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運に寵愛された転換転生者【完結済】  作者: 大沢慎
第1章 人間国編
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第8話 一人暮らしと自主訓練


 大跳竜を討伐した日から、昼はギルドの依頼とレベル上げ、夕方はダンとの剣の稽古という日々が続いた。

 その間にもソーマは異世界の生活に慣れるよう様々なことを学んできた。


 例えば大跳竜の討伐報酬。

 あれは胴や背と言った大きな面の皮が損傷していないという理由でギルドが比較的高く買い取ってくれ、小金貨3枚と大銀貨3枚という報酬になっていた。


 この世界では大小の銅・銀・金の金貨があり、小銅貨10枚で大銅貨1枚、大銅貨10枚で小銀貨1枚といった具合だ。

 街の販売物やサービスなどを見ると概ね日本円で換算するなら小銅貨1枚が1円程度なので、大跳竜討伐の報酬は約3万3千円程度と言った所だろう。


 危険度に比べて割安に感じたソーマだが、一日二頭を狩れば10日で60万円を稼げると考えれば、安全に倒せる3人パーティなら十分な稼ぎである。


 ただ、どうやらこの街では大跳竜を狩れるPTは多くないらしい。

 ソーマも一先ずの目標は大跳竜を一人で狩れるようになることと定めた。



 そんな調子で3か月ほど経ったある日、ソーマは夕食時に二人に話を切り出した。


「突然なんですが、そろそろ宿に移りたいと思っています」


 ダンとエルは突然の話に目を見合わせた。二人はよく目を見合わせるな、とソーマは思う。


「そりゃあ……当初はそういう予定だったがよ、そんな焦らんでも良いんじゃないか? 金だってそこまで余裕ないだろうしよ」

「最近安くて良い宿を見つけたって言うのもあるんですが、装備もそれなりのものが揃ってきましたしレベルを一緒に上げてもらえたおかげで稼ぎもそこそこ安定してきましたし……それに、その、お二人の夜のアレとかもあるじゃないですか……」


 その言葉を聞いてエルは顔を真っ赤にし、ダンは居心地を悪そうに視線を泳がせた。

 微妙に気まずい間が開いてしまい焦ったソーマは話を戻す。


「そ、そういうことで、いずれは出ていかなきゃいけないことですし、そろそろ宿に移ろうと思います!」

「ま、まぁ、そうだな、でも出ていくってなるとちょっと寂しくなるな」

「良いじゃない、寝る場所が変わるだけだし、いつまでもソーマくんにソファーで寝てもらうわけにもいかないでしょ。それにパーティを解散するわけでもないし、夕食だってうちで食べれば良いんだから」


 エルのその言葉を、ソーマは嬉しく感じた。


「お二人が良ければ、稽古もまだまだつけてもらいたいですし、エルさんの料理も大好きなので、そうさせてください」


 そしてソーマのその言葉に、二人もまた嬉しそうだった。



 明くる日の夕方、いつもは稽古に当てている時間にソーマはほとんど無いに等しい荷物をまとめて宿へ向かった。


 宿とは言ったが、そこは日本で言うと格安のユースホステルのような場所だった。

 どうやら引退した冒険者がお金の無い低ランク冒険者や駆け出し冒険者が寝泊まり出来るようにと始めたようで、今のソーマには願ったり叶ったりの場所である。


 ソーマは着くなり一か月分の賃料の小金貨2枚を払い、鍵を受け取った。


(よし、これで気兼ねなく夜の時間を使えるぞ)


 ダンとエルにはああ言ったものの、ソーマには別の目的があった。


 いや、たしかに夜な夜な微かに聞こえてくる、アレの音やエルの声は年頃の身体のソーマを色々と掻き立てたし、ソレに気付いてからエルを見ると、本能的な欲求が湧いてアレが反応するなんてことが度々あったので困っていなくもなかったのだが。

 それに加えて異世界では紙がかなり高価でティッシュというものが存在しないのであった。


(エルさんって美人だしスタイル良いしなぁ……って違う違う。ようやく今日から魔法の練習だろ)


 ソーマは気を取り直してステータスプレートを見直した。


――――――――――

名前:ソーマ

年齢:15

職業:魔法剣士

レベル:29

ランク:Fランク


――――――――――


(うーん、大跳竜を倒してからちょっとレベルが上がりにくくなってきたな。跳竜だけだとそろそろキツイか。あとギルドの依頼をこなしてるおかげでランクの欄が埋まったな)


――――――――――

・ステータス

HP 235

MP 238

ちから 230

すばやさ 195

ぼうぎょ 238

ちりょく 232

こううん 2634

こうげきりょく 310(鋼の剣+80)

ぼうぎょりょく 323(跳竜の革鎧+50、木のバックラー+30、革の靴+5)


・属性

[火][水][風][地]


・魔法

低位魔法一覧

→火球(2) 水球(12) 突風(10) 礫弾(1)


中位魔法一覧

→ヒール(5)


――――――――――


(相変わらずこううんだけはわけの分からない値になってるな……。どういうところで役に立ってるかは分からないけど。で、水球は依頼中の飲み水や生活用水に使ってたから上がっているし、依頼を終えて街に帰る前にMPが余ってる時は突風で使い切ってるから突風も上がっている。ヒールもたまに使ってるから上がってるけど、にしてもMP余してる日が多いのは勿体ないよな……)


――――――――――

・スキル

S:限界突破、才能開花、大精霊の恩寵

A:

B:

C:挑戦

D:剣術(23)


――――――――――


(剣術は稽古で上がってる。威力もそうだし身のこなしもだいぶ変わってきたから、これはこの調子で上げていけるな)


「さて……早速行きますか」


 ソーマは最近調達したこの街で一般的に売られている装備の中では高級な部類に位置する鋼の片手剣と、跳竜の革を使った軽鎧を身に着けて夜の街へと出た。



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