#14-1
今日から新しい学校へ通う
校舎を背景に何度も見たパンフレットを出し、部活動のページを開く
「よし、決めた」
職員室に行き、担任と顔を合わせ教室へ一緒に入ると自己紹介
「今井歩です。よろしくお願いします」
申し訳ない程度の小さな拍手が起きる
「今井くんの席はあの空いてるところね。なにかあったら隣の男子に聞いて」
「分かりました」
ホームルームが終わり、隣の男子に声をかけようとする
「よろし…」
「宇崎!今日遊びに行くわよ」
「おう!あ、えっと…転校生くんも一緒にどう?」
たったひとりの名前も覚えられないって…
それだけ僕に興味がないってことなんだ
「え?誘うの?」
本人の前であからさまに嫌そうな顔をしない
「一応世話係頼まれたし…さ、初っ端から放り出すわけにはいかないだろ」
「言ってることは分かるけど…」
「気にしないで大丈夫。ありがとう。実は荷解きが全然済んでなくて、やらなくちゃいけないんだ。だからすぐに帰るよ、大丈夫」
「そうか…。なんかあったら言ってくれよ?」
「うん、ありがとう」
その後気を遣って話しかけてくれる子と少し仲良くはなったけど、遊びに行ったりはせず友達とは言えない仲だった
以前いた学校に比べれば上手くやっていたと言えるけれど、青春をしているとは言い難かった
TRUE END 1




