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青春代行課-今井歩の部活動青春  作者: ゆうま
軽音部編
42/75

#7-4

「第三回今井くん争奪戦、画力対決ー。どんどんパフパフ」


「今回は美術の時間に描いた風景画です!わたし、自信ありますよ~!」


目の前に2枚の絵が出される


1枚はほんの少し揺れている、誰も乗っていないブランコがメイン

奥に公園の出入口があって、子供が数人描かれている


もう1枚は公園の出入口をメインに、空を多く描いている

こちらに子供は描かれていない


描いているのは同じ公園だろう


「このブランコの方かな」


「どうしてですか?」


「少しブランコが揺れていて、子供が出入口にいる。誰かがそれを見ているってことは、帰らない子がいるんだよね。僕もそういう子だったから、親近感…かな」


「なんで友達と一緒に帰らないんですか?」


心底不思議そうな顔で聞かれる


「それぞれ事情があるからね、僕には分からないよ」


「先輩はなんでなんですか?」


こうして他よりも熱心に聞くのには、理由があるだろう

昔のことだし、他人だ

正直に言ってみても良いかもしれない

心配させないように、なんて言って、子供ながらに見栄を張っていただけなんだから


「そもそも一緒に遊んでないんだ。ひとりで公園に行って、遊んでいる風景を見ながらひとりで適当に時間を潰して、いかにも自分がそこに参加していたかのように母親に話すんだよ」


「あの子も…そうだったんですかね」


「どうだろうね」


「そうだよ。だから私の絵には人がいる。だから柿谷さんの「出入口に視線が向いた絵」には誰もいない。柿谷さんの前には誰もいなかったから」


なんとなく、そういう幼少期だっていう雰囲気がないわけではなかった

でも本当にそうだったんだ


「あっそ、これで勝った気になんてならないでよ。これはただの1勝だから」


「そうだね」


桃矢さんの笑顔はとても歪んでいた

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