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第3話 2人のゲーマー


状況が整理できない、理解出来るものより理解出来ないものの方が多いからだ。


ここにいる原因はあの声の主だとして、まずここが何処かが分からない辺り一面に白い壁感覚的には1辺5m程だろうがこの真っ白な空間では距離感が狂いそうになる。ここで俺はあることに気づいた...


「身体が軽い」


そう、身体が軽いのだついさっきまで過労でボロボロの身体を自分の部屋で横にしていたはずだ、なのに今は物凄く身体が軽い少し驚きながらも軽快にスキップしてみる、そして...


「痛ったぁ!」


思いっきり壁にぶつかった距離感がなかなか掴めない


「少し落ち着こう」


部屋の隅に行き角に背中を付け改めて状況を整理する



俺は声の主に『死にたいか?』と聞かれそれを肯定した。恐らく俺がここにいる理由はこれだ

そして今のところ声の主は現れず縦横5mくらいの真っ白な部屋に閉じ込め?られている

あと何故か身体が軽い。


「なるほど、わからん!」


考えても無駄な気がした


「とりあえず待ってみるか」


騒いだところで出れるわけでもないだろう、なら無駄な体力を使わず待つことにした普段の俺ならもっと焦って取り乱していただろう

だが今の俺は何もかもを投げ捨てていいと思っているなので何が起きても取り乱すまで焦ることはないだろう


それから時間が経ち正確な時間は分からないが体感では3日程経っていた、ここでも新たな発見があった なんと何日か経ったにも関わらず全く睡魔と空腹がないのだ腹が減らないのはありがたいが睡魔が全くないので一切寝れない...つまりは暇だ!


ここに来てから1人でできる暇つぶしは一通りやり尽くした。初めはこのまま死ねるかと思い只々時間が過ぎるのを待っていたのだが正直この長時間やる事がないのは辛かったので今は脳内チェスでもう1人の自分をフルボッコにしている現在の戦績は62勝0敗だ



かなりの時間が経った恐らく1~2ヶ月の間だろう一向に死ねる気配がしない。少し怖くなった、このまま孤独のまま死ねずに誰にも気づかれないまま時間だけが過ぎる...

それは死を恐れていない今の俺にとって死よりも怖いものだった。


誰かに会いたい....


「っ!」


不意に彼女の事を思い出す。

悪いことをしたとは思っていた、だがそれ以上のことは頭がいっぱいで考えていなかった


今謝れば許してくれるだろうか...

体調が良くなったら遊園地に行こって言ってたな...

またあいつの作った料理が食いたい...


叶わないのは分かっている..だけど..もし..ここから出られたら..


「もう一度あいつに会いたい!!」


俺は目に涙を溜めながら力強くそう叫んだ


急に辺りが眩しくなる


この感覚は覚えている


咄嗟に目を閉じる


ピッ ピッ ピッ ピッ


耳元から聞こえる電子音


そして微かに感じる薬品の匂い


俺は恐る恐る目を開ける....


病院のベットの上だった、そして左手に感じる暖かい感触、そこには俺があと箱の中で会いたいと叫んだ彼女が俺の手を握りしめ寝息を立てていた。頭がパンクしそうになるが状況を整理するため辺りを見回す


「....7月19日?」

日めくりカレンダーの日付が目に入ったそれは俺が仕事帰りに道で倒れ病院に運ばれ目を覚ました日だった


「んっ?」


俺の声に反応し彼女が目を覚ます。


「よかったぁ目 覚めたんだね!」


「.....」


「ん?寝ぼけてる? さっき同僚の人から連絡あってしばらく有給で休んでいいだって! なんか会社的?に休ませとかないとまずいらしくて」


「......」


「だからさ! 体調良くなったらお弁当作って新しく出来た遊園地行かない? 」


無意識に俺は彼女を抱きしめていた


「えっ?えっ? いきなりどうしたの??」


「ごめん...心配かけて」


そう耳元で呟いた


「なんで謝るの? 彼女なんだから当然でしょ!」


俺と同じように彼女も耳元で呟く


自然と涙が溢れる


もしかしたら今じゃないのかもしれない

もっと別のタイミングがあったかもしれない

だけどその言葉を聞いた時今言わなければいけない気がした、

抱きしめている腕を方に置き彼女の目を見る


「俺と結婚してくれ」


「はい!不束者ですがよろしくお願いします!」


唐突に涙を流しながらプロポーズする俺に戸惑いながらも満面の笑みで答える。


「今度指輪とか買いに行かないとな!」


「お嫁さんかぁ 可愛いドレス選ばなきゃ!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「また負けてるじゃん!もしかして全敗?」


「いやぁー最近の人間は強くて困るねぇ全然勝てないや」


「僕はわざと負け続けているように見えるんだけど気のせいかな?」


「気のせいだって! この力は僕らが人間を使ったゲームで遊ぶ為の力、そのゲームでわざと負けてどうするのさ そもそも初めから負ける気ならあんなに低い声使ってめんどくさい演出なんかしないよ」


「それもそうだね ルールに背かない限り何しても大丈夫だし」


「前々から思ったけど遊ぶのが仕事ってちょっと変わってるよね」


「そうかなぁ?楽しくていいと思うよ、あっそろそろ行かないと! 」


「バイバーイ お仕事がんばって!」


「またねぇー」


「......やっと行ったかぁ 次の人間探さないとな」


読んで下さりありがとうございます。


ここまでの話はプロローグ的な意味合いが強いです。

更新ペースはバラバラになると思いますが今後もお付き合い下さい

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