第46話 丸眼鏡のステータスと戦術の確認
突如浮遊感に襲われた三人は次の瞬間、10メートル四方程度の石壁の部屋に転移していた。
薄気味悪いほど静まり返り、魔力を帯びた鉱石の類なのか部屋全体が微かに瘴気のような紫色を帯びている。
見えないという程でもないが、気味が悪いのでソーマは灯篭を放って再度辺りを見回した。
「無事ダンジョンに入れたようだね」
「辛気臭ぇ場所だな……でもなんだ? ちょっと力が湧いてくるような感覚があるな」
「……のぉぉおおお!! 二人っきりのラブリーダンジョン攻略大作戦にモブのわたくしが参加してしまうとは……なんたる不覚……っ! ハッッ! しかしこれはお、お二人のひみっんぬふっ! 秘密に迫るまたとない――」
転移するなり一人妄想の世界へと転移している丸眼鏡を、二人は蔑んだ目付きで眺めていた。
ソーマが部屋の壁を調べると、一部に紋様が彫り込まれた場所を見つける。世界樹のダンジョンの入口には木のような紋様であったが、こちらは焔を纏ったような円の外輪から中心に向かって螺旋状に渦が巻いており、おそらく闇をモチーフにしていると思われた。
「多分ここが入口だな。で、入る前に一応丸眼鏡さんのステータスや出来ること確認しておきたいんだけど」
「い、いけませぬぅソーマ殿……わたくしのようなモブは後ろでひっそり自分で自分の身を守るゆえ……」
丸眼鏡は本当に二人の“ラブリーダンジョン攻略大作戦(?)”とやらを邪魔したくないのか、ダンジョン攻略に消極的な様子である。
「いや……一応どんな敵来るか分からないし戦力は多いほど良いからね、あと万が一死なれてもイヤだし」
「あたしは別に構わねぇぜ」
「のぉぉおおお!! マキナ殿っ!! さすがにモブと言えど死んでも構わぬと言うのは……ハッ!! まさかマキナ殿はソーマ殿とふ、二人きりをご所望で……んぬふぅぅうう!!」
ソーマは、この二人が揃うとぜんっぜん話が進まないなと早くも疲れた顔を見せながら、丸眼鏡のステータスを聞き出した
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名前:ココネ=ファウエル=グラベル
年齢:27
職業:鑑定術師
レベル:59
ランク:C
→
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「おおっ、やっぱ丸眼鏡レベル高ぇんだな! あたし達よりかなり上だぜ」
「いやそんなことより……丸眼鏡さんそんなに歳いってるのか……名前も初めて聞いたし」
「のぉぉおお! アンリ殿から何度か聞いておるじゃろ!! それに誰がいき遅れ女子じゃぁああ!!!」
丸眼鏡が一人ツッコミをして盛り上がる中、ソーマが名前に違和感を持つ。
「あれ、ちなみにココネが名前でその後のは姓?」
「うむ、わたくしは獣人とドワーフのハーフじゃからな。ファウエルが獣人の父方の姓で、グラベルがドワーフの鑑定術士家系で多い母方の姓じゃ」
(なるほど、姓を聞けば種族とか職種がある程度分かるようになってるのか)
「ああ、ドワーフが入ってるから背が小さいのか」
「誰がロリババアなのじゃ!!」
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・ステータス
HP 330
MP 610
ちから 252
すばやさ 379
ぼうぎょ 325
ちりょく 503
こううん 365
こうげきりょく 452(ミスリルの杖+500)
ぼうぎょりょく 656(フォレストワームの絹ローブ+300、レッドベアーの革ブーツ+45)
・属性
[水][風][地]
・魔法
低位魔法一覧
水 水球(59)霧探知(65)水中探知(58)水壁(38)
風 突風(65)風探知(66)疾風(65)風刃(54)風壁(44)
地 礫弾(52)地振動探知(69)地壁(55)
中位魔法一覧
攻撃 豪滝(26)鋭礫嵐(21)穿通礫錐(26)砂塵凝固壁(21)
回復 ヒール(76)ミドルヒール(55)キュアポイズン(15)キュアパラライズ(12)
補助 魔力探知(44)対物理障壁(38)対魔法障壁(36)結界解除(16)
ユニーク ムフフの耳(99)ムフフの眼(99)ムフフエフェクト(89)
高位魔法一覧
ユニーク ムフフの袋(21)ムフフの本(58)
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「……いや、補助としてめちゃくちゃ優秀なのは分かるんだけど……なんなのこのユニーク魔法」
「そ、そればかりは言えぬのじゃ……」
本当にこればかりは勘弁してくれと言わんばかりの恐怖に満ちた険しい顔に、ソーマはそれ以上突っ込めなかった。
(絶対個人的な欲望を満たす為の魔法だろこれ……っていうかユニーク魔法って自分で名前付けれるんだな。あと習熟度が全体的にめちゃくちゃ高いな。ムフフの耳と眼が99で止まってるってことは99で上限なのかな?)
