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1章 鹿と馬 2

「動武・・・なのか?」


「そりゃそうだ。今までに浮いている馬を見たことがあるのか?」


「いや、ないけども・・・。」


馬型の動武は今まで見たことが無かった。他県にはいたのかもしれないが、かなりの動武を見てきたものの、馬は初見だ。


「ん!?お主・・・適正があるやもしれん。いけそうな気がビンビンする。」


「え!?まじ!?」


「まじだ。試してみるか?」


「お、おうおう。ぜひ頼む。」


「名は?」


辰野(たつの) 鹿(しか)っす。」


「よし、辰よ。手を前に出せ。」


「わかった。」


馬からオーラのようなものが、浮かぶ。


馬柳(ばる)と辰野 鹿、契約する。」


馬と手を合わせ、馬が言うと、周りに風が吹き、馬が俺の左手首に吸い込まれるようにして、リングになる。成功だ!


「成功だな。」


リングから声が発せられ、俺と契約が成功し、適正者となったことを知らせる。

ついに!適正者になれた!俺は喜びを抑えられなかった!


「うっしゃあああああ!」


「おーよいよい。辰、これから頼む。」


「こっちこそよろしくな!馬柳!さっそくだが、家に帰って家族に紹介して、それで適正者協会に登録して、それでそれで・・・。」


「よい、とりあえず鹿の家に向かおう。」


「うん!」


ステータスも確認しないで、俺は家に帰った。



・・・

・・


「ただいま!適正者になったぞ!」


リビングには弟と母がおり、ぽかんとこっちを見ていた。


「兄貴、働きたくないからってそういうのはよくないよ。」


「・・・アルバイトからでいいからそろそろ働きましょう。夢を見るのもいいけど、アルバイトしながらでいいから、ね。」


「これを見ろい!」


俺は左手のリングを見せた!


「・・・え?まじ?」


「ただの腕輪かしら?」


「ちがわーい!」


そんなやりとりをしていると、馬柳が腕輪からミニ馬状態になる。


「動武の馬柳と言う。ご家族様、よろしく頼みます。」


「まじかよ!兄貴適正あったのか!?」


「すごいじゃない!これで家計がとてつもなく楽になるわね!」


「だから言っただろう!」


「でも、馬って・・・馬と鹿・・・ぷっ。」


「ちょ・・・やめなさいよ龍・・・ぷっ。」


「・・・おい、ふざけてんのか?鹿って名前を付けたのはあんただろうが?」


「いや・・・お父さんだから・・・。」


「・・・。」


ツボに入っている家族は放っておいて、俺はまず、自室へもどることにした。


「馬柳、悪いな、家族が。」


「鹿よ、私は良い名だと思うぞ。」


「・・・ありがとうよ。」


「そんなことはさておき、適正者協会に行くのではないのか?」


「いや、その前にステータス、確認しようと思ってな。」


俺は自分のステータスを確認する。


辰野 鹿 L01

従者 馬柳 槍 Ⅳ

攻撃 10【+35】

防御 12【+29】

速度 15【+56】

魔法  0【+34】


スキル

馬術

風魔法


「・・・馬柳って、実はすごい?」


「そうだぞ。だからなかなか適正者が見つからなかったんだ。」


「まじか、実は俺ってすごいの?」


「身体能力と人間性で相性のいい動武としか適正しないだけであって、ランクが高い動武がとてつもなく優れている人間としか適正しないわけではないからなんともだな。ただ、従者となる前の動武は、従者を持っていない人間のステータスだけは見れるのだが、その中では鹿はかなり高かったと思うぞ。」


「おーまじか。トレーニング続けててよかったわ。」


「だいたい、鹿と同年代のステータスは平均が5~8くらいだったからな。魔法のステータスは全員0だったが、それと比べてもかなり高いと言えるだろう。」


「そっか。馬柳の力が補正されるとかなりいけるのかな?」


「それは、わからん。迷宮には入ったことがないのでな。」


「そっか。とりあえず、適正者協会に行こうか。」


俺と馬柳は適正者協会へ向かう。

家を出るときにごめんねー!いっぱい稼いでね!

などという声が聞こえたが、返事もせずに外出した。

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