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星を数うるが如く  作者: 0mm。
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星に願いを

『本日は待ちに待った流星群の日です。首都圏は晴天で西の空に観測される予定です。では中継の__』


数日前から繰り返されるニュースを横目に部屋を出ようとすればキッチンから母が顔を覗かせた。


「あら、もう行っちゃうの?この後皆一緒に庭で見るけどどう?皿洗いもあと少しで終わるし...」

「いやいい。興味ない。」


話を断ち切るように扉を閉め自室に向かう。

興味がないなんて嘘だ。最初にニュースで流れた日から楽しみで調べていた。

けれど家族と一緒にいるのが嫌で断ってしまった。最近は親のおせっかいがうざい。

そして何より、周りと同じ話題なんてダサい!あえて日常を過ごすのがクール!明日友人にこの事を話すのが楽しみだ。

さてと、クールな私はベットでダラダラとネット小説でもみてみようかな...


一区切り読み終え、スマホをスクロールしていた指を止め天井を見つめ考える。

もし異世界転生でチート能力を貰えたらどんな能力にしよう。

物理的に最強も良いしコピー能力もカッコイイな。でも1番最強でカッコイイのは時止め能力!

自分だけ動けるなんて最強だし、相手からしたらミステリアスでカッコイイ。そんな能力を持って異世界に行けたら__


「あっ。見えた見えた!ほらそこです!」


窓からくぐもった声が聞こえ、そちらに意識が向く。

スマホの時間を見れば流星群の予定時刻だった。

昨日調べた流星群の画像を思い出す。本当にあんなにキレイなのだろうか?もしそうなら見てみたい。

1階に居る家族にバレぬようカーテンの隙間を覗けば、確かに流れ星が輝いていた。画像で見たほどキレイじゃないけど、非日常に心が踊るには十分だ。


「そういえば義父さんは何処に?」

「あぁ…晩ごはん食べたの忘れたみたいで台所にいるよ。作り終わったらこっちに来ると。」

「最近多いですね…あっまた流れた。そうだ願い事!お義母さんは願い事何にするんですか?」

「うーん、やっぱり健康かしらね。でも旅行も行きたいし__」


母と祖母の会話で思い出した。流れ星が流れてる間に3回願い事を唱えるんだった、私もやってみようか。

手を組み目を閉じる。

頼む!!!転生して時止め能力で無双する〜ついでにモテる〜させて下さい!お願いします神様仏様お星様!!

…手が白くなるぐらい祈ったしもういいだろう。ちょっと冷静になって恥ずかしさが押し寄せてきてしまった…

もし本当に異世界転生あるなら行方不明者出まくってるでしょうし。


「はぁ…」


なんだか虚しくなってきた。明日も学校だしもう寝よう。

明日は国語の小テストと、あと部活で__

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