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星を数うるが如く  作者: 0mm。
2/2

目覚め

ゆっくりと意識が浮上し瞼越しに朝を感じる。

しかしまだ眠気が強い…アラームも鳴っていないし二度寝くらいはできるだろう。そう思い寝返りを打った時だった。

体の節々が異様に痛いのだ。頬にチクチクとした感触もする。

違和感の数々に疑問を持ち瞼を開けば目に飛び込んできた緑。視界一面に草。

…何?

え、ほんとに何?

思わず立ち上がり見えたのはどこまでも続く草原に快晴の空。

見覚えが無い景色に状況が吞み込めない。

嫌な汗が背中を伝い思わず後退れば


「うわ!」


何かに躓き思いっきり尻餅をついてしまった。なんなんだもう!

あれ、なんで制服着てるんだ?寝る前にパジャマに着替えたはずだけど。ボタンも全てしっかりと付けられている。

足に目を見やれば靴下とローファーもしっかりと身につけられていた。

そして足元にはゲームで見るような棒…おそらく魔法の杖が横たわっていた。さっきはこれに躓いたのか。

凹凸のない持ち手部分に、先端には金色の輪が複雑に重なっていて中心には砂時計のような装飾がある。

草原になぜこんなものが?とても似つかわしくないが。

砂時計の杖…ふと昨日の出来事を思い出す。

そういえば私、時止め無双したいとか願ったっけな…っていうことは転生、転移?どっちかわかんないけどそういう事?

夢みたいな出来事に思わず口角が上がってしまう。

強いモンスターを軽く倒して、現代の進んだ知識を披露したりしてちやほやされちゃうのかな。私の未来明るすぎるね。


とりあえず立ち上がり杖を手に取る、待って重いな!とても片手では持てない。

しかも大きい。私の身長と同じか少し小さいくらい。

なんとか持ち上げかっこよく斜めに構えてみればたちまち腕が悲鳴を上げる。

両手で横に持てばある程度楽だがダンベル上げのようでロマンもクソもない。

まぁ形なんてどうでもいいでしょ。もし本当に願いが叶ったなら時止め出来るはず!

早速杖を強く握り念じてみる。が、それをあざ笑うかのように草がそよぐ音がしばらくしただけだった。

…まぁ魔法の使い方とか知らないし。今は使えないだけなんだろう。


はぁ…ちょっと冷静になってきた。

ここで棒立ちしていてもしょうがない。とりあえず街とか人がいる場所に行きたいな。

改めて辺りをじっくりと見まわす。

辺りは一面草原がそよいでいて草の長さも膝に届かないくらいで遠くまで見える。

前方には遠くに森が見えてその更に奥に白い山が連なっている。

後方は…なんだろう、何も見えない。地平線近くない?多分ちょっと進んだ先に下り坂があるのか、特に山とかは見えない。

森は…できるだけ避けたい。虫嫌いな私にとっては地獄なのが目に見える。消去法で下り坂の方に行ってみよう。

…蛇とか遭遇しないと良いな。


しばらく進んだけど生き物がまぁいない。

こんな自然豊かな草原にバッタ一匹もいないのはおかしくないか?

けど疑問が吹っ飛ぶほどのビックニュース!平地と坂の境目まで来たみたいで下り坂の先が見えてきた。

少し下った先に水たまりとそのさらに先に踏み固められた道のようなものがあった。今まで草とたまに花しかなかったからそれだけでも嬉しい。

そして何より道の先に街っぽいのがある!遠くてあまり見えないけど。

終わりが見えない移動から目的地がハッキリしただけでこんな気分明るくなるものだ。


水たまりのところまで降りてきた。

けれどこれ、よく見たら水じゃない。中に気泡が複数あって粘度が高いのが伺える。

もしかしてスライム?魔法の杖があるならスライムやゴブリンもいるでしょ。

試しに杖でつついてみよ。…ある程度の弾力がある。科学実験キットで作ったスライムみたいな感触。

敵意なさそうだし、スライムなんて一番弱いモンスターでしょ?無双する予定の私なら余裕でしょ。

照準を合わせて思いっきり蹴った。が、弾けるでも吹っ飛ぶでもなく蹴った所が伸びただけだった。

途中

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