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・スキル
S:全知の神眼
A:大精霊の加護
B:練魔術士
C:魔術師
D:杖術
※スキル説明
・全知の神眼…対象のステータスプレート内に記されている全てを見ることが出来る。アイテムや武具の鑑定が出来る。
・大精霊の加護…ステータスの上がり幅や魔法・スキルの効果に上昇補正。魔法やスキルによる消費MPを抑える。MPの自動回復が早い。全属性攻撃耐性・状態異常耐性。(全効果小)
・練魔術士…ユニーク魔法を新たに創造する力を持つ。新たな魔法を取得しやすくなる。
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「おっ! やっぱ丸眼鏡の眼もSランクか! あたしの魔眼もSだぜ! どんなスキルなんだ?」
「うむ……鑑定術系の眼じゃの、鑑定術とは魔法じゃなくスキルで、わたくしの持ってる鑑定術は属性の他にステータス、スキル、習熟度等、ステータスプレートに書いてあることは全部見えるのじゃ」
「お、てことは俺たちの“世界樹の救い手”も見れるのか?」
マキナは言って良いのか? と怪訝な表情で聞いてきたが、どのみち魔神ダンジョンを攻略すれば魔神関連のスキルが手に入る上に、世界樹の加護は見えてるだろうから問題ないとソーマは言う。
「むむっ、そのスキルは見えぬのう。SSランクスキルなんて初耳じゃからのう……しかし、やはりお二人が世界樹の復活をさせていたとは」
「いずれ全ての聖地を復活させるつもりだよ、まあ全部聞いてたと思うけど」
ソーマの刺すような視線と言葉に、丸眼鏡はぐぬぬ……と俯いている。
(それにしても大精霊の恩寵の下位互換のスキルがあるとはな。あと練魔術士っていうのでユニーク魔法を作ったのかもな。主に自分の欲望のために。)
「あ、あとさっき言ってたけど鑑定術士のスキルでさ、アクアマリンとライムグリーンの眼ってどのランクのスキルか分かる?」
「うむぅ見てみないとはっきり言えんのじゃが……青系はAランク、緑系はBランクが多いかの。Aだと属性とステータスの他にAランクまでのスキルが見れるの。Bは属性とステータスしか見れぬ」
(なるほどね、じゃあリルムに来たロンってヤツがAランクで王宮の初日に来た女がBランクか。王国側には俺がSランクスキル持ちだとはバレていないみたいだな)
ソーマは丸眼鏡がソーマとマキナのステータスプレートに関して熟知してることを踏まえ、そのまま戦術確認を行った。
前衛がソーマ、真ん中に丸眼鏡を挟んで探知や補助をしてもらい、後衛にマキナを置く。
「よし、じゃあ行ってみるか!」
「おう!」
「うむ」
こうして三人はレリーフに手を触れ、魔神のダンジョン攻略に乗り出した。
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