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第3話「ウマを手に入れる!」

「陛下、お務めご苦労様でした」

全身、ゴブリンの返り血を浴びた政宗にセバスチャンがタオルを差し出す

「なぁに、大したことない雑魚どもだったさ、案外肩慣らしにもならなかったな」

差し出されたタオルで顔の血を拭いながら政宗は言った

「左様でございますか、陛下がいて下さいましたらこの三日月も安泰でございますな」

「それはわからんぞ、セバスチャンよ、まだほんの敵の足軽を殺ったぐらいじゃ勝利を確信など持てぬよ、敵の強者どもと手合わせしなくてはな」

「陛下の敗北など考えられませぬ」

「それは違うぞ、セバスよ、敗北を知らぬ者は強くはなれぬぞ、俺は戦乱の世でそれを学んだ、それだけの事よ」

「陛下…」

「貴様ら、これにて実戦訓練を終わらせる!各自戦利品は各々持って帰ってよし!今日はこれにて終了だ!」

「うぉー!ダテ様!ありがとうございます!これで家族に上手い飯を買ってやれます!」

「ダテ様!最高!」

兵士達は政宗を称え喝采を浴びせていた


「しかし、セバスよこの広い敷地内を徒歩で歩くのはちとつらいな、民衆に何より格好がつかないぞ」

「わかりました、陛下、ウマをご用意します」

「おぉ、馬が居るのか、丁度よいではないか、俺は馬の扱いには長けているぞ」

「さすがは私達の陛下、ウマをご存知とは恐れいりました、なおかつウマの扱いには慣れているとはこのセバス素晴らしい主に遣えて幸福でございます」

なんだ?たかが馬が乗れるごときでこんなに賞賛されるとはどういう事だ?

まぁよい馬に乗るのも久々だ、楽しもうではないか

パフーとセバスは何かの角であしらわれた笛をならした

バサバサバサ

何やら遠くから大きな羽を羽ばたかせた様な音が聞こえた

「何だ?この音は?」

その羽音は徐々にこちらに近づき段々と音は大きくなっていった


次の瞬間、その羽音が聞こえた方を見た政宗は自身の目を疑った

そこには口の端から火をたらし、鋭い牙と爪を持ち合わせ全身を硬い鱗で覆った翼の生えたトカゲがいた

「こ、これは?」

「陛下、ウマにございます」

まさかこのような化け物がいようとはこの世界には驚いた、しかし面白い、こいつに乗るのも悪くはないな

「よし、セバスよ乗らして貰おうか」

「陛下お待ち下さい」

「どうした?」

「ウマは人を選ぶ、という言葉がありまして、高貴かつ屈強な存在であるウマは高貴で屈強な主を選びます。なので陛下のお力を示さなくてはなりません」

「なるほどな、このウマに俺の力で服従させよということだな?」

「左様でございます」

「先の戦いのゴブリン狩りも肩慣らしにもならなかったからな、これはいい運動になるかもしれないな」

「お気をつけ下さい陛下、ウマは強うございます」

「俺よりもか?」

「後戯れを」

「おいそこの大トカゲ!我に屈し、我が馬となれ!」

政宗の存在に気付いたウマは政宗目掛けて襲いかかってきた

ウマは政宗をいきなり食らおうと噛みつこうとした

しかし、政宗の間合いに入ろうとした瞬間ウマは止まった

刀に手をかけた政宗の間合いに入ったら瞬間自身の首が一瞬で飛ばされる、そんな殺気を感じた

これは動物が持つ生存本能である

ウマは人より知能が低いが生きていく上の本能が政宗と戦うと命がないということを察したのであった

そしてウマは政宗の前で伏せていた

政宗を主と認めたのである

「ほぉ、どちらが上か察したのか、なかなか賢い馬のようだな」

「流石です、陛下、戦わずしてウマを従わせるなんてこのセバス聞いたこともございません」

「そうか、そうか、で、セバスよ、お主は馬を従わせているのか?」

「左様でございます、しかし陛下と違って私目はやっとの思いで勝利して従わせたに過ぎません」

「でも勝ったのだな?」

「はい」

「なるほどな、セバス、お主とは一度手合わせをしたいものだな」

「私目は陛下の足元にも及びませんよ」

「そうかのぉ、俺の目にはなかなか出来る男に見えるのだがな」

「このセバス、そう言っていただき嬉しく思います」


そんなやり取りをしながら政宗は従わせたウマに跨がった

「ほぉ、良いものだな、気に入ったぞ」

「ガルルル」

ウマは唸りをあげていた

「そうだな、お前に名を授けよ、そうだな赤い姿をしているからな、暁とはどうだろうか?」

「ギャー」

ウマは喜びの声を上げているようだった

「そうか、気に入ったか今日よりお前の名は暁だ、頼んだぞ」

暁は雄叫びをあげていた


暁に乗り政宗は三日月城へ向かった

しかしその道中城を守らせていた兵士が駆け寄ってきた

「ダテ様、敵襲です!」

「何?敵は魔物か?」

「違います!少女一人です」

「何だと?お前らは少女一人てこずっているのか?それでも三日月の兵士か!」

「それが敵はいくら攻撃しても当たらなく全てかわすのです!」

「ほぉ、そんなに強いのか?」

「恐れながら私達では太刀打ち出来ません」

「ならば俺が行こう、どうやらゴブリンどもよりは強い様だ」

そう言って暁に跨がった政宗は三日月城へ急いで向かった


三日月城にて

「この国の王様はまだなのかい?」

金色の髪をなびかせた少女が一人いた

「こいつ女のくせに化け物か?まるで攻撃が詠まれているみたいだ」

「はぁ、私の話聞いてないのかな?まぁいいか、ここで待ってたらいつかは来るでしょう。私はこの国の王が本当に王たる器か見極なきゃいけないからね、ちょっと眠っててね」

「ぐはぁー!」

城を守らせていた兵士は少女に倒され全て床に倒れていた

「早く来ないかなぁ、王様ー」

王座の間にて玉座に腰を下ろす少女が一人、政宗を待っているのであった


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