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運に寵愛された転換転生者【完結済】  作者: 大沢慎
第2章 元魔族大陸編
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第52話 ソーマ、レアアイテムを引く


 11~14階層も変わらずに魔物の大群であった。


 ただ、洞窟形態から骸骨剣士の間のようなホールに変わっており、魔物はより広く散開出来ることになり、より広範囲への殲滅が必要となった。

 先のトレースの件があるので、攻撃魔法は三人が使える風属性と初めからかなり使っている地属性に限定している。

 さらなる変化としては。魔物の一部が低位魔法を使い始めた。


 おそらく三人がずっと魔法を使って殲滅しているからだろうが、今後階層を重ねるにあたってこの数の魔物が一斉に範囲魔法などを使い始めたらと考えると、三人の表情は硬くなっていった。


 現在は14階層の転移地点におり、ソーマが宝箱を開ける番である。

 少し雲行きが怪しくなりつつあるダンジョン攻略を考えると、ここらで有用なレアアイテムが欲しいソーマは渾身の祈りを込めて宝箱に手を掛けた。


『女神様、どうかこのダンジョン攻略に有効なレアアイテムをお授け下さい!!』


 意を決して宝箱を開けたそこには……小さな白い絹の袋が入っていた。


「お、これは世界樹の粉塵と同じ匂いがするぞ……」

「良いから中身見てみようぜ!」


 ソーマが絹の袋を手に取り開けると、そこには赤、緑、茶色の小さな丸い宝石のようなものが入っていた。

 ただの宝石なわけがないと直感したソーマはそれを丸眼鏡に渡し、鑑定してもらう。

 丸眼鏡はその宝石を受け取ると、淡いアメジストの瞳を揺らめかせて鑑定を始めた。


「……ううむ、信じられん。こんなものが出るとはのぅ……」


 丸眼鏡の丸眼鏡の先の瞳はその光を灯し、大きく揺らめかせながらも神妙な面持ちとなっていく。

 その横でマキナは途轍(とてつ)もなくつまらなそうな顔だ。


「結構凄いのか?」

「結構なんてもんじゃないのう、途轍も無い魔力に非常に強い精霊の加護を宿しておる。該当する属性魔法のダメージ及び効果が50%ほど上昇するようじゃ。鑑定術士という職業柄、世界のレアアイテム名鑑のような書籍は何冊も読んできたのじゃが、これほどまでのものは見たことがないのう……あえて名付けるなら“大精霊の宝玉”といったとこかの」


 ソーマは改めてその宝玉を手に取り、見つめた。

 その姿は何か考え込んでいるようでもあった。


「……おそらくこのタイミングでこの三種が出たのには理由があると思う。もう一度この宝玉と丸眼鏡の杖の性能も考慮して、一度戦略を立て直そう」

「うむ、では食事も兼ねてティータイムにでもするかのう。ソーマ殿、お湯を頼まれてくれるかの」


 その言葉を合図にソーマは土魔法で簡単なテーブルと椅子、それにかまどとティーポットのようなものを作り、熱い水球をティーポットに入れて丸眼鏡に渡した。

 丸眼鏡はムフフの袋からティーセットにお茶の葉とクッキー、果物の類を取り出すと器用にミスリルのナイフで果物を切り分け、皿に盛り付けた。


「ほれ、マキナ殿も席に着きなされ、今お茶を淹れますゆえ」


 丸眼鏡が誘うも、マキナはその場で膨れっ面をして地面に胡座(あぐら)をかいている。


「おいおいそういじけるなよ。三つ出たってことは三人に当たったってことだろ。今それを誰にどの属性を持ったら良いのか考えてるんだから」

「……うるせえよ! あたしは自分が宝箱を開けた時にレアアイテムが欲しいんだよ! それがおまえらに必要なら譲っても良いんだ!!」


 今回ばかりは相当本気で機嫌を損ねたのか、声のトーンもいささか落ち込んでいた。

 ソーマはめんどくさいなと思いつつも、それが生き甲斐と言っていたマキナの気持ちも分からなくないので、次マキナが開ける時は皆で真剣に祈るからなどとフォローを入れることにした。


 三人は果物とクッキー、それにリラックス効果のあるお茶をゆっくりと堪能しながらMPの回復を待っていた。

 マキナもようやく落ち着いたのか機嫌を戻している。

 ソーマはあれこれと色々な方向性を模索しているのか、ずっと難しい顔をしながら手の上の宝玉を見つめていた。


「そう言えば丸眼鏡、ダンジョン潜ってから水魔法って全然使ってないよな?」

「そうじゃの、わたくしの戦闘で防御に少し水球を放った程度なはずじゃ」


 ふむ、とソーマは頷き、また考え込んでいる。

 そして意を決したとばかりに宝玉をテーブルの上に置いて、二人を見る。


「……よし、大体イメージは出来た。まず赤の火属性、これはマキナに渡す。三人のうち最も火力がある魔法がマキナの火属性高位魔法な上に、敵はほとんど水魔法を使えないはずだから、今後も極力水魔法は使わずにマキナの灼熱天柱(しゃくねつてんちゅう)を切り札にする」


 そう言うとソーマはマキナに赤い大精霊の宝玉を渡した。


「丸眼鏡は茶色の地属性を持ってもらう。いざという時の防御、それに敵の動きを封じる為に主に地壁、砂塵凝固壁(さじんぎょうこへき)を想定してこれを渡すよ」


 ソーマは丸眼鏡に茶色の大精霊の宝玉を渡す。


「俺は風属性を持つ。マキナの火属性魔法を風属性で援護も出来るし、唯一の剣士スキル持ちだから疾風を底上げして速さを武器に相手の懐に潜り込んで接近戦に持ち込める。俺の考えた最適解はこんな感じだけど、何か意見や他に良い案とかあるかな?」


 改めて二人と向き合うと、マキナも丸眼鏡も口を開けて唖然としている。


「え、どうしたの」

「い、いや、すげー理に適ってる感じするし、なんかおまえたまにすげー頭良いよな」

「うむ、隙のない構成じゃの、女神様もそれを見越してソーマ殿に授けたのかのう」


 珍しく褒めちぎられて居心地の悪くなったソーマは「褒めても何も出ないし、今の調子で最下層まで行けたと仮定してだからな」と言うも、照れ隠しがバレたのかその後こっぴどくマキナに褒めちぎり攻めにあうのであった。


「と、とりあえずMP回復したんなら次の層行こう! な!」

「へいへい、次は天才軍師様の戦いをせいぜい拝ませてもらおうぜ、なあ丸眼鏡!」

「う、うむう……わたくしはモブキャラゆえあまり巻き込まないで欲しいのぅ」


 こうしてまだまだ余裕のある(?)三人はちょうど半分と思われる第15層へと転移した。



いつもお読み頂きありがとうございます!

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しばらくの間、12時と19時の二話更新でお送り致します(^^)

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