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求古綺譚:Lucky Lore  作者: いろは
失われた守紋:The Lost Guardian【第二章 第一部】
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湯場

 (たまき)(ゆう)は、まず守紋(しゅもん)湯場(ゆば)に行った。

 そこでは、雪輪兎(ゆきわうさぎ)が気持ちよさそうに温泉に浸かっていた。

 すっかり元気になった様子だった。

「あら、なんだか汚れて、疲れた様子ね」

 雪輪兎がいつも調子で話しかけてきた。

 悠は今回の出来事を雪輪兎に話した。

瑞雲麒麟(ずいうん)の守紋符は環が持っているのね」

 雪輪兎は悠に確認するように聞いた。

「うん、そうだよ」

 雪輪兎は何か言いたげそうな顔だった。

「守紋符を入れる金蘭簿(きんらんぼ)も温泉に浸けると元気になりますよ」

 (みお)が話しかけてきた。

 そして、澪が環と悠の金蘭簿を温泉に浸けてくれた。

守紋符(しゅもんふ)を入れる金蘭簿も温泉に浸けると元気になりますよ」

 そういって、澪が環と悠の金蘭簿を温泉に浸けてくれた。

 守紋たちも次々に温泉に入ってくつろいでいた。

「私が見ていますから、お二人も隣の湯場へどうぞ」

 澪に言われるがまま、環と悠も隣の湯場へ行った。

 はじめて入る温泉はとても心地よかった。

 体の芯からほぉっとして、

 悪いものが全部体から出ていく感じがした。

 しばらくすると今度は良いものが体に吸収されていく感じがした。

 心も頭も体も再生されていくようだった。

「僕はいつも君の迷いなく早いところが羨ましいと思うんだ」

 温泉に浸かりながら、環が言った。

「僕は君の思慮深く、賢いところを羨ましく思っているよ」

 お互いの顔を見て笑った。

「僕たちはいつも人として対等だと思う」

 悠が茜色に染まっていく空を見上げながら言った。

「そうだね。上も下もないんだね」

 環も同じ空を仰いだ。

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