#2-1
「そのシャーペン『夢物語シリーズ』か」
「そうだよ。宇崎くんも好きなの?」
「ああ。どの話しが好きだ?俺はな――」
「今井くん、悪いけど少し良いかな」
宇崎くんに小さくごめんねポーズをすると軽く手を振られる
「クラスの役割として委員会をやってほしいの。図書委員と美化委員のどちらかをお願いしたいんだけど、どっちが良い?」
「じゃあ図書委員で」
「分かったわ。女子の委員は赤城さんだから宜しくね」
「はい」
赤城さんの方を見ると丁度ひとりだった
宇崎くんには悪いけど、もう少し待っていてもらおう
「赤城さん」
「なに?」
「図書委員になったんだ。それだけ」
なんでため息疲れたの?!
「先生もいい加減だなぁ。今日委員会があることくらい教えておいてよ」
なんだ…良かった
「そうなんだ。じゃあ声をかけて良かった」
「本当だよ。部屋分からないだろうから、一緒に行こうか」
「助かるよ、ありがとう」
「別に」
「じゃあ放課後、よろしくね」
小さく頷いた赤城さんを背に、席へ戻る
「なんだったんだ?」
「委員会を決めろって。図書委員になったから赤城さんに声をかけたんだ」
「狙ってんのか?」
な、なんでいきなりそんな話しに…?!
「ち、違うよ。すぐそういう話しにする!」
「ほーん。ま、協力がほしくなったら言えよ」
「だからっ」