った。

「ありがとうございます」

 志音当主が答えた。


 5人の中で一番、縦にも横にも大きくガタイのよい焔当主は、

 白い衣服で清々しい青年である鐘当主に向かって言った。

「鐘当主。そちらの体制はどうだ?」

「はい。いつでも大丈夫なように整っております」

「さすがだ!我が六古衆(ろっこしゅう)もいつでも、参画できますぞ!」

「それは頼もしい」

 焔当主と鐘当主の会話を信頼した表情で3人は聞いていた。

「今のところ、東湖(とうこ)湯場(ゆば)に来る守紋にも変わりはありません。しかし、異変があればすぐに皆さんにお知らせいたします」

 亮当主がそう言うと

「こちらも」

「私も」

 5人はそれぞれ、顔を見合わせながら頷いた。

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