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#2-2
「なんで図書委員になんてなったの」
まるでなってほしくなかったみたいな言い方
「本が好きだからだよ。そう言う赤城さんはどうして?」
「同じ」
視線をそのままに呆然としていると、軽く睨まれた
「……なに」
「あ、ごめん。派手めのグループにいるのに意外だなって思って」
「グループ?」
心底不思議そうな顔をされても困る
「田野さんと黄朽葉さんと3人で仲が良いでしょ?当人は気付かないものかもしれないけど、クラスで力の強いグループだと思うよ」
「今井くんもそういうこと言うんだ」
「え?どういう意味?」
「私はいつもひとり」
どういう意味だろう?
そんな様子はなかったけど、喧嘩でもしたのかな
「いつだって私は、私としてのみ存在している」
「――そう。良いね」
引き籠りだって誰かを通して社会と通じている
社会と通じている限り、己だけで立っているなんて有り得ない
「2人が可哀想とか言わないんだ」
「決して「そう」は思わないのに、「そう」思い込ませていることの方が可哀想だよ」
「同感」