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青春代行課-今井歩の部活動青春  作者: ゆうま
バスケ部編
71/75

#13-5

「夜はまだ肌寒いなぁ…」


こんな時間に卵なんて…

作ってもらう手前なにも言えはしないけど、明日のお弁当に入れる玉子焼きの分がないなら入れなければ良いのに

そう心の中でぼやくことくらいは許してほしい


「あれは…こんな時間にカフェで勉強して頑張っているのに補習常連なんだ」


こんな時間だし、誰も見ていない

声をかけてみよう




「倉科さん、もう外暗いよ?」


「知ってる。今度こそ赤点回避したいから」


「誰かに教えてもらったりしないの?」


「みんな成績優秀だと思ってるのに、誰に」


僕に驚きもせず、教科書に向かって渋い顔をしたままつっけんどんに言葉が紡がれる


「澤田さん?」


「あの子も人のこと言えないくらいだよ」


「そうなんだ。でも今は僕がいる」


誤解を解かない理由がなんにしろ、僕にも出来ることはある


「勉強した範囲が違うんじゃない?転校生」


「僕の成績を忘れたの?」


「………「変わらない」なんて言ってしまったけど、本当のところどうなのかアタシは知らない」


「倉科さんから僕がどう見えていたのかは分からないけれど、そこは変わらないって証明しよう」


正直に言えば、成績は少々落ちている

でもあの簡単なテストで15点以下が取れてしまう人だ、問題ないだろう


「…ねぇ、高校で初めて会ったときも言ったよね。なにも思ってない相手だったらあそこまで避けるかなって」


聞いた

けれど、それがどうしたと言うのだろう


「分かんないか…。でもそれが今井くんだよね」


「思いっきり悪口だよね」


「そうだよ。愛のムチってやつ」


すぐには分からなかった意味を段々と理解して、顔が熱くなるのを感じる


「顔…赤いね。それはアタシのこと好きってことで良いのかな」


「違うよ。違う」


「必要もないのに二回言うときは自分に言い聞かせてるときだって、アタシは思うけど」


そうだ、言い聞かせている

だって――


「これを恋と呼ぶのなら、二度と恋なんてしたくないから。だから違うんだ」


「先のことなんてなにも分かんないよ。もしかしたら終わらないかもしれない。終わっても、もう一度恋をしようと思うかもしれない。少なくともね、そうやって逃げてる間は恋なんて出来ない」


「倉科さんは、だから僕と付き合おうとしているの?」


「違うよ。アタシはこれが恋だと思う。思ってる」


…やっぱり、倉科さんも過去に囚われているんだ

ずっと引き留めているのは倉科さんの記憶にいる僕

昔の僕の言動

それは僕も同じ


「分かった。これが偽物になるとしても、それは本物を見つけられた証だと思う」


「うん」

L HAPPY END 2


新たなルートが解放されました。解放条件、1周目の読了

(ゝc・)9 ガンバッッ★

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