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第14話「ゴーレム国の兵隊長」

「ちっ!こいつもハズレがぐもうぉぉぉぉ!」

「うっ、サバ様生きて下さい…」

砂のゴーレムがミノタウロスに掴まれていたがサァーと崩れ落ちていった

「サ、サブ…」

砂のゴーレムが崩れたのを目の当たりにしたサバは落胆していた

「サバ様!お逃げ下さい!」

サバの前に機械仕掛けのゴーレムの娘が立った

「次はお前が死ぬ番かもうぉ?それともお前がアタリかもうぉ?」

「死ぬのはあなたです!」

機械仕掛けのゴーレムの娘はミノタウロスに飛び掛かった

すると、ドンと機械仕掛けのゴーレムの娘は横から押された

「ここはこのサバに任せろ」

「サバ様ぁぁぁぁ!」

機械仕掛けのゴーレムの娘はそのまま窓を突き破り外へ出て行った

「お前ら!あの娘も必ず殺せもうぉ!あの娘がアタリかもしれないもうぉ!」

「そうはさせんさ、ミノタウロスども、このサバが貴様らをあの世へ送ってやる」

王座の間から出て行こうとするミノタウロス達の前にサバは立った

「お前一人で何が出来るもうぉ?」

「貴様らを血祭りにあげる事は少なくとも出来るさ」

「ふざけるなもうぉぉぉぉ!」

サバは一人ミノタウロスの戦士達を相手にした


「暁、ここまででよい」

「どうしてですの政宗様?まだサバの国じゃありませんですわ」

「他の種族を警戒している国だ、暁に乗って赴くとより一層警戒されるやもしれない、だから一旦ここからは暁にから降りて歩いて向かった方がよいと思ってな」

「なるほど、確かにそうですわね、さあ行きましょう政宗様」

「じゃあまた頼むぞ暁」

「ギャァー」

暁は空へと飛び立ったのだった


しばらく歩くと石で出来た国へ着いた

「ここがゴーレムの国か」

政宗達はゴーレムの国と思われる門へ着いたのであった

「よそ者はここへ入るな!」

門を守っている門番が政宗をみるなり大声を上げて門を塞ぎ、持っていた槍をこちらへ向けていた

「確かにセバスの言っていた通りこの国の者は他の種族との外交を断っているようだな」

「どうしますの、政宗?」

やはり、この俺とした事が何の準備も無くここへ来たのは軽率だったか、それほどまでにジャンヌの事で心が逸っていたのか

「とりあえず外交の持てる手段が無くてはならない、ひとまず離れよう」


「今回はただの同盟でも侵略でもない、秘薬の所在が分からぬ以上、力任せで秘薬を奪いに行ってもだめだゴーレムの国との外交を持っている近郊の国へ行きゴーレムの国と外交をどうにかして持てる様にする手段を得るのが、早く確実かもしれんな」

「しかし、それでは時間がかかり過ぎてしまいます」

「ああ、だが事を荒立てる訳にはいかんのだ、どうしても秘薬を手に入れなければジャンヌを救えん」

「そうですわね、私も出来る事なら争いは望みません、でもジャンヌ様の時間は限られてます、間に合うのでしょうか」


ああ、分かっているさ、ジャンヌを救える時間が僅かであることは、でも外交の手段が無い以上ゴーレムの国にすら入れない

だから俺は最も確実な方法で秘薬を手に入れるしかないんだ!


そうこうしてある間に迎えに来た暁が降りてきた

背中には何かを乗せていた


「暁?何を乗せているんだ?」

「政宗様、人です!」

そこには人の形をした機械仕掛けのゴーレムの娘が暁の背に横たわっていた

「本当に人なのか?からくりの様にもみえるが?」

「分かりません、でも怪我をしている様です」

「うっ、うぅぅ」

「ディーヴァ、助けられるか?」

「私も肉体を持ってない者を治した事はありません、ですがやってみます」

そう言ってディーヴァは癒しの歌を歌った

すると、みるみるその機械仕掛けのゴーレムの娘の壊れた部分が治っていった

「おぉ、良かった、ディーヴァの歌でも治せるのか」

傷が癒えるとの同時にその機械仕掛けのゴーレムの娘は意識を取り戻した

「うぅぅ、ここは?」

「気が付いたか?お主が倒れているところをそこの暁が助けたのだ」

「ありがとうございます、ってあれ?人間が何でこんなところに!?それにこの生き物は!?」

目が覚めるなり辺りを見て機械仕掛けのゴーレムの娘は驚いていたが、はっと我を取り戻し思い出したかの様に慌て出した

「こんな事をしている場合じゃない、早くサバ様をお助けせねば」

「サバだと?お主、サバと知り合いなのか?」

「サバと呼び捨てとは恐れ多い、サバ様はゴーレムの国の王で私はそこに仕える隊長です!」


これは神が与えた好機!この娘と行動を共に出来ればサバに接触が出来るはずだ

「ところでお主はどうしてあんなにも負傷していたのだ?」

それを聞いたとたんにその娘はぼろぼろと涙を流した

「私は何も出来なかった、ゴーレム国の兵隊長でありながらサバ様をお助けお守り出来ず今ものうのうとこんなところで生き長らえている、それに今私が一人向かったところであのミノタウロスの戦士達は倒せはしない、私は本当に無力だ」


あぁ、お主も俺と同じなのだな、無力な自分が悔しくて腹立だしいのだな

政宗は目の前の娘に無力だった自分を写して見ていた


そして娘はすくっと立ち上がった

「助けてくれたことは礼を言う、では私は先を急ぐので」

そう言い残して歩き出したが一歩目で娘の足取りは止まったのだった

「こんな時に!」

そう言って娘は完全に停止していた

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