第21話「戦姫」
「さぁそろそろ終わらせようか」
そう言うと政宗は静かに天眼を使った
「まあ先生、その眼素敵ですわ」
「余裕だな」
「なっ…!」
そう言った政宗はもう既に貂姫の背後を取っていた
「ほうやるな」
ディアーナは感心したような目で見ていた
「うちの敗けでありんす」
敗けを認めた貂姫は背後に手をやって政宗の頬を撫でた
「政宗先生、敗けたうちを好きにしてくださいまし」
「そうか?じゃあお主の力はなかなかのもの、我が野望、魔王を打倒しこの世界の天下統一の夢の為、力を貸してくれないか?」
「分かったわ、政宗先生のお望みとあらば、うちは喜んでこの身を捧げますわ」
そうして政宗は刀を納めた
「話は終わったのか?」
ディアーナが大刀を政宗に向けて言った
「ディアーナ、うちは政宗先生と一緒に行く事にしますわ」
そう言って政宗に貂姫は抱きついた
「ちょっと、近いですわ」
ディーヴァが少し焦った様に言っていた
「そうか、貂姫、そいつが気に入ったのだな、だがお前ばっかり楽しむのはずりぃぜ、俺もそいつと戦いたいんだよ」
「分かったわ、じゃあ政宗先生頑張って下さいまし」
そうして貂姫は政宗から離れた
「やっとお前と戦えるな、楽しませてくれよ?」
「ああ、勝ったらそこのドラゴンを退けてもらうぞ?」
「いいぜ、それに俺に勝ったら俺もその野望とやらを手伝ってやってもいいぜ、面白そうだ!」
そう言うと大刀をブンブン振り回しなして言った
「俺はドラゴン王国の王であり戦姫ディアーナだ!行くぞ!」
(戦姫だと?魔王の言っていたディーヴァの歌姫と何か関係があるのか?あるとしたら世の理に近づけるやもしれん)
「何を考え事してるんだ?余裕だな!」
ディアーナは大刀を振りかぶって政宗を攻撃した
政宗はそれを鞘で防いだ
(この娘、何て力だ?この俺が力で圧されている?)
「まだまだぁ!!」
そしてその細い腕からは考えられない豪腕でそのまま大刀を振りかぶり政宗をぶっ飛ばした
「がはっ!」
政宗が飛ばされた先には木々や大岩があった
その木々は飛ばされた政宗がなぎ倒しそのまま大岩にのめり込んだ
(こいつ、強い…)
「お前、弱いのか?せっかく楽しみだったのに」
大刀を政宗に向けながら残念そうにディアーナは言った
「まさか、ここからが真剣勝負だ」
「そうか、そいつは楽しみだな!」
そう言って大刀を政宗に突いたが政宗は間一髪避けた
政宗が避けたことによって後ろにあった大岩は大刀が突き刺さり砕けた
(こやつの力、尋常じゃないな、人間離れしておる、仕方ない本気をだすか)
「おー、やっと本気を出したか、その眼、貂姫と同じ天眼だな?」
「知っているのなら話が早い、ここからは本気でいくぞ」
「最初から本気でやってもらいものだったが
、まあいい、この退屈な日々か、俺を解放してくれよ!」
ガン!キン!
激しく刃のぶつかり合う音が日々き渡った
(この政宗とか言う男、何て速さと剣術だ、この俺が決めきれない)
(こやつ、大刀を上手く使った戦法だ、攻撃範囲が広い分迂闊に近づけない、それにこの怪力、一撃一撃が重く食らえばただではすまぬな)
「おい、政宗!戦いは楽しいな!久々にこの俺の真の力を見せてやるよ!この力を出させたお前にこのディアーナ、敬意をはってやるぜ!」
そう言うとディアーナは大刀を地面に突き刺した
「はぁーーーーーーあ!」
そのまま気合いを入れたかと思うとディアーナの姿が変わっていった
「これが龍化だ!」
なんとディアーナの腕はドラゴンの様に鋭い爪、頭には角を生やし、胸に龍鱗を纏っていた
すると大刀を一振りした
力があまりにも強すぎてその大刀は目にも止まらぬ速さで振られていた
「オラぁ!」
するとそのままディアーナは攻撃をしてきた
しかし政宗は見切った
(右だな)
右からの攻撃を弾こうとし刀を振った
だが、左から強烈な攻撃が来たのだった
(何!?)
そのまま政宗は斬られ地面にずるずると滑るように叩きつけられた
「政宗、お前の眼では真の俺の力は追えないようだな」
(何て速さだ、この俺が攻撃された瞬間すらわからないとは…)
だが政宗はすぐさま立った
「やっぱり、一撃では倒せないよな、まあそうでなくちゃな!」
尽かさずディアーナは攻撃を加えた
「どうなっているのか私の目では追いつけない」
ミル達は政宗の戦いをただ茫然と見ていたのであった
「もっと俺を燃えさせてくれよ!」
ディアーナの連擊は続く
政宗も反撃する、しかしディアーナの大刀の間合いは長くなかなか距離を詰めることが出来ないでいた政宗は少しづつディアーナの大刀によって切り刻まれていた
(あの大刀、厄介だな、くそ、やつの剣筋が全く捕らえきれておらん、手の打ち様がないのか?)
「政宗様!負けないで!」
ディーヴァが叫んだ
(ああ…俺はこんなところで負けられねぇ、負けられないんだよ!天下統一の野望を背負ってる、その野望への執着心、他の誰よりも勝っておるのだ!)
野望に燃える政宗、その眼には野心を抱いていた
人は本気で挑めば限界を越えることがある
そう、政宗の心眼は前世より次の段階へと進化するのだった




