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運に寵愛された転換転生者【完結済】  作者: 大沢慎
第3章 ドワーフ国編
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第70話 素材集めの旅


「じゃあ材料を手に入れたら届けに来い。俺もおまえらの装備作る為に残ってる仕事を終わらせておくからよ」


 防具の案が固まったローガンは必要な素材のメモをくれた。メモには何種類もの魔物や動物の素材が書かれている。


「分かった。ローガンさん、ありがとう」

「まあなんだ、お前らのやろうとしてることを考えりゃ、この世界でそれに見合う防具を作れるのは俺しかいねえってくらいの自信はあるからよ」


 そう言い終えるとローガンは照れ隠しなのか、さっさと行けと言うので三人は笑顔で宿に戻った。



 翌日から素材集めが始まった。

 まずは火山ウサギがあと二頭必要とのことで、初日は火山ウサギの捕獲をしてローガンの元へ届けた。

 他の素材は火竜王(かりゅうおう)赤皮(せきひ)と魔石、大海竜の碧皮(へきひ)幻彩鳥(げんさいちょう)アクロールの大羽根と魔石、ギガントタートルの鬼甲羅(おにごうら)だ。


「……あのおっさん、ここぞとばかりに稀少な素材を集めさせる気だな」

「うむ……たしかに最強の防具を作るには腕も必要じゃが、素材も良くなければならぬのは当然の話だからのぅ」

「俺はよく分からないんだけど、そんなに稀少なのか?」


 パッと見でも強そうな魔物の素材のような気もするが、それがどれくらい稀少なのかはソーマには分からなかった。


「いや、あたしも分からんけど大海竜は知ってるぜ、出会っちまったら最後、逃げれたらラッキーってくらいの海の天災って言われてる竜だ」

「わたくしも全ては分からぬがギガントタートルは獣人国でも有名じゃの。ただ、たしかに希少ではあるが手に入らんというわけではないはずだったのぅ」


 ソーマはそこまで聞いて頭を抱えた。

 少なくとも海と獣人国には行かなければならないと思われる。ちょっと近所の強い魔物を倒して持って帰ってくる程度に考えていたソーマは、これは腰を据えて(のぞ)まねばと気持ちを入れ替えるのであった。


 その後、マグラードの王立図書館にて素材に指定された魔物の生息域や特徴などを調べたソーマと丸眼鏡は詳細をムフフの本に書き写し、集める順番を決めていった。

 やはりどの魔物も非常に稀少かつ強力な魔物の素材が指定されている。

 それはむしろ当然であった。稀少ではない魔物の素材は市場でも手に入るので、わざわざソーマ達に頼む必要はない。

ソーマ達に頼むということは、一般的に流通しない素材なのだ。


 火竜王は元火山帯近辺に住まう火竜の中でも特に長生きで、魔力を強く帯びている特殊な個体とある。

 非常に稀な個体な上に、火竜と違って生息域がよく分かっておらず、出会うことも稀とのことだ。

 しかし出会ったパーティがBランク以上であれば挑んでみる価値があるとのことで、強さとしてはさほどではないらしい。


 マキナが言っていた大海竜はやはり海の天災と呼ばれる非常に凶悪で厄介な敵とあり、基本的に狩猟はされてないとのことだ。出会ってしまえば大半の者は生きて帰れないので、生息域なども良く分かっていないと記されている。


 幻彩鳥アクロールはエルフ国の世界樹近辺に生息する魔物だが、その真の姿は狩猟した後にしか見れないというほど保護色変化が多彩かつ精巧で、探知魔法が無ければ肉眼で見てもまず気付かないと書かれていた。

 狩猟されることはほとんどなく、十数年に一度狩猟されても大半はエルフ国に奉納されるらしく、市場に出回ることは無い希少な素材とのこと。

 ソーマ達には探知に優れた丸眼鏡がいるので、苦労しないのではないかと思われる。


 ギガントタートルは獣人国南の砂漠地帯にある洞窟に住まう魔物で、その堅牢かつ美しい甲羅から獣人国の祭りの際には毎年奉納され、国の守護の象徴として飾られているらしい。

