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1回裏・転生でなく、転身
「小松原くん、本気かね」
革張りの椅子に腰かけたスーツの男が、目の前に立つ白髪の青年に問いかけた。
「ええ、もう二桁打てる力は私にはありません。そろそろ身の引き時かと」
「そうか、…残念だね。君は本当にチームの力になってくれていた」
残念そうに俯くスーツの男。
「しかし、君はまだいいセンスを持っている。このまま失うにはあまりにも惜しい。そこで、だ」すぐに顔をあげ、青年に語りかける。
「ー小松原くん。次のシーズンから、君にはブルペン捕手としてチームに残ってもらいたい」
ブルペン捕手・小松原翔平の誕生である。




