表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
求古綺譚:Lucky Lore  作者: いろは
失われた守紋:The Lost Guardian【第二章 第一部】
26/76

帰宅

 僕は、(ゆう)と一緒にリビングのソファに座った。

 そして、東湖(とうこ)の出来事をお母さんに全て話した。

 悠も話に加わった。

 お母さんと雪輪兎(ゆきわうさぎ)は、話し終わるまで聞いてくれた。

 それから、(りょう)伯父さんから貰った“扇子(せんす)”を見せた。

「これでお母さんもいつでも東湖に里帰りできるんじゃない?」

「これは誰でも開けるものではないのよ。これを開くことができる能力がある人だけが使えるの」

 お母さんは、すっかり夜が訪れた窓の外を見た。

「今日はもう遅いわね。また、聞きたいことがあればいつでも話すわ。さぁ、二人とも疲れたと思うから今日はもう休みなさい」

 僕は悠を一階のエントランスまで送っていった。

「じゃぁ、学校の見学は明日だね」

「うん、また明日」

 悠は手を振って帰っていった。

 家に戻るとお母さんが少し嬉しそうに言った。

「ふふ、温泉に入ったんでしょ?今日はもうお風呂はいいわよね」

「うん、おやすみ」

 眠れることに安堵したした僕は、

 もうこのままもうベッドで眠りたいと思った。

 そして、その時の僕は、

 お母さんが僕たちに言えずにいたことにまだ気づかずにいた。

 “瑞雲麒麟(ずいうんきりん)”の守紋符(しゅもんふ)を見せたとき、

 懐かしそうに見ていた。

 後になってお母さんから聞くことになるのだが、

 東湖でお母さんが麒麟に言われたことは二つあった。

 一つは

『もし私が闇に落ちることがあれば、世界は暗黒の時代になるだろう』

 そしてもう一つは

『もし将来、私があなたの子供といるならば、聖王(せいおう)が現れる日も近い』

 という言葉だった。

 その時の僕は、そんなことも知ることもなく

 ただ、この春休み一日目が終わったことにほっとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