 数年前までは一般にもごく少数であるが流通していたのだが、ここ数年は流通がピタリと途絶えているそうだ。


「……レア素材ばっかりだね」

「うむ……しかしこれらの素材を使ってローガン殿が作る防具となると、楽しみでもあるのぅ」

「たしかにそうだね。まあ気長に世界を回りながら集めますか」


 ソーマ達は一通り調べ終えるとまず近場から、元火山帯近辺に住まうとされている火竜王に目を付けた。

 この世界は未開の土地の方が圧倒的に面積が広く、自然の中のごく一部に都市や街を形成していると言っても過言ではない。

 火竜王も山の奥深くに棲まうとされており、基本的に人間の生息域まで降りてこないことから、見付けて倒すとなればかなりの山奥に行かなければならないことになる。


 ソーマ達は食料などの買い出しに出掛け、火竜王狩猟の遠征準備を整え、マグラードを旅立った。



 首都マグラードから西の旧火山帯に入り、さらに進むこと10時間。

 おおよそ首都から500kmほど離れた地点にソーマ達のキャンプはあった。キャンプと言っても例の土魔法で作ったかまくら式住居である。

 今回から寝袋を人数分購入し、丸眼鏡のムフフの袋に入れてある。ソーマはかまくら式住居の中にシャワー室、ベッドまで土魔法で作り、そのベッドの上に寝袋を敷いて寝ることにした。

 トイレは女性二人の希望から住居の外に作っている。

 シャワーはソーマ一人とマキナと丸眼鏡の二人が入ることで、各々水魔法を使って浴びている。小さめの枕も人数分用意しており、野営時にも快眠と清潔感、爽快感をお届け出来る仕様となっていた。


 一日目はとにかく遠くまで行ってみようということで、この場でのキャンプである。

 このまま西に800kmほど行くと、ミスタリレ王国の領土の平野に出るはずだ。

 旧火山はすでに活動をやめているため、黒い岩山が続いている。少し外れると森林豊かな山々が続く為、食料であるウサギや鹿などの狩猟には困らなかった。


 現在は満点の星空の下、焚き火をしながらナッツなどを摘んで各々好きな酒を飲んでいた。

 最近丸眼鏡のムフフの袋に頼りっぱなしではあるが、ソーマが気遣ってそのことを聞いてみると、生死に関わらず魔物や動物を入れるのは好ましくないが、旅が快適になるようなものなら別にどれほど増えても構わないとのことだった。

 マキナは葡萄酒を瓶のまま煽りながら口を開く


「そういや……ミスリルってどこで採れるんだ?」

「ミスリルはドワーフの鉱山が主じゃの。多くの国は輸入しておるが、20年前くらいから獣人国、人間の国でも少量採掘されておるらしいの」

「へーじゃあアダマンタイトって採れるのか?」

「うむ、ミスリルの鉱山でごく稀に少量採れるらしいのぅ。5年前に獣人国の鉱山でも少量採掘されて、その時は王の短剣として加工されて奉納されておった」


 マキナは、ここで掘ったりしても出ねぇのかな、と目の前にかざしたかんざしをクルクルと回しながら眺めている。


「まあ試してみてもいいかもしれんのぅ。幸いわたくしは鉱物も鑑定出来るから、ソーマ殿が魔法で掘ってみれば出るかもしれんしの」


 ソーマは酔った頭で二人の会話を聞きながら、なんとなく掘り当てられそうだなと謎の自信に満ちていた。

 見上げた空に流れ星が一つ、尾を引いて落ちて行く。そんな光景を眺めてソーマは、この空に煌めく星のどこかに地球があるのだろうか、とぼんやり考えていた。



いつもお読み頂きありがとうございます。

僕が好きななろう小説は、異世界転生・毎日更新・完結する・クオリティが落ちない・読みやすく素ストーリーが楽しい。などなど。

そんな僕が好きななろう小説を、書きたいなと思っています。

楽しんで頂けていたら、嬉しいです。


※誤字報告ありがとうございます!炭鉱って呼んで字の如く石炭の鉱山でしたね、勉強になりました(^^)

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